(87)~road of 〝AHead〟~ 大賀宗志「もう負けられない」(後半)

2022.11.30

――4年間で成長したことはありますか。

 「人間性です。田中(澄憲・平10文卒)前監督も神鳥(裕之・平9営卒)監督も細かいところまでしっかりやるという教えでした。神鳥監督は『凡字徹底』とよく言うんですけど、やはりそのようなところができてないとラグビー以前だと思います。私生活の面はラグビーにつながらない、あまり変わらないだろうと最初思っていましたが私生活で細かいところまで意識していたら、ラグビーに対する姿勢なども自然と細かくなるんですよ。なので大事だなと思うようになりました」

 

――4年間テーマのようなものはありましたか。

 「あまり人と比べないというのはあります。昨日の自分より強くなるための自分との戦いだと思うので、そこを意識していました。試合に出れない時に『なんで選ばれへんねん』と思っていても結局決めるのはコーチ陣なので、だったら自分を成長させていってそれが評価につながればいいなと思っています」

 

――今シーズンケガで試合に出ることができない時間が多かったと思いますが、復帰できない間は何を感じていましたか。

 「焦りや悔しさ、紫紺を着ているのがうらやましいという気持ちもありますが、為房(慶次朗・文3=常翔学園)がいてくれたのは大きかったです。3番を任せられる後輩がいるというのは心強いし、ゆっくり治せるという感じがします。為房とのポジション争いもありますが、自分が早く戻らないと試合に勝てないという気持ちはあまりなくて。為房のおかげでゆっくり慎重にいけているなと思います」

 

――自分の代わりに後輩が出場しているのを見て、どのようなことを思っていましたか。

 「為房や公星(中村・情コミ4=国学院栃木)は去年も出ていたメンバーなので安心して見れますが、その下が出ている時はまだあまりAの試合に出たことないような選手も多いのでスクラム頑張れと思いながら見ています。でも負けたりすることもあって、そこは自分が4年として育ててあげないといけないと思うのでコミュニケーションを取りながらやっていました」

 

――春の取材では「自分らしくチームを引っ張りたい」とおっしゃっていましたが、それは達成できていますか。

 「まだまだです。まず復帰です。このままだと(副将として)本当に何もできていないと思うので観客にもチームにも魅せられるようなプレーをします。もうそれしかないです」

 

――今改めてどのようなプレーヤーになりたいですか。

 「明治といえば大賀と言われるくらい残りの試合で活躍したいです。(明早戦では)明治ファンはスクラムで早稲田に勝っているところを見たいと思うので、そこでファンの方も盛り上がって欲しいですね。ファンの方が喜んでくれているというのは自分たちの中でも力になるので、大歓声を沸かせるスクラムを見せられるような選手になりたいです」

 

――改めて大賀選手にとって『AHead』にはどんな意味が込められていますか。

 「自分だったらケガしているときなど、みんなそれぞれいろいろな辛いときがあると思いますが、試合に向かってみんなで前を向くという意味だと思っています。去年までは試合に出ていたので試合を見ている側の人間にはあまり気を遣えていなかったのですが、試合が終わった選手たちが見ている自分たちに挨拶に来てくれるととてもうれしかったです。そのようなところにも気付けたのは本当に良かったなと思います。チーム全員で戦うために、下のチームの存在を忘れてはいけないと思いました。全員で『AHead』できたらいいなと思います」

 

――これからの意気込みをお願いします。

 「復帰をしたら、最初はリザーブからなのでとても緊迫した状況で入ると思います。チームが疲れてきているところでもう一回ギア変えることができる役目になりたいです。チームとしては、まだなったことのない日本一を目指しているし日本一になれるチームを作っているので期待して欲しいです。これまで3年間で決勝で2回も負けているのでもう負けられないです。3度目の正直です」

 

――ありがとうございました。

 

[豊澤風香]

 

◆大賀 宗志(おおが・そうし)営4、報徳学園高、179センチ・112キロ

 「もしラグビーをしていなかったら何をしていましたか」という質問に「野球」と答えた大賀選手。「やるならエースで4番かな(笑)」とのこと。