
(102)「強いスクラムを来年もつくり上げてほしい」大賀宗志 シーズン終了インタビュー
2022年12月25日。秩父宮ラグビー場に響いた無情なホーンの音は、石田組の終わりを告げた。選手たちはあの時何を思い、今何を感じているのか。率直な思いを主将、副将の3人にお話を伺った。
第1回は大賀宗志(営4=報徳学園)選手のインタビューをお送りします。(この取材は12月28日に行われたものです)
――改めて、全国大学選手権準々決勝・早大戦を振り返ってみていかがですか。
「時間がたてばたつほど悔しいですね。負けたすぐ後はあまり実感が湧かなかったですが、今はだいぶ湧いてきました。試合に負けたことも悔しいですが、寮生活が終わるというのがとても寂しいです」
――試合終盤に6点を追っていた場面ではどのような気持ちでしたか。
「FWで勝負すれば点を取れると思っていました。自分が試合に出た時13点差で、その後FWでワントライ取れたのでもう1回あの形に持ち込めればとずっと思っていましたが少し足りなかったですね」
――焦りなどはありませんでしたか。
「あまりありませんでした。焦りがなかったからこそ、あの時間でもしっかりゴール前でFWにこだわることができたと思います。もう1回モールか、ゴール前でスクラムを組めていたらチャンスはあったなと思います。早稲田の守備が固くてそのエリアまで侵入させてもらえなかったので、やはり早稲田が強かったなと思います」
――試合後、石田吉平主将(文4=常翔学園)の姿を見て何か思ったことはありますか。
「吉平が倒れて泣いていていろいろな重圧を受けていたのも知っていたし、一番悔しいのは吉平だろうし勝たせてあげられなかったのが一番つらかったです。吉平が明治の主将ということでいろいろなことを言われていたのは知っていたし聞いていました。プレーや結果で見返せたら良かったのですが、それができなくて悔しいという気持ちもあったと思います」
――試合が終わってから同期とお話はされましたか。
「グラウンドを出たら同期がみんな待っていてくれて『ごめん』と謝りました。みんな『いいよ』と言ってくれました。この学年で優勝するとずっと話していて、試合の前の週も早稲田との練習試合で4年生がいい流れをつくってくれたのに、結果で答えることができなかったという気持ちがありました」
――今シーズンを一言で表すとどのようなものでしたか。
「『耐』ですね。ケガをして試合に出たかったけれど、急いだらまたケガをするかもしれないからその気持ちを抑えてリハビリして食事制限するなどしていました。最後(試合に)出るためにいろいろなことを耐えたという感じでしたね」
――次の4年生に伝えたいことはありますか。
「4年生の期間はとても短いので悔いなく、1日1日を噛みしめながら過ごしてほしいなと思います」
――特に頑張ってほしい後輩はいらっしゃいますか。
「石浦(大貴・政経3=報徳学園)ですね。今も頑張っていますが、もっと頑張って試合に出てほしいです。石浦はクールな風に見えますが、実は熱くて今回の試合の後もとても泣いていました。熱いものを持っているのでその気持ちを忘れずにやってほしいですね」
――特にプロップの後輩たちに伝えたいことはありますか。
「明治のプライドを持って、強いスクラムをまた来年もつくり上げてほしいです。経験値のある後輩が多いので来年がとても楽しみですね」
――今後の目標や意気込みを教えてください。
「ラグビーをやっている間は日本代表を目指したいです。そうなるにはまず(リーグワンで)試合に出なければいけないので頑張ります。大学と全然レベルが違うので、まずは体づくりからやっていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆大賀 宗志(おおが・そうし)営4、報徳学園高、179センチ・112キロ
自分の寮部屋でのルールは部屋のメンバーで毎日テレビゲームやトランプをして、負けた人が洗濯の当番をすること。「負けた人が次の日どのゲームをするか決めていいので、1〜4年生まで均等なんです!3、4年生もしっかり洗濯をしていました(笑)このルールも楽しい思い出です」
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