
(86)~road of 〝AHead〟~ 大賀宗志「スクラムを日々研究していきたい」(前半)
「しっかり頂点だけを見つめる」。石田吉平主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『AHead』に込めた思いだ。4年ぶりの大学選手権(以下、選手権)優勝という頂点の地へ。闘球に魂を込め、たくさんの汗を流した日々。4年生にこの4年間とラストシーズンに懸ける思いを語っていただいた。11月1日より連載していく。
第21回は大賀宗志(営4=報徳学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月28日に行われたものです)
――ラグビーを始めたきっかけを教えてください。
「それが結構面白いんですよ(笑)通っていた幼稚園の園長先生がラグビー好きで、園長先生のマジックを見破れなかったらラグビー部に入るというのがありました。幼稚園生だったので見破れず、そこからラグビー部に入って今までずっとやっています。一応父もラグビーをやっていましたが、ラグビーをさせようとは思っていなかったみたいです」
――明大に進学した理由を教えてください。
「報徳の先輩は明治でとても活躍しているイメージがあったので、明治といえばFWだし報徳に入った時には明治に行きたいと思っていました。報徳の先輩方が活躍してるのがかっこいいなと思っていたからです」
――入学前の明大FWの印象はどのようなものでしたか。
「『前へ』ですね。前田剛さん(平29営卒・現コベルコ神戸スティーラーズ)や井上遼さん(平30政経卒・現コベルコ神戸スティーラーズ)がいて、セットプレーや力強いキャリーがかっこいいなと思っていました」
――入学してからその印象は変化しましたか。
「変わらなかったですね。滝沢(佳之・平13政経卒)コーチがとても熱い人で『こんなコーチいるんや』と最初の頃思って。滝沢さんは、熱血の中でもしっかりスキルを教えてくれるのですごい人だなと思います」
――初めて紫紺を着た時はどのような気持ちでしたか。
「1年の対抗戦の青学大戦でしたが、まずうれしかったですし同じ報徳出身で同期の丸尾(祐資・商4=報徳学園)と同じタイミングで着れたのもうれしかったです。でも緊張もありました。最初はケガ人だったし、さすがに1年目は無理かなと思っていたので。笹川(大五・令2政経卒・現リコーブラックラムズ東京)さんがケガをして、リザーブにたまたま入った感じでしたがそれでもうれしかったです」
――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。
「紫紺を着ている試合ではないですが、1年の時のジュニアの早稲田戦です。その前のジュニアの試合が帝京戦で、1点も取れずぼこぼこにされていました。自分はリザーブで後半ラスト10分くらいで出場しましたが、サヨナラ逆転トライをしたんですよ。それが最高でした」
――今の4年生はどのような学年ですか。
「結構個性が強いです。一人一人がやりたいことをやっています。ですが中心に吉平がいて、吉平に向かって頑張っている感じです。吉平は喋るタイプではないですが、プレーと行動で示してくれているのでそこに向かってみんなでやっています」
――同期の中で尊敬してる選手はいらっしゃいますか。
「吉平ですね。ラグビーしてるか、飯食ってるか寝ているかだと思うので本当にすごいです。努力できる才能があります。自分はあそこまではちょっとできないです。やりたいと思っても体がついていかないんで。本当にすごいなと思います」
――今年度のチームはいい意味で上下関係があまりないと聞きますが、何か意識していることはありますか。
「それはとても意識しています。4年生だけしかチームに入れていないというのはもったいないと思っています。自分たちを踏み台にしてというわけではないですが、下の代からどんどん意見してくれればもっと来年はいいチームが作れると思うし、今年ももっと良くなるはずです。そのような意味でリーダーズグループにも下級生を入れたりして、どんどん話して4年生だけでチームを作らないようにしています。もちろん4年生が大事ですが、下の意見も聞いてチームを作ろうというのを春に話しました」
――明大のスクラムの理想はどのようなものですか。
「明治が目指しているのはまっすぐ押して、塊になって完全に相手を崩し切る感じです。専門的な話になりますが、最近のスクラムはどこのチームも体重が互角なので足を伸ばして、押せないけど押させないスクラムを組んでくるチームが多いんですよ。とりあえずマイボールで出すという組み方をしてくるチームが多いので、そこに対してのスクラムを日々研究して押したいです」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
後編はこちら
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