
(70)インカレ事前インタビュー⑮/林幸多郎
林組の集大成だ。12月8日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。創部101年目を迎えた今季は、2年ぶりに関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝。勢いそのままにインカレ制覇を目指す。関東王者として挑む明大の戦いは11日、仙台大との2回戦から幕を開ける。元日に国立競技場で行われる決勝の舞台へ。日本一を懸けた戦いが始まる。
最後はDF林幸多郎主将(法4=サガン鳥栖U―18)のインタビューをお届けします。
――今シーズンをここまで振り返っていかがですか。
「本来は2月にチームをしっかりつくり上げ、3月末の天皇杯予選、4月のリーグ戦を迎えますが、(今年度は)新型コロナウイルスの影響で3月の頭から練習を始めることになったため、天皇杯予選とリーグ開幕戦も負けたことは仕方なかったです。その次の順大戦で立て直して勝ち切り、そこから安定して勝ち点を積み上げられたことは良かったと思います。自分は6月にケガをして3カ月チームを離れましたが、自分がいない中、他の4年生が引っ張ってくれて、リーグ戦も勝ち点を積み上げてくれていました。自分が抜けた影響で4年生が『やってやろう』という気持ちになったので、チームとしてはポジティブな要素だと思いました」
――今年度のチームの特徴を教えてください。
「下級生に特徴を持った選手が多くいることが強みです。3年生はやはり佐藤恵允(政経3=FC東京U―18)をはじめ太田龍之介(政経3=ファジアーノ岡山U―18)、田中克幸(商3=帝京長岡)、岡哲平(政経3=FC東京U―18)などがいるので、そこのパワーをうまく発揮できれば実力があるチームになると思っていたのでそこは意識してチームづくりをやってきました」
――明大に入学した理由を教えてください。
「自分がサガン鳥栖のユースにいた時に、スタッフに明治サッカー部OBの方がいらっしゃって、その方に『セレクションを受けてみないか』と言われて練習参加した時に、『レベル高いな』と思ったのが印象的でした。自分が入学した2019年には5冠を達成しており、レベルの高さが魅力的だと思いました」
――3年次からトップチームに絡みましたがどのような心境でしたか。
「2月に合宿があってチームが始動するのですが、その時点で自分はセカンドチームにいて『今年も厳しいのかな』と3年の最初は感じましたが、偶然巡ってきたチャンスの慶大戦で、初スタメンで初ゴールを挙げられました。そういうチャンスをモノにできたのは今までの積み重ねがあったからだと思います」
――ご自身がキャプテンになることに関してはいつ頃から意識し始めましたか。
「元々サガン鳥栖でもキャプテンをやっていました。キャプテンはチームをまとめる存在なので、上手ければキャプテンになれるかと言われたらそうでもなくて。1、2年とみんなで過ごしていく中で、学年をまとめるのは自分の役割だとずっと思っていたので、キャプテンをやることはみんなも『林しかいない』と託してくれましたし、そこに関しては『俺はキャプテンやるだろうな』と思っていたところではあります」
――どのようなチームをつくろうと思いましたか。
「今年のスローガンは『志創』です。スタッフや監督に言われてチームをつくるのではなくて、自分たちがどうしたいかを大切にして、一人一人のやりたいこと、志をひとまとめにして明治を創り上げていくことを大事にしました。また、明治の伝統をどう引き継ぐかを4年生として考えなくてはいけなかったです。来年度から寮も新しくなりますし101年の新しい時代に入るのということもあったので、今までの明治の伝統をうまく引き継ぎながら自分たちで創り上げていく意志を込めたスローガンです。そういうチームをつくっていきたいということになりました」
――同期への思いを教えてください。
「まずは今までありがとうということは一番言いたいことではありますし、もう少しで引退ですが、サッカーを続ける人も続けない人もいて、サッカーをこのメンバーでできるのは最後なので、試合に出る出ないに関係なく、悔いなくやり切ってほしいです」
――栗田大輔監督への思いを教えてください。
「栗田さんに対してはただただ尊敬しています。一般企業で働いてらっしゃいますが、会社に行く前に自分たちの練習を見てくれて、トップチームだけではなくてセカンドチームも見てくださっているので、その面はすごいと思いますし、今の強い明治があるのは栗田さんのおかげだというのは強く思っていました」
――下級生への思いを教えてください。
「一番大事なのはサッカーで結果を出すことではなくて、今までの明治の『礼節を重んじる』という、昔からあるスローガンなど、変えてはいけないものを引き継ぐことが大事なので、そこをベースにチームづくりを考えてほしいと思います。サッカーの実力はあるので、そこが備わってくれば勝てると思います」
――インカレに向けての意気込みを教えてください。
「1月1日に国立で勝って明治の校歌を歌いたいので、そこに向かってみんなで頑張りたいと思いますし、これまでトーナメントで負けが続いているのでここで払拭して、また来年度につなげていきたいです」
――ありがとうございました。
[石田聖]
◆林 幸多郎(はやし・こうたろう)法4、サガン鳥栖U―18、170センチ、70キロ
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