(65)~road of 〝AHead〟~ 原口虎太郎「ひたすら毎日一つ一つを楽しむ」

2022.11.15

  「しっかり頂点だけを見つめる」。石田吉平主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『AHead』に込めた思いだ。4年ぶりの大学選手権(以下、選手権)優勝という頂点の地へ。闘球に魂を込め、たくさんの汗を流した日々。4年生にこの4年間とラストシーズンに懸ける思いを語っていただいた。11月1日より連載していく。

 

 第12回は原口虎太郎(商4=東福岡)のインタビューをお送りします。(この取材は10月13日に行われたものです)

 

――率直に4年間を振り返っていかがですか。

 「すごい楽しかったですね。きついというのもあったのですが、それよりも一番に楽しかったなというのがあります」

 

――具体的にどのようなことが楽しかったですか。

 「ラグビー面で言うと、自分が成長して試合に出場できた時はもちろん、ラグビー以外でもやはり寮生活などは社会人になったらできないことだと思います。そういう面ですごい貴重な時間だなということと同時に、とても楽しかったなと思います」

 

――改めて明大に進学した理由をお聞きしたいです。

 「ラグビーが強いからです。もともとラグビーをあんまりそんな本気でやろうと思ってなくて。また、明大の他にも声を掛けていただいていました。それでも、これも何かの縁かなと思い、一番最初に推薦をくれた明治大学に行こうと決めました」

 

――実際に入学してみて感じたことを教えてください。

 「僕、東福岡出身なんですけど、そこでももちろん競争がすごい激しくて、たしか120人ぐらい部員がいました。けど、やはりそれ以上にすごい競争環境が明大はありました。明大で本当にメンバーで出る人というのは本当にすごいレベルが高いなと思いました」

 

――今年度からスタメンに定着してるイメージがありますが、シーズンを振り返っていかがですか。

 「気持ち的に4年生なので、楽というのもあるのですが、とてもメンタル面で変わったなと思いました。これまではミスをしたら思い詰めたりしてしまい、いろいろ考えてプレーしていたところがありました。4年生でもうラストイヤーで、僕ももうラグビーをやめるので、そういう面も含めて、本当にあと1年ラグビーを楽しもうという気持ちに変えたら結構うまくいくようになりました」

 

――4年間の中で思い出に残っている試合を教えてください。 

 「僕が1年生の時のBチームかCチームかの帝京大戦です。Bチームの帝京大戦は毎年勝てないですよね。めちゃくちゃ強くて。なんですけど、その時だけ勝ちました。逆転トライの前に僕が抜けたんですよ。リザーブで出させてもらっていたのですが、それはとてもうれしかったですね、それで勝てたんで」

 

――原口選手にとって改めて『AHead』にはどんな意味が込められていますか。

 「『前へ』という明治の有名な言葉があると思うのですが、それと掛けてやはり前進しようという意味があります。試合中の自分に対しての『前へ』でもありますし、チームとしても少しずつ前進していこう。そういう意味もあると思うんで、解釈的にはすごくいろいろな解釈ができていいかなと思います。個人的には、やはり僕自身、敵に対して恐怖があって、逃げたプレーが多かったんですよ、1、2年の時は。そういうのに、対して4年生は前に行かなきゃなとか、困ったらひたすら前にみたいな、スローガンを思い出すたびに思ってます」

 

――ラストシーズンに懸ける思いをお願いします。

 「最後まで楽しむしかないなと思っています。ひたすら毎日一つ一つを楽しむ。きついことももちろんあるのですが、その中でも楽しんでいきたいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[堀之内萌乃]

 

◆原口 虎太郎(はらぐち・こたろう)商4、東福岡高、181センチ・88キロ

 実家でコーギーを飼っている原口。愛犬の好きなエピソードは、雪の中を一生懸命歩く姿がかわいかったこと。