
射撃部 圧倒的強さの裏側に迫る/卒業記念特別企画
〝常勝明治〟。この言葉が一番似合うのは明大射撃部ではないだろうか。今年度、春秋ともに優勝を重ね、全日本学生選手権(以下、インカレ)では男女アベック優勝を達成。まさに常に勝ち続けるこの部活動の強さはどこから来るのだろうか。その強さの要因に迫る。
◆10・13~16 全日本学生選手権(能勢町国体記念スポーツセンターライフル射撃場)
▼男子総合 明大――1位
▼女子総合 明大――1位
「優勝は明治大学」。3年間の明スポ人生において表彰でこの言葉を幾度となく聞いてきた。そんな部活動は明大射撃部を除いて他にいるのだろうか。
今年度、自身にとっては最後となる明大射撃部の優勝の瞬間を目撃してきた。その舞台は大阪府能勢町。人口は1万人を割る、街行く人誰に聞いても田舎と答えるような山の奥に位置する。自分が向かったその日は最終日。しかし、心配する必要はなかった。圧倒的な点数差をつけており、順当に高得点を獲得し続けていた明大は既に暫定一位。他大学につけ入るスキはなくアベック優勝を達成した。この強さはどこから来るのだろうか。
そんな射撃部は河本理桜主将(法4=鶯谷)を中心に一つのテーマを突き詰めた。「部員の意志を尊重していく」。
昨年度は伝統を引き継ぐ方針を貫き、運営を進めてきた明大射撃部。従来、メンバーは指名制で決められており、選手自身の意思とは関係のない選出であった。しかし、主将の河本はその現状を刷新。個人の意志を尊重したメンバー選考に切り替えた。その影響か、部の雰囲気も良くなり、それぞれが重圧を感じずに射撃を行えるようになった。「チームとして春から成長できている」(河本)とその手応えは十分。チーム力の底上げを果たし、アベック優勝の要因となった。
「今年一年で部として好成績を出せたのは主将あってのチームだったから」(渡部奏乃音・国際4=国際学院)。この言葉が物語るように主将のチーム改革はいい方向に部員を導いた。11年ぶりとなる快挙の裏側には、今年の明大射撃部を両面から支えた偉大な主将の背中があった。
[小井土大裕]
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