
(167)箱根駅伝事前インタビュー①/園原健弘総合監督
2年連続で箱根駅伝(以下、箱根)のシード権を逃している明大。それ故、古豪と評されることの多いチームだがその実力は申し分ない。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では安定した走りで2位通過、全日本大学駅伝(以下、全日本)では新戦力が好走を見せるなど着実に手応えをつかんだ。今大会こそ伝統ある紫紺の襷をシード権と共にゴールへ届ける。揺るぎない決意を胸に、チーム一丸となって箱根を戦う覚悟は十分だ。
第1回は園原健弘総合監督のインタビューです。(この取材は12月10日に電話で行われたものです)
ーー箱根1カ月前となりました。現在の心境はいかがでしょうか。
「残された期間は少ないので、当日は選手の持てる力を発揮してもらい、シード権を獲得するということだけです」
ーーチームの状況や雰囲気はどう見えていますか。
「やるべきことを淡々とやっている感じです。これからは体調をしっかり整える段階なので、やるべきことやできることを淡々とやるだけだと思います」
ーーエントリーメンバーの印象はいかがですか。
「層は薄くないですし、実力はあるチームだと感じています」
ーー全日本では悔しい思いをしました。その日のミーティングでは『箱根で倍返し』という言葉もありました。全日本からの取り組みはどのように見えていますか。
「われわれが失敗させない雰囲気をつくってしまっている部分もありました。やはり箱根は選手自身のためのものです。選手にはあまり周りのことは思わずに自分の力を発揮することに集中してほしいです。そういった意味では、ここからはメンタル面のマネジメントが大事になってきます。練習ももちろんですが、日常生活の過ごし方などの部分にも注意してやってもらいたいです」
ーー今年度は3年ぶりに有観客となります。
「やはり箱根は、先日のサッカーW杯みたいにスポーツの力をすごく体感できるイベントだと思います。多くの国民の皆様が関心を寄せて、それがテレビの画面だけではなく身近に感じてもらえる大会です。その中で競技できるという幸せを学生にはすごく感じてもらいたいです」
ーーサッカーW杯での日本代表の活躍を見て何か感じられたことなどはありますか。
「先攻されても諦めないで追い付き、逆転したことは、まさに全日本でも言った逆転、克服、倍返しです。前からの課題ですが、選手にはうまくいかなくなった時に落ち込むのではなく、うまくいかなくなることもしっかり考慮に入れておいてほしいです。今年度は想定外の事態が起きても、慌てないでもう一度しっかり実力を出す、そう簡単に諦めないということを昨年度、一昨年以上の心づもりでやってほしいと思います」
ーー昨年度の取材ではチームの課題としてフィジカル、メディカル面の強化を挙げられていました。今年度から坂井優友トレーナーが長距離部門も本格的に担当するなどの取り組みが見られましたが、その効果などはどのように感じられていますか。
「チーム全体で大きな故障が減り、底上げができていると思います。彼が入ってきてすぐに結果が出るということではないと思いますが、方向性は間違ってないですし、必須になるものです。その効果も取り組みも結果として出してもらえればいいなと思います」
ーー箱根に向けての意気込み、ファンへのメッセージをお願いします。
「ファンの皆さまには物心両面でご支援いただいております。ファンクラブに入っていただいたり、目に見える形で応援していただいているので、やはり期待に応えたいという思いが強いです。われわれは学生が力を発揮できるような環境をつくって邁進(まいしん)していきます。温かく見守っていただければ幸いです」
――ありがとうございました。
[大橋直輝]
第99回箱根駅伝まで、あと13日。
関連記事
RELATED ENTRIES