(58)インカレ事前インタビュー③/鈴木舜平
林組の集大成だ。12月8日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。創部101年目を迎えた今季は、2年ぶりに関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝。勢いそのままにインカレ制覇を目指す。関東王者として挑む明大の戦いは11日、九産大と仙台大の勝者との2回戦から幕を開ける。元日に国立競技場で行われる決勝の舞台へ。日本一を懸けた戦いが始まる。
今回はMF鈴木舜平(商4=FC町田ゼルビアユース)のインタビューをお届けします。
――4年間の思い出を教えてください。
「入寮して驚いたことが、8人部屋や16人部屋での生活です。それまで寮生活をしてこなかったので、上下関係なども含めて厳しい環境に身を置けたことが一つ大きな思い出です。サッカーでは全国からトップ選手が集まっており、世代別日本代表レベルが集まり、質や強度の高い練習に驚きました」
――4年間で学んだことはどのようなことですか。
「明大サッカー部は人間形成の場なので、サッカー面だけでなくピッチ外のことで感謝の気持ちなど1人の人間として社会に出たときに通用する選手になるということが、明大サッカー部で学ぶ重要な要素の一つでした。それは他の部活にはない、明大サッカー部でしか吸収することのできないものだと思います」
――ユースと大学の違いはどのようなところですか。
「ユースではサッカーのみに重きを置いていたため、ピッチ外での行動は自由でした。大学にはスポーツ推薦で入っており、明大生の一員でもあるので、感謝の気持ちを持つなどサッカーだけできればいいというわけではないので、勉強も含め1人の大学生として感謝の気持ちを持つことができたなということは高校と比べて感じています」
――明大での4年間はどのようなものでしたか。
「ケガをしている時期が2年弱ほどあり、もったいないというか、もっときちんとケアをしていれば良かったなという思いはあります。ただ、リハビリをしている間も多くのことを吸収できましたし、練習を客観的に見てチームの足りない部分を発信できたと思っているので、この4年間で人としてもサッカー選手としても成長できたと思います」
――ケガをしている中でチームを見るというのはどのような心境でしたか。
「もちろんサッカーをしたいという気持ちはありました。しかし、監督がミーティングでもおっしゃっていましたが、全部員が一つの目標に向かって自分の役割を全うできないとタイトルを取ることはできないので、ケガをしているからとはいえ怠けることなく、個人個人にもアドバイスをしましたし、少しでもチームの力になることを探して行動していました」
――自分たちの代でリーグ戦を優勝できたことに関してはいかがですか。
「1、2年生の時も優勝を味わいましたが、その倍以上にうれしかったです。自分たちの代では何もタイトルを取っていなかったので、何か一つ大きなタイトルを取りたいなと思っており、下級生にもチャンピオンとしての過ごし方や強度を伝えるために4年生として努力はしていました」
――栗田大輔監督への思いをお願いします。
「今まで出会った監督やコーチの中で、ここまで人間性を求める人はいなかったです。入部当初はサッカーと人間性に何のつながりがあるか理解できなかったのですが、続けていく中でピッチ外のことがサッカーにつながるということを知りました。自分たちはアルバイトが禁止なので社会のことはよく知らないのですが、ミーティングでも社会勉強のように社会のことを教えてくださいました。栗田監督がいたことでより良いものを吸収することができたと思います」
――同期への思いをお願いします。
「同期とは1、2年生の頃は仕事が多く毎日のようにミーティングをしてぶつかったこともあれば騒いで楽しんだ思い出もあります。家族よりも長い時間を共にしているので、この先これほどまで絆が深まる友人もできないと思いますし、みんながいるからこそ社会人になってもいいモチベーションを保って生活することができると思うので、一生忘れることのできない大切な友人です」
――後輩に向けてメッセージをお願いします。
「後輩たちは、サッカーに関しては自分たちが言うことがないくらい実力があるので残りの期間を全力でプレーしてほしいなと思っています。ピッチ外のことに関しては今の3年生には自分たちが、立ち振る舞いなどの明大の伝統を伝えてきたつもりなので、3年生には下級生に明大はこういうものだということを伝えていってほしいと思います」
――インカレに向けて意気込みをお願いします。
「最後の大会ということで、自分はまだ出場できるかどうか分かりませんが、プレーしても、応援席にいたとしても、声をからして明大のために全力で最後までやり切りたいです。4年生としてもがいている姿や試合に出ていなくても一生懸命取り組んでいる姿を後輩に見せることが明大の良さの一つだと思います。どんな立場でも全力でやるということ、そして優勝したいので1月1日、国立競技場で笑って終えられるように頑張っていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[尾崎陽菜]
◆鈴木 舜平(すずき・しゅんぺい)政経4、FC町田ゼルビアユース、180センチ・72キロ
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