(161)【特別企画】小澤真紀マネジャーインタビュー

2022.12.18

 日々の練習から大会に至るまで、選手を影ながら支え続けてきた4年生唯一の長距離マネジャー・小澤真紀(商4=浦和一女)。喜びや悔しさを分かち合うことも、この箱根駅伝(以下、箱根)が最後となる。選手と歩んできた4年間の振り返りと、来たる箱根に向けた思いを伺った。

 

――マネジャーになった理由を教えてください。

 「小さい頃から箱根が好きだったので、競走部のマネジャーになることがずっと夢でした。チームの力になり駅伝の感動を一番近くで味わいたいということも理由の一つです」 

 

――以前、部活で陸上部に入っていたそうですね。 

 「中学校と高校で陸上をやっていましたが、自分自身は全然活躍していなくて、いい選手ではありませんでした。それでも陸上が好きで、走っている選手を見るとやはり感動しました。私は走ったあとの達成感や感動を味わうことはできませんでしたが、大学ではマネジャーとして頑張ろうと思って入りました」 

 

――明大競走部を選んだのはなぜですか。

 「もともとずっと応援していました。紫紺のユニホームが明大のMと真紀のMということもあり、とてもかっこいいと思っています」 

 

――マネジャーの仕事内容を教えてください。

 「練習のサポートではタイム計測や給水、他には合宿や大会のエントリー、交通手段や宿舎の手配、東京六大学対校大会(以下、六大学)や立大と法大の対抗大会の運営をしています。SNSとホームページの管理、運営、選手の記録のまとめや取材対応など、多岐にわたっています」 

 

――大変な業務はありますか

 「4年間やってきて慣れてきている部分があるので、選手たちの練習に比べれば大変なものはないです。強いてあげるなら、対抗大会の運営はやはり大変だったと思います。今年度は六大学と法大で明大が幹事校でした。もう1人の短距離のマネジャーの丹治(友伽・法4=吉祥女子)が六大学をやって、私が法大との対抗大会を担当しました。1年生の時はいろいろな大会が有観客でやっていましたが、2年生と3年生の時は新型コロナウイルス感染症の影響でなくなってしまったり、無観客だったりして間が空いた中での、通常の形に戻っての開催でした。やはり間が空いたことで、分からないことも多く、さらに大会運営を一からやることも初めての経験だったので、そこは大変だったと思っています」 

 

――ツイッター運営の際に工夫していたことはありますか。 

 「できるだけ速く正確に行うことを意識していました。令和になってからはコロナ禍になってしまい、やはり選手の家族やファンの方が現地に応援に行けない状況が続いていました。せめて現地に行けている私たちが届けられるだけのことはしようと思い、自己ベストの更新などのうれしいニュースはできるだけ速く伝えたいと思い、やっていました。大会の後は必死になってツイートをしたり、なるべく選手の写真をあげるようにしたりしていました。また、なるべく多くの選手を載せたいと思っていたので、私が担当した時には自己ベストを2戦連続で更新した上級生をピックアップして載せていました。やはりコロナ禍で現地に行けない状況になると、SNSやホームページでしかファンの人は選手のことを知る機会がなくなってしまいました。そうしたこともあり、なるべく早めに伝えたいと思っていました」 

 

――選手も見ていますか。

 「選手もSNSをやっているので見てくれています。私は選手が自己ベスト更新するととてもうれしくて、ホームページもその瞬間ぐらいに更新しています。すると『もう上がっている』『すぐ上げてくれた』『ありがとう』と言われることもあります。また、加藤(大誠・営4=鹿児島実)は『この写真載せてよ』とか自分で言ってくるので、こういうことがモチベーションになっている人もいると思います」 

 

――ツイートして反響はありましたか

 「ちょうど私が担当していたときはコロナ禍だったので、なかなかメディアも入ってこられていませんでした。そうした中でもすぐにやっていたので、ファンの人が『明大は情報をすぐに更新してくれる』と言ってくれました。ファンの人など見ていてくれている人がいると思うと、次も頑張ろうと思い、やっていました」

  

――印象に残っている出来事はありますか。

 「2020年の箱根がかなり印象に残っています。10区まで3位争いをしながらの6位だったので、あの時の盛り上がりは忘れられないです。小澤(大輝主将・政経4=韮山)は出走できませんでしたが、同期の加藤や櫛田(佳希・政経4=学法石川)たちが1年生ながらあれだけの活躍をしてくれたので、これからこの学年が楽しみだという期待を持っていました。2人の活躍によって最強世代になれるんじゃないかと」 

 

――4年生一人一人の印象を教えてください。

 「漆畑(瑠人・文4=鹿児島城西)はナイーブなところもあるので、もっと自信を持って早く活躍してほしいと思います。小澤はチームのために自分を犠牲にできるキャプテンだと思っています。加藤は元気を与えてくれる存在です。櫛田は自分に厳しく、人に優しくという言葉がぴったりな選手だと思います。富田(峻平・営4=八千代松陰)は常に謙虚で周囲への感謝を忘れない人です。杉本(龍陽・政経4=札幌日大)は要領がよくて何事も器用にこなす人だと思います。黒髪(悠太郎・政経4=福岡大大濠)は周囲に流されないで努力を続けられる人、勝浦(小太郎・商4=札幌山の手)は場を盛り上げてくれる人、近藤(亨・商4=愛知)は周囲に愛される存在だと思います。三上(晋弥・理工4=立命館)は小さなことにも気付いてくれる人で、下條(乃將・情コミ4=東京実)は働き者でこつこつ努力をできる人だと思います」 

  

――箱根に懸ける思いはありますか。

 「最後の箱根なのでわくわくする気持ちがある一方、これで終わってしまうのかという寂しい気持ちもあります。4年間マネジャーをやってきていろいろな人と関わってきました。そうした中で競走部は多くの人に支えてもらっていると感じています。明スポやOB、ファンの方や合宿先の人と直接会う中で、本気で応援してくれているというのを常々感じています。そういった人のためにも結果で恩返しできる箱根になったらいいと思っています」 

 

――選手へのメッセージをお願いします。

 「ここまで部活に夢中になれたのは応援したいと思える選手たちのおかげなので、本当に感謝しています。本気で取り組んできたからこそ、いいことも上手くいかないこともたくさんありました。最後は笑顔で終わりたいと思っているので、みんなの努力が報われるように私自身も最後まで頑張りたいと思っています」 

 

――ありがとうございました。

 

[石井遥]

 

第99回箱根駅伝まで、あと15日。

 

小澤マネジャーの記事は12月22日発行予定の明大スポーツ第525号(箱根駅伝特集号)にも掲載します。ご購入フォームはこちらから!