(158)【特別企画】木村稜インタビュー

2022.12.17

 今年度、3種目で明大新記録を樹立するだけでなく、多くの主要大会で入賞する活躍を見せた木村稜(政経3=乙訓)。来年度は短距離の主力として、さらにブロック長としてチームを引っ張っていく存在となる。そんな明大短距離部門の将来を担う木村稜にインタビューを行った。

(この取材は11月27日に行われたものです)

 

――今年度の短距離ブロックの総括をお願いします。

 「関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)について話させていただくと、やはり4年生を中心に多くの点数を取ってくださったことが大きかったです。そこに上乗せして短距離の下級生、長距離、競歩のみんなで得点を重ねること、短距離としてもいい波に乗ることができたので、全体的には本当にいい一年だったのかなと思っています」

 

――今年度は明大新記録も多く出たことについてはいかがですか。

 「今まで通り自分たちの主体性を持って練習メニューに取り組んでいたのですが、その中でもきちんと質の高い練習を積めていたことが結果につながっていたと思います」

 

――ご自身としても3種目で明大新記録を更新されました。

 「自己ベストも出たので素直にうれしいシーズンでした。ただ、やはり大きな目標としていた日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)で優勝できなかったので悔しさが残るシーズンでもあったかなと思います」

 

――木村選手にとって4年生はどんな存在でしたか。

 「皆さんとてもストイックな方が多くて、練習で引っ張ってくれたり、練習後の補強なども率先してやっている姿が印象的でした。そこに関しては自分が来年度の短距離ブロック長なので少し不安はあります」

 

――今年度の短距離ブロック長だった鈴木憲伸選手(営4=明大中野八王子)はどんな方でしたか。

 「とにかくしっかりしていてストイックな人だったので、その姿を見ているだけで周囲が付いていくような存在でした。また、チームに対してもよく言葉を掛けてくださったので本当にリーダーシップのある方だったなと思います」

 

――野口航平選手(商4=洛南)についてはいかがですか。

 「あの人も本当にストイック星人なので(笑)。野口さんは憲伸さんとは違って種目柄一緒に走ることが多かったので練習面ではすごく頼りになりました。一緒に走っていて頑張ろうと思わせてくれるような選手でした」

 

――小林枚也選手(法4=八王子)についてはいかがですか。

 「特に自分の専門種目が100メートルと200メートルだったのでよく技術的な指導をいただいたりして、とても頼りがいのある人でした」

 

――4年生の方々が「それまでの雰囲気を変えようと頑張った」という趣旨の話をされていましたが、そのことについて後輩として何か感じましたか。

 「今年度はより、一人一人が考えを持ってやろうという共有をできていたので、そういう面は今までとは違ったのかなと思います」

 

――来年度はどのようにチームをまとめていきたいですか。

 「自分はあまりリーダーシップを持ってチームを引っ張れるようなタイプではないと思っています。とにかく目の前の陸上にしっかりと取り組んだ上で真面目にやろうという大きな方向性だけ提示して、それぞれが主体性を持って自由にやってもらえたらなと思っています」

 

――来年度に向けてチーム運営について4年生からアドバイスなどはありましたか。

 「特には無いんですけど、憲伸さんからは『あまり自分がブロック長だからと気負わずに今まで通りやっていればみんなが付いてくるよ』と言ってくださりました。今まで通り自分たちで頑張れるような空気をつくっていきたいと考えています」

 

――ブロック長はどのように決まりましたか。

 「結構4年生が話し合ってくださっていて、日本インカレの決勝が終わった後の全体ミーティングで指名されたので、自分としては急に決まった感じですね(笑)」

 

――心の準備としては……?

 「全くできていなくて。『え、僕?』と思いましたね(笑)。4年生の方が話し合って決めてくださりました」

 

――今はオフシーズンですがチームの雰囲気はいかがですか。

 「今のチームとしては本当に活気づいていると思っています。昨年度とかもきちんと取り組んでいたんですけど、今年度はより一人一人が練習メニューに目的を持ってやってくれているので自分としてはすごく進めやすいです。なので、すごく元気があっていいチームだと思います」

 

――ブロック長になるということで周囲からも、より注目されることになるかと思いますがいかがですか。

 「あまり僕はたくさんのことをするのが得意ではないので、とにかく自分のことをしっかりとやっていくように、自分だけは見失わないように頑張っていきたいと思います」

 

――チーム内で勢いのある選手はいますか。

 「チームの中で一番雰囲気をつくってくれているのは井上史隆くん(理工3=市立橘)という走高跳びの選手です。種目上、他の大学に通って練習をすることもあるのですが、土曜や日曜にポイント練習を行う時には自分から声を出してやってくれているので、彼が空気をつくってくれているのかなと思います」

 

――今の1年生についてはどう思いますか。

 「陸上に対してはすごく真面目な子が多いです。練習後にみんなで集まって補強運動をしてくれたりしているので本当にいい子たちだなという印象ですね」

 

――木村颯太選手(法3=明星学園)とは種目が同じということで接点が多いかと思いますがいかがですか。

 「来年度も種目上ずっと関わっていく選手だと思います。それぞれ強みが別なのでお互いにいいところを吸収し合って切磋琢磨(せっさたくま)した上で最後は勝負したいと思っています」

 

――木村颯太選手の強みはどこですか。

 「200メートルで言うと、スタートからのコーナリングがとても上手なのでそこは見習いたいと思います」

 

――来年度の目標をお願いします。

 「個人としては200メートルで20秒35というタイムを目指しています。また、6月の日本選手権で世界選手権の代表権を取るためにも頑張りたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[松原輝]