
(94)~road of 〝AHead〟~ 石田吉平主将「優勝して喜びを分かち合いたい」(後半)
――「プレッシャーを楽しむ」と一年間を通してよくおっしゃっていましたが、これまでプレッシャーを感じつらかったことはありますか。
「東京五輪後ですね。五輪に出ているからそれぐらいできるだろうというのは少しありましたね。昨年度の慶大戦が始まる前ぐらいまでは自分らしいプレーができなくてもやもやしていましたが、慶大で自分らしいプレーができて、そこから気持ちを立て直すことができました。(苦しかった時期は)くよくよしていても意味がないなと思っていたので、とにかく体を動かして練習でカバーして、悩みを忘れるようにしていました」
――その中でプレッシャーを楽しむマインドというのは、試合の時にどう自分の中でつくっていくのですか。
「緊張したら胸がいっぱいになるので、とりあえず試合会場に入ったらグラウンドの観客を見に行ってこんなところで試合できるなんてすごいな、これで活躍したらもっと歓声がすごいんやろうな、と気持ちを上げていますね」
――4年間のテーマを教えてください。
「日本一ですね。やはり日本一を見て明大に入ってきたので、それが3年間成し遂げられていなくて、それをずっとテーマにやっていました」
――今年度の春の新体制インタビュー時には「パリ五輪への1年でもあります」と答えられていましたが、振り返っていかがですか。
「パリ五輪出場を目指しているので、その中でラグビー選手としてレベルアップできているのかなと思いますね。(現在は)7人制の練習はできてないですが、ラグビーはラグビーなので、そのレベルアップはできているかなと思っています。フィジカルの面でも成長していると思いますし、質もよくなっていると思います。体の中身も変わってきて、東京五輪の時は体脂肪率が11%ぐらいだったのですが、今は7、8%ぐらいに落とせてきているので、そこはだいぶ自分の中でもアスリートとして成長できると思います」
――石田さんにとってラグビーとはどのようなものですか。
「挑戦ですね。常に挑戦し続けないといけないですし、僕みたいなこんな小さい体でもどれだけ挑戦できるか楽しみに感じています。日本代表になって身長が小さいから無理だと思うのですが、一番初めになったらかっこいいじゃないですか。そういうマインドなので、日本代表とかパリオリンピックでメダルを取るとか、僕の中では全部挑戦だと思っていますね」
――石田選手にとって『AHead』とはどういう意味が込められていますか。
「昨年度の決勝で悔しい思いをしているので、前進とか『前へ』という意味もあるのですが、やはりあと一歩のところを取りにいかないといけないと思っているので、昨年度のあと一歩を取りに行くための『AHead』だと思っています」
――石田選手にとって明治大学ラグビー部のメンバー、学生スタッフの存在はどのようなものですか。
「家族でもなくて仲間でもなくて、仲間の域をこえた人たちなのかなと思っています。大学生活では家族よりもいますし、やはり一番大学生活の中で大事なものなので、単なる仲間ではなくて、新しい枠の存在という感じです。このメンバーで一緒にプレーができるのは4年間だけなので、その希少な時間を共にしているみんなと一緒に最高の結果を出して、優勝して喜びを分かち合いたいです」
――ありがとうございました。
[安室帆海]
◆石田 吉平(いしだ・きっぺい)文4、常翔学園高、167センチ・74キロ
好きなスイーツはショートケーキ。だが、はじめは「モンブラン」と答えていた石田。実は、同部屋である為房慶次朗(文3=常翔学園)も同じくモンブランと答えたと伝えると「あっ、変えていいですか?僕、ショートケーキが一番好きなんですよね」。おそらく本当に好きなスイーツはモンブラン。
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