
(31)シーズン後インタビュー 江川マリア
掲げた目標の達成を目指して、今シーズンをひたむきに戦い抜いた。今年度の日本学生氷上競技選手権では20年ぶりにアベック優勝を果たし、チームとしても目覚ましい結果を残した。その中でも、近い将来を見据えながら歩み続ける選手もいれば、今シーズンでスケート競技から引退した選手もいる。それぞれが感じる思いを、選手の言葉を通じてお届けする。
(この取材は2月22日に行われたものです)
第1回は江川マリア(政経1=香椎)のインタビューです。
――今シーズンはどんなシーズンでしたか。
「今シーズンはあっという間に終わってしまって、とても忙しいシーズンだったなという感じがします」
――今シーズン一番良くできたと思う試合はどの試合ですか。
「FS(フリースケーティング)に少しミスがあり完璧ではなかったのですが、SP(ショートプログラム)とFSともに一番良くできたのは東京選手権かなと思います」
――結果など関係なく一番印象に残った試合はどの試合ですか。
「やはり全日本選手権(以下、全日本)です。悔しい部分もありましたが、印象には残っています。雰囲気にのまれてしまったなというのは振り返ってみて感じます」
――この1年でどんな部分が成長しましたか。
「今シーズンも新しいジャンプを入れるなどといったことではなく、いろいろな部分を少しずつ成長させてきたという感じでした。これが1番というのははっきりとはないのですが、去年よりはFSもしっかりとまとめた演技ができるようになったのではないかと感じます。一方でSPが今シーズンはノーミスの演技があまりできなかったので、すごくそこが課題だなと感じます」
――今シーズンで見えた改善点はありますか。
「SPにルッツトーのコンビネーションを入れているのですが、やはりそれが今シーズンではまだしっかりと自分のものにできていた感じがしませんでした。昨シーズンにできるようになったジャンプではあるのですが、まだ練習でも成功率が他のジャンプよりは良くなかったりしたので、そのジャンプの精度はやはり上げないといけないなと感じました」
――シーズンを通して滑ってきたプログラムはいかがでしたか。
「SPは3年目でFSは2年目の継続で滑ってきたプログラムなのですが、特にFSが自分の中でかなりお気に入りのプログラムだったので、毎回感情を込めて楽しんで滑ることができていました。毎試合緊張はするのですが、プログラムに少し助けられた部分もあったように思います」
――練習環境の面ではいかがでしたか。
「昨シーズンはその面に関してはとても苦労したので、その分今のこの恵まれた環境で練習できているのが当たり前ではないなと思いながら練習できている部分はありました。リンクで毎日滑ることができるという環境もですし、スケートリンク自体がまだ新しくてきれいでとても滑りやすいので、そういったリンクの状態や練習の時間帯などのストレスが全くない状態で練習できたのが今シーズン去年よりは成績を残せた要因でもあるのかなと思います」
――今シーズンからシニアに転向しましたが変わったことはありましたか。
「プログラム自体は実質FSのコレオシークエンスが加わったぐらいでそこまで大きなエレメンツの変化などはないのですが、ジャンプだけでなくスケーティングなど魅せる面がやはりシニアに出ている方々は表現できるものを持っているといいますか、そういったところがジュニアとは違うなと思いました。全日本ではジュニアの子も一緒に戦うのですが、いくらシニアになったといっても全日本ではジュニアの子たちとも戦うので、その子たちに負けないぐらい強化しないといけないなと感じました」
――今シーズンは表現の面が特に光っていたように感じますが、その秘けつは何ですか。
「練習から表情をつけて練習するというのはいつもやっていました。あとはやはり同じリンクで練習しているシニアだけでなくジュニアの子たちも表現が自分よりもすごく上手な子たちがいっぱいいて、練習している中で間近で見ているので目で学ぶものがかなり多いなと感じます」
――この1年の大学生活はいかがでしたか。
「今年は親元を離れての生活だったのですが、しっかりと自分で起きて1限に寝坊せずに行けたので良しとしようという感じです(笑)後期はまだわからないですが、一応単位もしっかりと取れているので、楽しく学校生活を送れているなという感じです」
――明大スケート部での思い出はありますか。
「やはりインカレですかね。インカレは大学ならではの大会なので、自分の演技の前にすごく応援してくれたりとか、逆に応援し合ったりとか、練習している環境は違っていても、同じ部活で月に1回は部練があったりするので、それで仲良くなって大学の枠が関係ない試合でも応援し合うというのがあるのがすごくいいなと思いました」
――部の仲間から刺激を受けたりはしますか。
「そうですね。特に同期はりをんちゃん(住吉りをん・商1=駒場学園)も駿くん(佐藤駿・政経1=埼玉栄)も今シーズンはすごく活躍していたので、刺激をすごく受けているという感じですね」
――オフシーズンの過ごし方を教えてください。
「国民体育大会が終わってからはオフシーズンに入りました。2月はとりあえず福岡に帰ってきていて、3月からは振り付けを始めるかなという感じです。今も練習は毎日やっているので完全にオフというのはあまり取ったことはないのですが、大会の時よりは緩めなのかなという感じです」
――今シーズン応援してくださった方へのメッセージをお願いします。
「今シーズンの応援ありがとうございました。自分の中で一番目標にしていた全日本でいい演技をお見せすることはできなかったのですが、1年間で成長できた部分もたくさんあったと思うので、来年はもっともっと成長して、技術もそうですし、表現の幅も広げたいなと思っているので、新しい自分をお見せできるように頑張りたいなと思います。引き続き応援よろしくお願いします」
――来シーズンの予定を教えてください。
「確定はしていないのですが、今のところはSPもFSも変えるつもりなので、その振り付けをして曲に慣れていきたいです」
――来シーズン挑戦したいことは何ですか。
「プログラムに入れられるかは分かりませんが、4回転の練習はしているので入れられたらいいなと思っています。それだけでなく常に新しいことに挑戦したいなと思っています」
――来シーズンの目標はありますか。
「やはり全日本でいい演技をすることですね。今年の悔しさを今度こそ晴らしたいと思っています」
――ありがとうございました。
[増田杏]
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