(69)インカレ事前インタビュー⑭/福田心之助

2022.12.09

 林組の集大成だ。12月8日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。創部101年目を迎えた今季は、2年ぶりに関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝。勢いそのままにインカレ制覇を目指す。関東王者として挑む明大の戦いは11日、九産大と仙台大の勝者との2回戦から幕を開ける。元日に国立競技場で行われる決勝の舞台へ。日本一を懸けた戦いが始まる。

 今回はDF福田心之助(文4=北海道コンサドーレ札幌U―18)のインタビューをお届けします。

 

――今年度ここまでを振り返っていかがですか

 「(開幕前は)コロナでクラスターになってしまったことで、準備する期間が3週間少ししかないという状況で、副キャプテンとしてすごく不安はありました。そういった中で天皇杯や(リーグ戦の)開幕節で負けて、本当に今年度は危機感もありました。そこから次の順大戦を含めて、4年生中心にたくさんミーティングをしてコミュニケーションをとりました。そこからうまく立て直してリーグ戦をしっかり取れたということは、チームとしてここまでやってきた事は間違っていなかったと思えるので、あとはインカレに向かってやっていくだけだなと思っています」 

 

――リーグ戦では連敗を許さなかったですが、その修正力についてはいかがですか。

 「(敗戦を喫しても)明治は三原則、ハイプレスショートカウンターというまず立ち戻る場所があります。そこをまず全員がもう一度やらなければ次の試合で勝てないというマインドで負けた次の日から変えました。試合の翌日に選手で集まってどういうプレーをすれば良かったのか、出ていたメンバーでどういう試合運びをすれば良かったのかという反省を常に4年生を中心にできていました。同じ負け方、同じプレーを繰り返さないという面では修正力が今年度はとても見られたので良かったと思います。裏を返せば、まだまだ試合の入り方や試合に対する準備というところで甘さがあります。そこはインカレに向かって、チーム全員がそこにベクトルを合わせていかないと勝てないという再認識もできたと思っています」

 

――リーグ戦ではMVPを受賞されましたが、メンタル面での成長についてはいかがですか。 

 「やはり明治の2番もそうですし、明治の代表として最初の11人で出るということの重さというのは、4年生になりやっとですが気付けました。一番成長につながる最初の原点かなというふうに思っていて、今年度の途中から声出し応援が再開したり、補助役でも下級生がボール拾いをしてくれたり、そういう人たちの中で試合をするというのは、やはり一味違います。生半可な気持ちでサッカーができないですし、応援してくれている中でプレーするということを考えました。メンタルの成長にもつながりますが、自分がどれだけ一番勝ちたいと思えるかや、チームを引っ張るんだという気持ちを持てるかというのは一番大事だったのかなと思います」 

 

――栗田大輔監督にはどのような思いがありますか。 

 「常に明治のサイドバックを追い求めろと言われていました。自分が練習試合や試合でいいプレーをした試合でも、最後に栗田監督に室屋(成・平29政経卒=現ハノーファー96)や長友(佑都・平21政経卒=現FC東京)だったらお前の倍はやっていたよというふうに一言言われるだけで自分は満足する姿を見せないようにしました。今これだけ試合に出させてもらっている中で、自分の気持ちはまだまだというふうに思えているのも、栗田監督が常に試合が終わった後にまだまだできるのではないかというふうに言っていただいて自分を見てくれているからです。栗田監督がいなければ自分はここまで成長できなかったと思いますし、明治に来てよかった一つの要因は栗田監督に出会えたことでもあるので、そういった面でとても感謝しています」

 

――同期にはどのような思いがありますか。 

 「多分、同期の中で一番同期思いだと思っています。そう思えたのも自分が今まで全寮制で常に毎日同期といるということがなかったので。つらい時も一緒にいましたし、楽しい時も一緒にいたというのはとても自分の中でいい同期に恵まれたなと思います。そういう苦楽を共にしたからこそ、乗り越えていけるのも同期のみんなだと思うので、ケガなどでインカレに出場できない選手もいますが、自分はそういった選手の分も全部背負って戦おうと思っています」

 

――インカレに向けての意気込みをお聞かせください。 

 「4年間明治でサッカーをやってきてここまで大きく成長できたのは、明治に入れたことが一番の要因だと思っています。そうした中で恩返しという意味では、最後インカレを優勝して卒業していくということがベストの形だと思います。後輩には明治の2番として最後まで戦っていく姿を見せて、福田さんには追い付けなかったなというふうに思わせられるくらいに、自分が圧倒的な存在となっていきたいと思っています。同期15人いる中でマネジャー含めてここまで4年近く一緒にやってきて、この同期がいなかったら自分はここまで成長できなかったと思いますし、この時だからこそインカレを取れると信じています。最後1月1日に全員で笑っている姿を常にイメージしながら、初戦から一戦一戦戦って最後は優勝して終わりたいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[長﨑昇太]

 

◆福田 心之助(ふくだ・しんのすけ)文4、北海道コンサドーレ札幌U―18、174センチ・68キロ