
(189)逆襲の時 3年ぶりのシード権獲得へ/箱根駅伝展望
箱根の借りは箱根でしか返せない。14位とまさかの結果に終わった前回大会。今年度は小澤大輝主将(政経4=韮山)を中心に一からチームを作り直してきた。しかし、箱根駅伝予選会(以下、予選会)では2位通過、全日本大学駅伝(以下、全日本)では9位と辛酸をなめる結果に。昨年度の二の舞になることは絶対に許されない。シード権獲得に向け三度目の正直。返り咲くための準備はできている。
復活の産声をあげるべく1区を任されたのは4年生の富田峻平(営4=八千代松陰)だ。今年度の明大を児玉真輝(文3=鎌倉学園)と共に引っ張ってきたエースは、前回大会で7区2位と好走を見せている。この結果が「大きな自信となった」(富田)と語り、最終学年の今年度は関東学生対校選手権で5000メートルと1万メートルでW入賞。予選会では日本人3位でフィニッシュするなどその力を見せつけてきた。しかし、11月に行われた全日本では7区8位と振るわない結果に。「自分の実力不足だった。気力も足りなかった」(富田)と悔しさをにじませた。全日本後は例年と異なり、レースや記録会に出走せず練習のみで調整を行う日々。他人とではなく自分自身と対話することで、ただ勝負の時を待ち続けた。富田にとって3回目の箱根路。峻険な箱根の山を越え、襷をシード圏内で芦ノ湖に届けるにはこの男の活躍が不可欠だ。
また、箱根において当日変更が勝負を左右する重要な要素となってくる。第97回大会から当日変更が最大6人となり、往路・復路ともに1日最大で4人まで変更することができる。明大も主力選手の多くを補欠に回しており、どの区間に誰が入ってくるかに注目だ。その中でも今年度紫紺の主将を務める小澤は各校エースが集う〝花の2区〟の出走が有力視されている。周りからも調子の良い選手として小澤の名前が挙がるなど〝強豪明治〟復活に向け準備万端だ。他にも全日本で2区4位と力走した児玉や3年連続箱根出走の実力者・加藤大誠(営4=鹿児島実)など当日変更の選手がカギを握ることになるだろう。
主力の多くが4年生であるため明大の一つの集大成と言える今大会。3年ぶりの悲願達成に向けできることは全てやってきた。〝古豪〟という名の汚名を返上し、大手町で満開の花を咲かせよう。決戦の時はすぐそこまで迫っている。
[島田五貴]
第99回箱根駅伝まであと1日。
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