(61)インカレ事前インタビュー⑥/白圡大貴

2022.12.05

 林組の集大成だ。12月8日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。創部101年目を迎えた今季は、2年ぶりに関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝。勢いそのままにインカレ制覇を目指す。関東王者として挑む明大の戦いは11日、九産大と仙台大の勝者との2回戦から幕を開ける。元日に国立競技場で行われる決勝の舞台へ。日本一を懸けた戦いが始まる。

 今回はDF白圡大貴(商4=浦和レッドダイヤモンズユース)のインタビューをお届けします。

 

――今シーズンこれまでを振り返っていかがですか。

 「自分はケガが多くてあまり試合に出ていないので、現状でとても悔しい思いをしています。チームとしては、リーグ戦の開幕戦で0―4で負けてしまってつまずいた感じがありました。そこから本当に4年生が、チーム全員で力を合わせて、立て直してリーグ優勝できたというのはポジティブなことだったのかなと思います。しかし、トーナメント大会に自分たちが弱いというところや、PK戦で負けてしまっているという現状もあります。そういったところは自分たちもしっかりと分析して、課題に取り組んできたつもりではあります。個人としては悔しいところがありますが、チームとしてはいい状態であるのかなと思います」

 

――ご自身にとってインカレとはどのような大会ですか。

 「1年間を締めくくる最後の大会というところで、終わりよければ何でもいいというわけではないのですが、最後に優勝ができるか、できないかでは、1年間の評価も変わってくると思います。そういった意味では、自分は1年生の時にインカレ優勝というものを応援で感じていたところもあるので、そこを体現して自分たちの優勝だけではなく、後輩たちにいい景色を見させてあげたいです」

 

――栗田大輔監督から要求されていることはありますか。

 「自分に栗田さんから直接言われていることは特にないのですが、自分の中でメッセージを噛み砕いていくということは大事にしています。その中で感じていることは、試合に出ている人だけが明治なのではなく、試合に出ていなくても、自分は応援団長という役割一つにとっても、後輩の見本になって、これまで先輩たちが積み上げてきてもらった今年度101年目の伝統を継承していくために、自分たちはどの立場でも全力で取り組むということです。栗田さんから自分に対してもそうですし、全員にメッセージとして送っているのではないかと思っています」

 

――応援団長として、声出し応援の復活について思いはありますか。

 「やはり初めに声出し応援をした時は鳥肌が立ちました。ピッチでプレーしていた福田(心之助・文4=北海道コンサドーレ札幌U―18)をはじめとする同期がいい声だったと言ってくれたので、声出し応援ができてよかったなということが一番です。しかし、その中で自分が大事にしていることは、この部員がこの部に入った理由は声を出して応援することではないということです。応援をするために部に入ったのであればサッカーをすぐに辞めた方がいいと思っています。この応援は試合に出られない悔しさなどを噛み締めながらも、やはり明治大学としてどの立場でもやらなければいけない、チームのために取り組むというところを大事にしてほしいと思っています。応援している自分に満足するのではなく、自分もいつかピッチに立ってやるっていう思いで応援もしてほしいです。本当にチームのために自分も一緒に戦っているのだというところを応援することで意識してほしいなと思っています」

 

――4年間で印象に残っている試合はありますか。

 「自分が1年生の時に見た2019年のインカレの決勝です。当時の代は全国優勝がたくさんありましたし、どの試合もすごいなと思っていました。延長戦に入っても戦い続ける先輩たちの姿は自分の中で本当に目に焼きつきました。試合だけではなく、あの試合は選手入場時の校歌から、試合に出ていない部員全員が明治を体現しての日本一だったと思います。その後も2、3年生を経て今4年生である中で、あの景色をもう一度見るために頑張っています。景色を自分たちが見るだけではなくて、明治を応援してくれている全ての人々に見せたいという思いが強いので、あの試合は自分の中で忘れられないです」

 

――同期に対する思いをお聞かせください。

 「4年間サッカーをやってきて、サッカーだけではなく1年生の時は寮内での雑務や、ミーティングが夜遅くまであったことなど、さまざまな思い出があります。この先はサッカーでプロになる選手や、ここで一度サッカーに区切りをつけて一般企業に就職する人などといった、さまざまな思いを抱えている選手たちがたくさんいます。その中で残された1カ月で、目の前にありがたくインカレの出場権があるというところで、悔いなく迷いなく最後までやり切りたいですし、最後は一緒に笑顔で終わりたいなと思っています。また、後輩にしっかりと明治の4年生というものを最後まで体現しようということは自分の中で思っています」

 

――栗田監督をはじめとする指導陣に思いをお聞かせください。

 「やはり、一番は栗田さんに対してです。自分が高校生の時にサッカーだけをやっていればいいと思ってこの組織に入ったら全く通用しなくて、未熟だった自分を本当にここまで育て上げてくれました。まだまだ自分も未熟ではあるのですが、育ててくれた栗田さんやテクニカルコーチなど、さまざまな面でサッカーを指導してくれたコーチに感謝してもし切れないです。やはり、栗田さんの元でサッカーができて自分は間違いなく成長したなと思っています。最後はいい結果を出して、恩返しできるよう頑張りたいと思います」

 

――インカレに向けて意気込みをお聞かせください。

 「優勝したいという思いはどの大学も持って戦ってくると思いますし、それに負けてはならないと思っています。その中で勝つために今ピッチでは同期もたくさん練習して、苦しい思いをしながら頑張っていると思います。個人としてまずは怪我を治すところ、自分も明治の一員である以上は、この残り1カ月間で全力を出していかなければならないと思っています。自分の中で与えられた役割をしっかりと全うすることを残りの1カ月間で体現して、後輩たちにいい先輩だったなと思ってもらえるようにしたいですし、MSMなどのスポンサー各社を含めた方々に優勝という大きな報告ができるようにしたいです。やはり一番は、4年間お世話になった明治大学を日本一の大学にしなければならないという使命感を持って、覚悟を持って戦いたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[長﨑昇太]

 

白圡 大貴(しらと・だいき)商4、浦和レッドダイヤモンズユース、165センチ、65キロ