(206)日本選手権・20キロ競歩事後インタビュー/園原健弘監督、濱西諒、清水海地

2023.02.21

 ブダペスト2023世界選手権をはじめとする国際大会で日本代表の切符を勝ち取るには、今大会で上位の成績を収めることが必要となる。「世界一熾烈な頂上決戦」に明大からは2人が出場したが、実力者の壁に阻まれ入賞とはならなかった。今回は園原健弘監督、濱西諒(文4=履正社)、清水海地(理工3=長野日大)のインタビューをお届けする。

 

園原健弘監督

――今回のレースを振り返っていかがでしたか。

 「今の実力を発揮したという感じのレースです。濱西にしても清水にしても、目標が日の丸を付けるレベルまではいっていないので、自分の今後の競技人生を踏まえた上でどのように調整するかを考えたレースでした。目標設定を考えたらもう少しいってほしいところはありましたが、基本は今の実力通りの結果だと思います」

 

――濱西選手についてはいかがですか。

 「正直もう少しいけるかなとは思いました。ラスト5キロがあまり良くなかったですが、そんな中でも粘ってゴールしたのでそこは良かったと思います。彼は自分で就職先を決めてきて、競技を続けられる環境を自ら勝ち取りました。次につながるレースをしてほしいと思っていたので、今回はいいレースだったのではないかと思います」

 

――清水選手についてはいかがですか。

 「記録的にはもう少しレベルアップしたかったですが、レース内容は、試験期間で練習量が少ない中でも最後の5キロくらいでしっかり粘れたので(良かった)。清水は関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)をメインにしてほしいです。関東インカレで必ず上位入賞することを期待していて、そこに向けての練習の意味合いも兼ねたレースだったので、(結果に)満足しています」

 

――競歩部門のチーム状況はいかがですか。

 「競歩部門は、本当は個々で日の丸を付けたいというのがあるのですが、チームとしては関東インカレや全日本学生選手権、特に関東インカレでは3人全員の入賞を目指しています。チーム状況としては、濱西が抜けたというのは少し痛いですね。清水が大エースかと言われたらまだそこまでではないので、チーム力で戦う形になると思います。どの3人が出るか分からないですけど、3人でしっかり底上げをしていきながら、そして1年生2人が入ってきていいチーム状況にしていけると思います」

 

――ありがとうございました。

 

濱西

18位 1時間26分09秒

――レースを終えた心境を教えてください。

 「想像とは全く違う結果になってしまいましたが、できることはやれたと思います」

 

――今回の目標は何でしたか。

 「入賞を目標の一つにしていました。10キロを過ぎるまでは(入賞の)ラインにいられたので、及第点は取れたかなと思います。でもその後落ち込んでしまったので、そこは今後の課題になると思います」

 

――レースプランはどのようなものでしたか。

 「40分前後で10キロを通過するのと、いつも後半の5キロが課題だったので、15キロまで我慢して最後ペースを上げられれば上げるというプランでした。1月末にしたケガが完治していない影響もあって足が止まってしまい、後半はずるずるといってしまいました」

 

――自身の動きを振り返ってはいかがでしたか。

 「動きに関しては、ケガをしてもそこまで悪くならずにいい状態でこられていました。今回は警告が1枚出ましたが悲観するほど悪くはないので、動きはそのままでいいと思います」

 

――今大会はどのような位置付けでしたか。

 「FISUワールドユニバーシティゲームズが、今回から社会人1年目が(選考対象に)外れてしまったので、全日本競歩能美大会(以下、能美競歩)よりは今大会に合わせる方向でやっていました。なので、悔しい終わり方になってしまい残念です」

 

――日本選手権・20キロ競歩(以下、神戸競歩)に向けて意識して取り組んだことはありましたか。

 「昨年10月の全日本35キロ競歩高畠大会も、昨年、一昨年の神戸競歩もやはり後半5キロの落ち込みが課題だったので、そこを埋めるために練習量を増やすことを意識していました。1月に疲労があふれてケガをしてしまったので、ここで台無しにしてしまったなと少し悔しいです」

 

――能美競歩へ向けての目標をお願いします。

 「まずはケガを治します。治ったことを前提に話すと、やはり今回できなかった入賞、それも8位ではなく5位や6位を狙いたいです。学生選手権も兼ねているので、そこではしっかりメダル圏内に入ることがベストかなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

清水海地(理工3=長野日大)

清水

21位 1時間26分43秒

――レースを振り返っていかがですか。

 「風と雨で天候的なコンディションがあまり良くなかったです。後半ペースを上げられなかった分、粘ってペースを維持できたのは良かったです」

 

――レースプランはどのようなものでしたか。

 「学生選手権でしっかり出し切ることを前提としていたので、今回は練習がてらのレースでした。前半から中盤はあまり突っ込まずに1キロ4分15秒から20秒のペースで刻んでいって、ペースを上げられたら上げるという感じでやっていました」

 

――収穫や課題はありましたか。

 「距離の練習はできていましたが、スピード練習は不足していると感じました。今回スピードが出せなかったのは練習不足が響いていたと思います。距離の積み上げはある程度できていることが分かったので、またここから組み立て直していくという感じです。課題はやはりスピードが出し切れないことです。ある程度の速さだったら維持できますが、そこからもう一段階上げることが難しいです。練習で上げることができないとレースでもできないので、スピード練習を主に取り入れていきたいです」

 

――明大卒の選手もいましたが、それに関してはいかがですか。

 「競歩ブロックの魅力の一つとしてOBが活躍しているという部分があると思うので、やはりそこは誇らしい気持ちです。現役の学生たちもそれに続いていこうという気持ちになります」

 

――学生選手権の目標をお願いします。

 「順位も見ますが、20キロをしっかり歩けたという手応えが欲しいです。今は20キロが1時間26分台なので、これを23分から24分を最低限の目標にしていきたいです。そのタイムで歩けないと、4年生になったときに濱西さんのように戦っていくことが厳しくなると思います。学生の部で入賞することが一番の目標にはなりますが、タイム的には23分から24分を目標にここから組み立てていきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[覺前日向子、菊地隼人、島田五貴]