(81)~road of 〝AHead〟~ 中村公星「競争があるから成長できた」

2022.11.28

 「しっかり頂点だけを見つめる」。石田吉平主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『AHead』に込めた思いだ。4年ぶりの大学選手権(以下、選手権)優勝という頂点の地へ。闘球に魂を込め、たくさんの汗を流した日々。4年生にこの4年間とラストシーズンに懸ける思いを語っていただいた。11月1日より連載していく。

  

 第19回は中村公星(情コミ4=国学院栃木)のインタビューをお送りします。(この取材は10月26日に行われたものです)

 

――明大に進学した理由を教えてください。

 「FWを強みにしていて純粋にかっこいいと思っていたからです。明早戦の舞台にも立ちたいと思って明治に来ました。スプリングスクールというセレクションで受かって明治に来ました」

 

――入部当初を振り返っていかがですか。

 「4年生のフロントローの方々は何から何まで強かったので、その中でやってきたので成長したと思います。アタックのセット一つでも速さが全然違うのでそこについていくのが大変でペガサスに上がっても練習に最初はついていくのが必死でした。フィジカルの強度もランクが上がりますしなかなか大変でした。」

 

――2年次の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)・帝京大戦からスタメンに定着し、明早戦にもスタメンで出場しました。

 「それまでずっとリザーブで出ていたのですが、山本耕生さん(令4商卒・現NECグリーンロケッツ東葛)が出られなくて、帝京戦でスクラムやキャリーでいいプレーができたのでそこがきっかけになったと思います。自分のしたいプレーやコーチ陣が求めるプレーができたのでそこで自信につながったと思います。(明早戦は)明治に入ったからには明早戦にみんな出たいと思うのですが、そこに2年生から出られてすごく幸せだったと思いますしいいプレーもできてすごくうれしかったです。FWの仕事としては完璧にできたと思っていて、モールやスクラムでも圧倒できて相手の心を折るようなプレーができたと思います。帝京戦も含めこの2試合は自信につながった試合でした」

 

――3年次の対抗戦は明早戦までスタメン出場がありませんでした。

 「山本耕生さんの方が良かったという評価だと思います。自分的には耕生さんや中山(律希・政経3=天理)や床田(淳貴・情コミ3=桐蔭学園)とすごく競い合っていて絶対に負けられない、自分の方が出たいという気持ちがありました。そのために何をしたらいいのかなども考えたりしましたし、どうやったら出続けられるか、どうすれば負けないかという気持ちが合ってそれがいい競争になっていると思っています。競走があるからこそ自分が成長できていると思います」

 

――4年生になってから変わったことはありますか。

 「プレー面ではキャリーをするときにステップを踏むのが苦手で、コーチにも言われていたのでそれが成長したと思います。プレー以外ではハドルのときに話すようになったと思います。4年生という立場でチームを引っ張らないといけないので話しています。掛け声や意識していることを再確認して組むようにしています」

 

――石田主将をはじめとしたリーダー陣はどのような存在ですか。

 「吉平はすごくストイックでしゃべるタイプよりかはプレーで引っ張る、背中で引っ張るキャプテンだと思います。誰よりも努力しているし、誰よりも勝ちたいと思っているので、勝たせてあげたいというか、この代で優勝したいという思いもあります。おがそう(大賀宗志・営4=報徳学園)は普段はふざけているのですが、去年も一緒にスクラムを組んですごく尊敬している部分もありますし、ラグビーに対しては負けず嫌いだなと思います。明治のスクラムに対してすごくプライドを持っていて絶対に帝京や早稲田に負けたくない、絶対に日本一のスクラムを組むという意識が強いです。誉哉(齊藤・文4=桐生一)は的確というか頼れる人ですし、常にしゃべってくれますし、オールマイティーで常に冷静なので、いなきゃいけない存在だと思います」

 

――スローガン『AHead』に込めた思いを教えてください。

 「去年決勝で負けて何か一つ足りないものを埋めようということと明治の『前へ』の精神を込めてこのスローガンにしました。FWの重戦車を体現しないといけないと思っていて、明治の重戦車は常に前に行かないといけないと思っているのでそういう意味も込めました」

 

――最後に日本一への思いを教えてください。

 「自分たちが入ってから優勝を経験していなくて、優勝を知らない代です。また来年100周年ということもあり来年にフォーカスされることも多いのですが、99年だからこそ勝たないといけないと思いますし、自分たちの代で優勝したいというのももちろんありますし、100周年に向けて盛り上げる意味も込めて、絶対に勝ちたいと思います。まだまだ試合の入りの部分に甘さがあるので、普段からしっかり準備をして相手に引くことなく、試合の入りからエンジン全開で相手に引くことなくいかないといけないと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[牛嶋淳太郎]

 

◆中村 公星(なかむら・こうせい)情コミ4、国学院栃木高、183センチ・112キロ

 高校時代も含めると寮生活が7年目になる中村。「寮生活楽しいのでおすすめです。いつでも遊べます」