(25)全日本選手権直前インタビュー 佐藤駿

 いよいよ冬の大一番、全日本選手権(以下、全日本)が開幕する。最高の演技を目指し日々練習を重ねる選手たちに懸ける思いを伺った。大舞台でそれぞれの熱い思いを表現し、今年度一番の感動を届ける。

(このインタビューは12月17日に行われたものです)

 

 第3回は佐藤駿(政経1=埼玉栄)のインタビューです。

 

――グランプリファイナル(以下、GPファイナル)を振り返っていかがですか。

 「SP(ショートプログラム)でミスがあってすごく悔しい結果となってしまったのですが、FS(フリースケーティング)は2試合連続でノーミスの演技をすることができたので、全日本に向けてとても自信につながった試合になったかなと思っています」

 

――FSで2戦連続ノーミスできた要因はありますか。

 「SPが終わってから中一日開いたので、それもあって、気持ちもリフレッシュできて練習通りの演技ができたのかなと思っています」

 

――ジュニアグランプリファイナル(JGPF)と同じ舞台で滑ってみていかがでしたか。

 「懐かしいなという感じがありました。JGPFの時と同じ舞台に立ててすごくうれしかったですし、同じ舞台でFSをノーミスすることができたこともとてもうれしかったです」

 

――GPファイナルの思い出はありますか。

 「日本の選手がたくさん一緒に来ていたので、試合の中日や試合が終わった後にみんなでご飯を食べたり遊んだり、ゲームをしたりしました。そのおかげもあってあまり緊張せずに普段通りの感じで試合に臨めて、これが気持ちの面で良かったかなと思っています」

 

――イタリアのご飯はおいしかったですか。

 「イタリアはおいしかったですが、ホテルのご飯はちょっと…という感じでした(笑)。あまりおいしいとは言えなかったです。試合が終わってから街に出たのですが、その時に食べたご飯はすごくおいしかったです」

 

――イタリア観光はしましたか。

 「トリノの宮殿などを見て回ってお土産を買いました。楽しかったです」

 

――SPの一番滑走に難しさはありましたか。

 「そうですね。一番滑走だったので、体を動かそうと思ってやっていたのですが、逆にそれで体が浮きすぎてしまって、いい方向に行かなかったのかなと思っています。6分間練習で結構ばんばん跳んでいたのでそれが良くなかったと思っています」

 

――SPでノーミスするために必要だと考えていることは何ですか。

 「SPのミスの要因としては、ミスをしてはいけないという気持ちがどこかにあって、それがミスにつながってくるのかなと思っているので、『ミスしてもいいや』というくらいの強い気持ちで臨みたいなと思っています」

 

――演技構成点があまり出ない試合でしたがそれについてはいかがですか。

 「フィンランド大会から9点か10点くらい違ってしまっていたので、どういった部分が足りなかったのかなと、映像で見てみました。他の選手の全ての演技と比べてみたのですが、やはり僕のスケーティングは宇野昌磨選手(トヨタ自動車)や山本草太選手(中京大)に比べると見劣りする部分があると思ったので、そういった部分を全日本ではしっかりとジャッジの方とお客さんに見せられるように頑張りたいです。個人的には良かった演技かなと思ったのですが、足りない部分もたくさん見つかったので、全日本に向けてすごくいい試合になったかなと思っています」

 

――どのようなところが足りないと感じましたか。

 「振りの一つ一つが単純に雑かなと思いました。宇野選手や表彰台に上る選手は振りの一つ一つが丁寧で、ジャンプを降りた後もすぐ振り、といった感じで、ジャンプジャンプになっていないなと感じました。僕の場合はまだジャンプジャンプになってしまっているかなと今回の演技を受けて思ったので、そういった部分を直していけたらいいかなと思っています」

 

――全日本に向けての現在の調子はいかがですか。

 「まだ帰ってきて数日しか経っていないのであまり絶好調とは言えないのですが、この土日でしっかり調子を戻していけたらいいかなと思っています」

 

――全日本に向けての緊張はありますか。今の心境を教えてください。

 「緊張とかは全くないです。試合のスパンが短すぎて緊張する間もないという感じですが、逆にこれがいいのかなと思います。昨年度全日本でケガしているので、本当にケガなく自分の滑りたいスケートが滑れたらいいなと思っています」

 

――全日本で楽しみにしていることはありますか。

 「ジュニアの選手がたくさん来ると思いますし、鍵山優真(中京大)選手も復活してくるので、そのような面で楽しみなことが多いかなと思います」

 

――全日本ではどんな演技をしたいですか。

 「見ている人を安心させられるような演技というか、ミスする気配もないような演技をSP、FSともにしたいなと思っています。今シーズンはケガ明けのシーズンで、ケガ明け初の全日本ということで気合が入っているというか、頑張らなければいけない年だなと思っています」

 

――最後に全日本への意気込みと目標をお願いします。

 「練習通り落ち着いて滑るということを目標として、表彰台を目指して頑張っていきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[布袋和音]