(85)中村×大賀 両プロップ対談

2022.11.30

 〝重戦車〟と呼ばれるほどの強さを持つ明大のスクラム。そのスクラムを最前線で両脇から支えるのが、左プロップ中村公星(情コミ4=国学院栃木)と右プロップ大賀宗志(営4=報徳学園)だ。本対談では、明大FW陣の先頭に立ち引っ張る4年生プロップコンビに、お互いの印象や残りのシーズンに向けての意気込みについて語っていただいた。(この取材は11月18日に行われたものです)

 

――最初の出会いを教えてください。 

大賀 「初めて会ったのは明大ではなくて高校日本代表候補の合宿だったんですよ。お互い全然友達がいなくて。それで全く喋らなくて」 

中村 「ずっと部屋で携帯いじってた」 

大賀 「そう。練習終わってから部屋戻ってずっと自分のベッドにいる感じで。絶対仲良くなれないと思っていました」 

中村 「お互いな(笑)」 

大賀 「これは4年間無理だな、こいつと一緒にずっとやっていくのかみたいな(笑)」 

 

――それぞれスクラムのコツはありますか。 

大賀 「3番プロップは相手が両肩にいるのでまっすぐというか、スクワットを耐える感じですね。とにかく耐える」 

中村 「コツか。1番プロップは組んでみないと分からないんですよね。右側にしか敵いないので。あとはバランスが不安定で組みにくいので、結構右重心に寄せつつみたいな。だから体のバランス崩れてくるんですよね。右側の方が大きくなるんですよ背中とか。コツはたくさん組むことです」 

(自分の体は左右違いますか) 

中村 「そうですね。右側の方がでかいと思います背中とか」 

 

――お互いはチームでどのような存在ですか。

大賀 「公星は、一応自分が副キャプテンなんですけどずっといなかったので、代わりにチームをずっと引っ張っていてくれたので欠かせない存在です」 

中村 「ずっといなかったからなあ(笑)。早く戻ってこなきゃいけない存在ですね。3番プロップは結構ケガが多く枯渇していて、どんどん対戦相手も強くなっているので一刻も早く戻ってきて欲しいです。大黒柱的な存在なので」 

(大賀選手的には中村選手がいて助かっていますか) 

大賀 「本当に助かっています。公星がいてくれたから自分のケガに集中できました。結局(復帰が)遅くなってしまったんですけど、しっかりチームのことは任せられているので」 

(お互い後輩に指導などするタイプですか) 

大賀 「器用じゃないので色々教えるとかはできないですけど、自分のポジションのプロップとかフッカーとかには結構教えています」 

中村 「去年までは一切喋らなかったんですけど(大賀が)いなくなってしまったので(笑)。喋るしか無くなって今年は結構喋るようにしています」 

 

――フロントローはスクラムで勝つととても喜ぶ印象があるのですがそれは本能ですか。 

中村 「やっぱフロントローはスクラムが仕事みたいなところがあって、そのためにずっと練習してきて相手に勝てた時はめちゃくちゃうれしいです」 

大賀 「そこしか目立てないので(笑)。目立てるというかそこで勝つとめちゃくちゃうれしいです」 

中村 「そこしか目立てないって(笑)」

 

――明早戦への思いはありますか。

中村 「FWと言えば明治みたいなところがあると思うので、そこは絶対に譲れないです。今年のスローガンにもあるように、常に前に出て前進していきたいと思います」 

大賀 「同じくです。自分らの代の明早戦は負けたくない。一生言われることだと思うので、必ず勝ちます」 

 

――お二人にとってプロップはどういうポジションですか。 

大賀 「中学や高校のときは太っていてもいいから、走れなくてもいいからやろうと思っていたのですが、今は明治と言えばFWだし、明治の強いスクラムを体現できるポジションなので誇りを持ってやっています。明治はプロップでも走れないと駄目なので、変な気持ちは持たずにやっています」 

中村 「明治の顔って感じです。中学はプロップで高校のころも3年生のときにプロップに戻ったので、体もきついですが明治のプロップになれたら出たいですね、重要なポジションなので」 

 

――きつい練習はありますか。

大賀 「自分が嫌いなのはコンタクトフィットネスとタバタトレーニングです。20秒間運動して10秒休むというのを種目を変えて繰り返すのですが、それが苦手で。体を動かし続けるのが苦手です」 

中村 「自分はズートレーニングです。動物の動きを20秒やって10秒休むという感じでやるのですが、色々な動物の動きを模した動きをするのでそれがきついです。今年はあまりやっていないですが、去年とかはきつくて嫌でした」

 

――ラグビーをやり直せるならどこのポジションをやってみたいですか。

中村 「ウイングかな。速く走ってみたいですね」

大賀 「コンバージョンのキッカーをやりたいです。目立ちますし写真もたくさん撮ってもらえますし」

中村 「かっこいいよな」 

大賀 「事故画じゃないもんな(笑)。しっかり表情を決めて写真を撮ってもらえるので良いシーンですね」 

(多くの選手がスタンドオフを選んでいますが、スタンドオフはいかがですか)

中村 「考えることが多すぎてショートしそうなので、走ることがメインのウイングがいいですね。ウイングもいろいろ考えていると思うけど」 

大賀 「生まれ変わってもプロップは」 

中村 「絶対嫌だ(笑)」 

大賀 「絶対嫌だな(笑)」 

 

――ありがとうございました。

 

[牛嶋淳太郎、豊澤風香]

 

◆中村 公星(なかむら・こうせい)情コミ4、国学院栃木高、183センチ・112キロ

最近特大サイズのチョコレートを買った中村選手。「チョコレート大好きなんですよ。まだ買ってから3、4日なんですけどおいしすぎてなくなっちゃいました(笑)」。

◆大賀 宗志(おおが・そうし)営4、報徳学園高、179センチ・112キロ

高校時代は周囲の人から猪と呼ばれていたそう。「うるさくてずっと走り回っていたので、猪軍団と呼ばれていました(笑)」。