
明スポ独占 N H K杯事後インタビュー 住吉りをん
住吉りをん(商1=駒場学園)は今月18日から3日間にわたって行われたグランプリシリーズ(以下、G P)第5戦日本大会(以下、N H K杯)に出場した。初日のS P(ショートプログラム)で自己ベストを更新する圧巻の演技で3位につけると、F S(フリースケーティング)でも安定感のある滑りでその座を譲らず。第3戦フランス杯に続き、総合3位で表彰台に上った。
明スポ独占でインタビューを行った様子をお届けします。
(この取材は11月26日に行われたものです)
――今大会を振り返っていかがでしたか。
「フランス杯の時までにはいかないにしても、全体的には楽しめた試合かなと思います」
――楽しめた1番の要因はどこですか。
「できる限り自分にプレッシャーをかけずに伸び伸び滑ろうと思っていました。F Sは少し緊張してしまいましたが、その緊張を最小限にとどめて滑ることができたのかなと思います」
――順位を狙わないと言った中で3位に入りましたがこの結果についてはいかがですか。
「結果だけでみたら満足です。狙っていなかった中での表彰台ということで非常にうれしいです」
――初のN H K杯ということでどのような思いで挑みましたか。
「先生や周りの人から初めてだから狙わなくていい、やりたい演技をやってきなさいと言ってもらえたので、自分の中でこうしなくてはいけないというのもなく、やりたい演技をやることができたと思います」
――G Pの雰囲気は海外と国内とで異なりますか。
「全然違うなと思いました。フランス杯の時は歓声が結構ありました。あとバナーの数が全然違って、フランス杯の時はポツポツとある感じでしたが、N H K杯では私の名前のバナーや日本国旗が埋め尽くされるくらいあってうれしかったです」
――過密日程の中での大会ということで疲労などはありましたか。
「正直ありました(笑)。フランスから帰ってきて調子も落ちたし気持ち的にも調子を上げなくてはと思うのにうまく疲れを取れず調子が上がってこないので若干焦っていました。最終的に4回転までは戻すことができませんでしたが、それ以外のジャンプは本調子まで戻ったのでそこはピーキングができるようになったのかなと思いました」
――S Pの演技を振り返っていかがですか。
「演技内容としては今できる100点のものを出せたかなと思っています。ですが全日本選手権(以下、全日本)や今後に向けてのことを考えたときに、丁寧過ぎて慎重になっているように見えました。丁寧にいく中でスピードも出して体も大きく動かすというのが次の課題になると思います」
――演技後のガッツポーズなどを見ると納得した様子にも見えましたがその時の心境はいかがでしたか。
「満足もしていますが、ここで成長が止まってしまっては駄目なので次への課題とすれば先ほどの通りかなと思います。今回できることはやったのでその点に関しては満足です」
――衣装はお母さんが作ってくれているとの情報がありました。
「布を染めるところからやってくれています。一昨年までは全て作ってもらっていて昨年度と今年度のF Sの衣装は衣装さんに作ってもらっています。伊藤聡美さんという羽生結弦さんや樋口新葉(商4=開智日本橋学園)さんの衣装を担当している方にお願いしています」
――F Sの演技を振り返っていかがですか。
「4回転トーループが決まらなかったことに関しては調子から考えたら妥当かなという感じです。しかし、後半のジャンプ二つが崩れてしまったところが、フランス杯が終わってからだいぶ練習を積んできた部分なので、それを試合で発揮できなかったのが一番悔しいです」
――今回の演技で次につなげていきたい部分はありますか。
「トーループで転んだ後にしっかり立て直せた部分は自分の中で評価できるところだと思っていて、そこは自信にして、トーループがどんな結果になってもその次は崩れないようにしていきたいです。あとは体力がなくなることで集中が切れているなと感じたので、帰国してから体力強化でプログラムを何度もかける練習を増やすようにしています」
――F Sの演技の際の髪型が話題になっていました。
「振付師のボーンさんに髪型はユニークなものにしてほしいと言われて、さまざまな提案の中から自分の中でできるものを選んでその中からアレンジしてあのような髪型になりました。本当はフランス杯の時と同じようにしたかったのですがほどけてしまって、それほど固めておくのが難しいです。(時間はかかりますか)結構かかります。失敗したりもするのでかなり余裕を持っていつも作っています。(気持ちの面でも変化はありますか)髪型が仕上がったところでよしという感じで気合が入るので、どんなヘアスタイルであれきれいに仕上げることが気合いにつながります」
――エキシビションを振り返っていかがですか。
「ひどかったなあれは(笑)。プログラムが今年は大人らしさを重視している感じなので、エキシビションでは明るい曲がやりたいと思って自分からお願いしたので、ギャップが見せられたと思います。その分動くのも大変でしたが楽しくやれています」
――ジャンプの面では悔しさが残ってしまいましたか。
「練習ができていなかったので、練習しましょうという感じです。全日本までそこまで時間があるわけではないですが、表彰台に乗ってしっかり練習したものをお見せできるようにしたいです」
――他の選手との交流はありましたか。
「アメリカのオードリー(・シン)や韓国のキム・イェリムはフランスの時も一緒だったので少し仲良くなれたかなと思います。坂本さん(坂本花織・神戸学大)と渡辺さん(渡辺倫果・法大)とは一緒に行動していたので、たわいない話から真面目な話などいろいろな話ができました」
――エキシビション後の対談はいかがでしたか。
「結構緊張していましたが、話し始めたら成美ちゃん(高橋成美)や荒川さん(荒川静香)がうまくのせてくれたので流れに乗る感じでいきました」
――全日本へ向けての意気込みをお願いします。
「とにかく200点台に乗せたいと思っています。S Pで今回よりさらにいい演技をすることと、F Sは4回転を全日本という舞台で決められたらなと思います」
――ありがとうございました。
[冨川航平]
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