(69)~road of 〝AHead〟~ 吉沢拓海「ラインアウトなどを研究してチームに還元したい」
「しっかり頂点だけを見つめる」。石田吉平主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『AHead』に込めた思いだ。4年ぶりの大学選手権(以下、選手権)優勝という頂点の地へ。闘球に魂を込め、たくさんの汗を流した日々。4年生にこの4年間とラストシーズンに懸ける思いを語っていただいた。11月1日より連載していく。
第15回は吉沢拓海(政経4=熊谷工)のインタビューをお送りします。(この取材は10月13日に行われたものです)
――ラグビーを始めたきっかけを教えてください。
「初めはラグビーに興味がなかったのですが、五郎丸(歩)さんがW杯で活躍した時に走るポジションがかっこいいなみたいな軽い気持ちで見ていました。そして入学した高校が熊谷工業でラグビーの名門校だったというのもあり(ラグビー部に)入部しました。もともと消防に入りたかったので、3年間やって体力をつけて消防に行けたらいいなという感じで始めました」
――明大ラグビー部に入部した理由を教えてください。
「明早戦を見ていて自分もいつか出てたらなと思っていたからです。ファンもとても多くて明治かっこいいなと思っていました」
――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。
「2021年5月16日の専修大とのC戦です。その試合で自分はラインアウトで着地を失敗して、膝が変な方向に曲がってしまい膝を脱臼して前十字靭帯や半月板も同時にケガをして。他の試合もいっぱいありますがこの試合が一番印象に残っています」
――ケガで復帰できない間、何か勇気づけられたものはありますか。
「自分はバスケのNBAが好きで、NBA選手の中でも前十字靭帯とかケガしてしまう人が多いんですよ。シカゴブルズのデリック・ローズという選手も何度も怪我していましたが、今は復帰してNBAでやっています。ケガの期間はよくNBA選手の動画を見ていましたね」
――ご自身のポジションであるロックへのこだわりを教えてください。
「スクラム、ラインアウト、ブレークダウンなどいろいろあって、すごくきついポジションですが誰よりも走って誰よりも体を張るっていうところをこだわっています」
――4年間で印象的だったロックの選手はいらっしゃいますか。
「片倉康瑛(令3法卒・現東京サントリーサンゴリアス)さんと高橋広大(令3情コミ卒・現清水建設江東ブルーシャークス)さんです。片倉さんからはラインアウトの考え方やジャンプとかを教えてもらいました。広大さんのプレーはタックルやボールキャリーがとても強かったので、そこは目で見てこうやったらいいのかなと盗もうとしていました」
――今だからこそ後輩に伝えたいことはありますか。
「自分はケガをするなとしか言えません(笑)。小さいケガでも甘く見てはいけないと思っています。自分も捻挫などを軽く見ていて、そこから少し体がおかしくなっちゃったのではないかと思っていて。軽いケガを放置していたら大きなケガにつながってしまうので、体のケアは大事です。4年間きつくて長くて大変だと思うけれど、ケガすると何もできなくなってしまうのでケガをするなとしか言えないです」
――4年間で自分自身に何か変化はありましたか。
「一番は体の大きさです。4年間で体重を約20キロ増量したので、一番は体の変化だと思います。精神的なところでは、少しのケガなら頑張ろうかなみたいに思うくらいタフになりました。それが良くなかった部分もありましたが(笑)」
――改めて吉沢選手にとって『AHead』にはどんな意味が込められていますか。
「4年ぶりに再び頂点を目指すという意味です。そのためには一つ一つのラインアウトやスクラムは絶対に取られないようにしないといけないです。そのようなプレーの精度が、今後の強い相手と戦っていく上で必要なのかなと思います」
――今後の意気込みをお願いします。
「自分はもしかしたら今後ケガでプレーできないかもしれないですが、ラインアウトなどをしっかり研究してチームに還元したいなと思います」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆吉沢 拓海(よしざわ・たくみ)政経4・熊谷工業高、194センチ、101キロ
ラグビーの街である熊谷出身の吉沢選手。「熊谷は田んぼや畑が多くて静かなところで、治安も人も良くてすごく空気がきれいでいいところです!」
関連記事
RELATED ENTRIES