
(186)箱根駅伝事前インタビュー⑯/櫛田佳希
2年連続で箱根駅伝(以下、箱根)のシード権を逃している明大。それ故、古豪と評されることの多いチームだがその実力は申し分ない。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では安定した走りで2位通過、全日本大学駅伝(以下、全日本)では新戦力が好走を見せるなど着実に手応えをつかんだ。今大会こそ伝統ある紫紺の襷をシード権と共にゴールへ届ける。揺るぎない決意を胸に、チーム一丸となって箱根を戦う覚悟は十分だ。
第16回は櫛田佳希(政経4=学校法人石川)のインタビューです。(この取材は12月10日に電話で行われたものです)
――現在のコンディションとしてはいかがですか。
「コンディションとしては全日本と比べると良好という形で進めています」
――全日本を終えてからはどのような練習をしてきましたか。
「全日本が終わってからもう一度足づくりという形で、長い距離をひたすら走る持久力的な練習が多かったです」
――富津合宿ではどのようなことに取り組んできましたか。
「富津合宿での一番の練習がレースを想定したメニューです。頭の中で想定していたメニューをこなせず、スピード不足という大きな問題を見つけることができました。それ以外にスタミナ面や、ラストを上げる課題を克服することができたので、そういった面で富津合宿は有意義なものになったと思います」
――合宿から戻ってきた後はどのような練習をされていますか。
「富津合宿が終わってからは疲労を抜く形もありましたが、距離をあまり落とさないようにして距離耐性を意識して練習に取り組んでいました」
――最後の箱根を前に心境はいかがですか。
「自分としては最後の箱根だから気を引き締めることはあまりせず、普段通り自分の実力を発揮できたら良いと思っています。大きな大会ではありますがプレッシャーや4年生の責任感を一度忘れてレースに臨みたいと思います」
――明大としての目標と自身の目標をお願いします。
「明治大学全体は変わらずシード権獲得という形で、個人としてはシード権を獲得するためにも区間1桁、5位以内を目指していきたいと思います」
――希望区間はありますか。
「2年次に4区を走らせてもらったので、4区を走りたいと思います」
――最終学年の1年を振り返ってみていかがですか。
「最終学年という形で過ごしてきて、いつも後輩からでしか先輩を見られませんでしたが、競技力の向上はもちろん人間力の向上という形で大きな1年になったと思います」
――競技面でも1年を振り返っていただけますか。
「3年生から4年生になるにつれて長い距離を踏む練習メニューが多くなっていきました。トラック練習もそうですが、ロードに向けた練習が大きくて、それでメニュー自体も大きく変わったので最初は足のケガなど不安もありました。ここまできて、着実に力が付いていると思うので、後悔はしていないです」
――箱根はどのようなレースになると思いますか。
「明治大学競走部の中でトップランナーがあまりいなくて、2区に他大学はエースを置いてきますが、そこで遅れるのは想定しています。そこから追い返しという形で3、4、5区、復路と入ってくるので、後半上げていくレースになると思います」
――チーム内で調子の良い選手はいらっしゃいますか。
「1年生の吉川(響・文1=世羅)であったり森下(翔太・政経1=世羅)であったりがチームを引っ張ってくれるので、その2人が駅伝でも活躍してくれるのではないかと期待しています」
――学校法人石川高の松田和宏監督の印象はありますか。
「松田監督はチームの規範として一人一人に合ったメニューを掲示して練習してくだったので、そういった監督力のある人だと思いました」
――松田監督は克己心という言葉を大事しているとお話がありましたが、それは今でも生きていますか。
「松田監督は常日頃から克己心を意識していて、克己心は日常の中でも現れてくると指導されていました。例えば、東北地方なので雪が降るのですが誰よりも早めに来て駐車場の雪を退けて自分たちが使いやすいようにして、路上に落ちているごみも自分たちが率先して取って捨てるような当たり前のことから克己心が生まれてくると松田監督はいつもおっしゃっていました。そういった競技力の向上だけでなく、人間力の向上も意識している指導が多かったです」
――箱根に向けての意気込みをお願いします。
「箱根はラストということもあって後輩たちにシード権を残したいですし、個人としても集大成となるレースなので志を高くして積極果敢にいきたいと思います」
――ありがとうございました。
[桑原涼也]
第99回箱根駅伝まであと3日。
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