(57)インカレ事前インタビュー②/高橋祥太郎

2022.12.03

 林組の集大成だ。12月8日より全日本大学選手権大会(以下、インカレ)が開幕する。創部101年目を迎えた今季は、2年ぶりに関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で優勝。勢いそのままにインカレ制覇を目指す。関東王者として挑む明大の初戦は11日、九産大と仙台大の勝者との2回戦から幕を開ける。元日に国立競技場で行われる決勝の舞台へ。日本一を懸けた戦いが始まる。

 今回はFW高橋祥太郎(営4=中京大中京)のインタビューをお届けします。

 

――今シーズンを振り返っていかがでしたか。

 「リーグ戦優勝を決めてうまく行ったように見えますが、開幕当初から考えると難しくて大変だったというのが正直な感想です。主将の林(幸多郎・法4=サガン鳥栖U―18)が先陣を切ってミーティングをしてくれて、自分たちも話し合うことで、チーム全体で課題を改善できたのが優勝できた1番の要因だと思います」

 

――今季のチームの印象を教えてください。

 「後輩との距離感が近かったと思います。自分たちが1年生の頃は4年生が怖くて関わりづらい部分もありましたが、2個上か1個上の代くらいから近い距離感で話すようになってきました。いい作用と悪い作用があり、チーム内での上下関係が必要な場面もあったので、うまくいった部分もあればうまくいかなかった部分もあります」

 

――4年間で印象に残っている思い出を教えてください。

 「一つは1年生の頃のインカレ決勝です。5冠を獲った代でしたが最後の決勝の舞台でも後半に明治の強さを圧倒的に発揮して、延長戦で勝ち切るところが明治だということを強く感じました。それで4年間はずっとあれを目指さないといけないという気持ちでやってきました。もう一つは、この前のIリーグ最終戦です。応援がある中で試合に出場することができ、そこで得点を決めることができました。試合は2―2だったのですが、引き分けまで持っていけたところと、チームメートが応援してくれたことはとても印象に残っています」

 

――明大で4年間過ごして学んだことは何ですか。

 「学んだことはたくさんあります。考え方の一つをとっても1年生の頃とは全く違います。また高校生の時と練習の水準も取り組み方も違います。ほかにも大学生になり、自分がやっているつもりでも他の人から見て足りていないと思われる努力なら意味がないと感じるようになりました。明治のサッカー部はプロになれる水準でやっている中で、今の練習量でプロになれないのであればみんなよりも足りていないと思いました。そういったことから、軸を持つことは大事ではありますが、基準を自分の中に置いてはいけないと思いました」

 

――栗田大輔監督、コーチ陣への思いを教えてください。

  「監督には1年生の頃からたくさん言われて、ここまで厳しいのかと思っていました (笑)。よく監督が『人をつくるのは環境だけど、環境をつくるのは人だ』とおっしゃっていて、明治の環境はこれまでの先輩がつくったものです。自分たちがしっかりと基準を持っていなければ今後その環境が崩れていくので話してくれたと思います。おかげで自分も成長できましたし、苦労はありましたがありがたみを感じました。あとは小野浩二元コーチというセカンドチームの練習をよく見てくださった方がいて、きつい練習をやり切れたのはそのコーチがいたからだと思えるくらい、考え方や、監督が求めていることを話し続けてくれた人です。今後も感謝すると思いますし、今自分が頑張っている姿や結果を残せる姿を報告できたり伝わったりしたらいいと思います」

 

――同期への思いをお聞かせください。 

 「近い存在だからこそぶつかることもありました。いい思い出だけではないですが、この同期で良かったというのが正直な感想です。今の同期だから自分が明治でやれたと思いますし、今の自分になれたと思います。同期にも感謝は大きいですし、卒業してからも連絡を取れたらいいなと思います。今の同期とインカレを獲っていい思い出でで終えられたらと思います」

 

――後輩への思いをお聞かせください。

 「自分たちの代は高校時代に注目された選手がいない一方、1〜3年生は全国大会のMVPやプロからのスカウトが来ていたのに明治を選んだ選手もいて、ポテンシャルがとてもあると思います。それを明治で伸ばして、夢をつかんでほしいです。あとは厳しい部分を言うと、環境が変わって緩くならないように、これからの明治をつくっていってほしいと思います。今まで培ってきた明治が崩れないように頑張ってほしいです」

 

――インカレへの意気込みを教えてください。 

 「最後国立に立ち、優勝するイメージを求めて今季はやってきました。国立で優勝するためには今の基準で良いのかという視点で何度も話し合いをしてきたので、そこに向かってやっていくだけですし、他大学に負ける気はありません。圧倒して勝ちたい気持ちです」

 

――ありがとうございました。

 

[石田聖]

 

◆高橋 祥太郎(たかはし・しょうたろう)営4、中京大中京、174センチ・67キロ