
ラクロス部(男子) どこよりも熱い応援を背に全国へ/卒業記念特別企画
今年新たな歴史を築いた明大男子ラクロス部、通称・HUSKIES。その中心にいたのは野田航生主将(政経4=明和)をはじめとした28人の4年生だった。華やかなカレッジスポーツの魅力を受けた1年次。理想と現実のギャップに苦しむ中でも成長を遂げた2、3年次。そして戻ってきた華やかな舞台で最高の結果を出した4年次。彼らの激動の軌跡を振り返る。
▼10・16 第34回関東学生リーグ戦ファイナル4 対早大戦(駒沢オリンピック公園第一球技場)
○明大5{0-2、1-1、2-1、2-0}4早大
2019年、私がまだ明大に入る前。大学ラクロスでは〝超集客試合〟という新たな試みが行われた。積極的な広報活動を行い、応援団も来場。当日は予想を上回る観客数でスタンドが紫紺に染まった。そんな舞台を見ていた今年の4年生。「自分もあの場所でプレーしたい」と決意を新たなに練習に励んだ。そんなカレッジスポーツにとって必要不可欠な応援が突如、失われた。新型コロナウイルスの影響で全試合無観客。リーグ戦は短縮され、無言の会場の中でプレーすることを迫られる。「誰からも応援される場がなかった」(野田)。1年次に超集客試合の華やかさから一転。誰からも応援されない中でのプレーに選手たちはどこか虚しさを感じた。
しかしその中でもHUSKIESは確実に成長を遂げた。2020年の特別大会で7年ぶりにファイナル4進出、負けたら終わりのトーナメント方式に変更された2021年もファイナル4進出と地力をつけてきた。今年の4年生も野田主将や田部井明日翔(商4=明大明治)など下級生の頃から多くの試合に出場し着実に力をつけてきた。そして迎えた今年、HUSKIESが大きな飛躍を遂げる。3年連続でファイナル4に進出し迎えた相手は全国大会5度制覇を誇る早大。新型コロナウイルスの制限が解除され、3年ぶりのスタンドに紫紺が返ってきた。「早稲田に勝ちたいならば歌い飛び跳ねろ、歌い飛び跳ねろ」。平井颯太主務(営4=成蹊)を中心に大きな声援を送るスタンド。今年のチームスローガン『結』を象徴するように、スタンド、プレーヤー、マネジャーが一体となって戦い続けた。「応援を聞いて励みになったしうるっとくるものがあった。応援されるのはいいなと思った」(野田)。力強い応援を背に宿敵・早大を倒し悲願の全国大会進出。全国でもどこよりも熱い声援を送り続け決勝へ。慶大に敗れたものの史上初の全国大会準優勝という快挙を成し遂げた。
そんなHUSKIESに新たな歴史を築いた4年生が引退。「決勝に出たという経験を生かして足りないところは分かっていると思うので慶応を倒して日本一になってほしい」(野田)。決勝の経験を生かしさらなる高みを目指す。残された史上初は日本一の称号だけだ。
[牛嶋淳太郎]
関連記事
RELATED ENTRIES