(40)シーズン後インタビュー 堀義正

 掲げた目標の達成を目指して、今シーズンをひたむきに戦い抜いた。今年度の日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)では20年ぶりにアベック優勝を果たし、チームとしても目覚ましい結果を残した。その中でも、近い将来を見据えながら歩み続ける選手もいれば、今シーズンでスケート競技から引退した選手もいる。それぞれが感じる思いを、選手の言葉を通じてお届けする。 

(この取材は3月4日に行われたものです)

 

第10回は堀義正(商3=新渡戸文化)のインタビューです。

 

――今シーズンを振り返っていかがですか。
 「ジャンプが戻り切らなかったのもあるのですが、スピン、スケーティング、ステップなどでも技術不足を痛感したシーズンでもあったので、反省点しか残らないシーズンでした」

 

――シーズン前インタビューの際に『邁進(まいしん)』という目標を掲げていましたが達成することはできましたか。
 「できなかったです。技術を追い求め過ぎてしまい自分を見失ってしまったというか、一つのジャンプをここまで戻したいというのはあったのですが、そこまで戻すにはどうしたらいいかと試行錯誤をし過ぎて、抜け出せなくなってしまったのが大きいです」

――今シーズンの中で印象に残った試合はありますか。
 「インカレです。自分は主務として同行させてもらったのですが、チームが一致団結しているのを感じましたし、男女アベック優勝というのは大きい功績だと思いました。リンクサイドから見ていて非常に印象に残っています」

――シーズンを通して成長を感じた部分はありますか。
 「一歩一歩の踏み出しが大きくなったところです。スピンのスピードのつけ方を一新して、基礎の細かい部分で成長を感じました」

――シーズン前にFS(フリースケーティング)のプログラムを変更しましたが、その点に関してはいかがですか。
 「心機一転、新しい表現方法として身に付いた部分が多かったです。ですが、まだ曲にのまれているという感覚があります。曲に乗せて自分が表現しているというよりも曲に踊らされているという感じで、まだ滑り切れていないプログラムかなと思います」

――スピン、ステップも変更しましたが、その点に関してはいかがですか。
 「元々スピンが得意ではないので、その中でどうレベルを取れるのかをコーチと試行錯誤してきました。シーズン序盤は全くレベルを取れなかったのですが、シーズン中盤になるにつれてレベルを取れるようになってきて、自分の中では成果だったかなと思います。しかしレベルが上がっていくにつれてスピンが複雑になってきて、自分の中でマイナスが目立ってきてしまったので、来シーズンはマイナスを減らせるようにしていきたいです」

――オフシーズンに修正したい部分はありますか。
 「今挙げた中ではジャンプです。自分の強みはジャンプなので高さを生かしたジャンプを戻したいという気持ちは大きいです」

――来シーズンの目標をお願いします。
 「トリプルアクセルを戻します。今、軸がバラバラになってしまっているのでそこを安定させたいです」

――新たに挑戦したいことはありますか。
 「FSのプログラムは継続でSP(ショートプログラム)を変えたいと思っています。FSは自分の中で表現を満足にできていないので、もう1年という気持ちがあります。SPは2年使っていますが、楽しく滑れていて全日本選手権もこれで出場することができ、やり切った感じがあるので、変更しようと思いました」

 

――来年度、主将としての意気込みをお願いします。
 「主将としての太一朗くん(山隈太一朗・営4=芦屋国際)の背中を見てきた1年で、自分も大きい背中でついてこいという感じにはできないのですが、ムードメーカになって各試合でチームの士気を高めていけたらなと思います」


――ファンの方へメッセージをお願いします。
 「先日行われた明治法政オンアイスにお越しいただきありがとうございました。ツイッターを見ていても有観客にしてほしいという要望がありましたし、自分のDMにもきていたので叶えることができて良かったです。『いいショーでした』という声が自分のところに届いて励みになりましたし、モチベーションにもなりました。今シーズンはいい姿を見せることができなかったので、来シーズンこそご期待に応えられるように、プログラムを一新して臨むシーズンとなりますが応援よろしくお願いします」

 

――ありがとうございました。

 

[冨川航平]

 

(写真は本人提供)