(24)全日本選手権直前インタビュー 住吉りをん

 いよいよ冬の大一番、全日本選手権(以下、全日本)が開幕する。最高の演技を目指し日々練習を重ねる選手たちに懸ける思いを伺った。大舞台でそれぞれの熱い思いを表現し、今年度一番の感動を届ける。

(このインタビューは12月12日に行われたものです)

 

 第2回は住吉りをん(商1=駒場学園)のインタビューです。

 

――最近はどのような練習を中心に行っていますか。

 「本番の数日前に疲れが残っていない状態にしたいので、最近は追い込んだ練習をしています」

 

――調子はいかがですか。

 「調子としてはかなりいいということではありませんが、これから上げる余地が残っているというところで60パーセントくらいです」

 

――4回転トーループの調子はいかがですか。

 「あまり良くないですが今調子を上げなくていいと思っています。残りの10日間で徐々に良くなっていけばいいかなと思っています」

 

――4回転以外のジャンプ、スピンやステップに関してはいかがですか。

 「N H K杯の時からS P(ショートプログラム)とF S(フリースケーティング)の両方でブラッシュアップをしてもらって、かなり滑り込んできたので、プログラム自体に関しては良くなったなと思います」

 

――N H K杯が終わってからの1カ月間で特に意識してきたことはありますか。

 「とにかく滑りの質を高めることを意識していて、ブラッシュアップをしてもらったものをたたき込むことと、体力強化を重点的にやってきました」

 

――G Pシリーズ2戦連続での表彰台は自信になりましたか。

 「かなり自信につながりました。シニア1年目なので不安な部分はありましたが、堂々と戦っていけるぞという自信を持って全日本に挑むことができそうだなと思っています」

 

――全日本はご自身にとってどのような舞台ですか。

 「他の試合とは全く違う雰囲気です。今まではジュニアからの推薦で出場させてもらっていたので気負うことなく滑ることができていて、会場の雰囲気に喜びを感じていました。今年からはシニアとして本気で挑む立場になるので、会場の雰囲気を楽しむ気持ちを持ちつつ、真剣さのようなものも入ってくるだろうなと思っています」

 

――楽しみな気持ちと不安な気持ち、どちらの方が大きいですか。

 「正直既に緊張している部分はあります。とはいえ過去2回の全日本の舞台は本当に楽しかったので、その楽しさはありつつの半々といった感じです」

 

――演技の見どころを教えてください。

 「S Pは最後のステップがハイライトになってきます。今までの練習に加えてさらにブラッシュアップをして、よりその部分が映えるようなプログラムになったと思うのでそこを見てもらいたいです。F Sに関しては最後のコレオシークエンス(以下、コレオ)の部分で、今までは体力がもたなくてなかなかダイナミックに表現できていませんでした。体力を付けたことによってさらにダイナミックで迫力のあるコレオができると思っているのでそこを見てもらえたらなと思います」

 

――この1年を振り返っていかがですか。

 「全てが変わったと言っていいくらいに変化がありました。生活スタイルも高校生の時から変わりましたし、シニアに上がったことによってG P シリーズにも参戦して試合スケジュールも変わりました。全てが初めての中で少しずつではありますが結果を出すことができていることが自信になっています」

 

――一番成長できたと感じる部分はどこですか。 

 「シニアのG Pで2戦連続で表彰台にのぼったことです。世界の方々に少し認知してもらえたなと思っているので、階段を1段登れたなと思っています」

 

――印象に残っていることはありますか。

 「フランス杯の表彰式の後にいろいろな方からおめでとうと声を掛けてもらっていて、海外の方からもそのような言葉をいただいたのが非常にうれしかったです」

 

――全日本への目標をお願いします。

 「自分のやらないといけないことを一つ一つこなしていくことが大事なのでそれを目標にして、最終的に200点台を狙っていきます」

 

――ファンの方々に向けてメッセージをお願いします。

 「いつも応援ありがとうございます。シニアとして初めての全日本へ向けて楽しみな気持ちもありつつ緊張している部分もありますが、いつも応援してくださっているファンの方へ勇気を与えられるような演技にしたいと思っているので、ぜひ今回も応援よろしくお願いします」

 

――ありがとうございました。

 

[冨川航平]

 

(写真は本人提供)