(60)~road of 〝AHead〟~ 鈴木玲央「チャンスが来たら必ずつかみ、日々を悔いのないように過ごしていきたい」

2022.11.09

 「しっかり頂点だけを見つめる」。石田吉平主将(文4=常翔学園)は今年度のスローガン『AHead』に込めた思いだ。4年ぶりの大学選手権(以下、選手権)優勝という頂点の地へ。闘球に魂を込め、たくさんの汗を流した日々。4年生にこの4年間とラストシーズンに懸ける思いを語っていただいた。11月1日より連載していく。

 

 第7回は鈴木玲央(政経4=黒沢尻北)のインタビューをお送りします(この取材は10月20日に行われたものです)。

 

――明大ラグビー部を選んだきっかけを教えてください。

 「中学、高校とFWをやっていて、大学を選ぶ際に大学でもラグビーを続けたいという思いがあり、その中でFWが強いチームに行きたいというのがあったため、試合を見ていて引かれたのが明大ラグビー部でした。明大の重戦車と呼ばれるFW陣と、『前へ』という愚直な精神に引かれ明大ラグビー部に入りたいと決めました。そして監督の方から、明大ラグビー部が行っている春のスプリングスクールに参加してみないかと声を掛けていただいて、それに何度かチャレンジさせていただいて入学することができました」

 

――4年生として意識していることはありますか。

 「最上級生というのもありますが、練習の中でなるべく声を出して周りを引っ張っていくということを意識しています。ですが、それが必要ないくらい下級生がすごく勢いがあるので、それには負けないように頑張っています」

 

――後輩たちに伝えたいことはありますか。

 「まだまだ自分たちの世代もこのようにインタビューを受けている段階で、どのような終わり方を迎えるかわからない状態ですし、悪く言ってしまえば次の試合、次の大会で終わってしまう可能性もあります。そのため、日々悔いがないように練習であったり生活であったりに取り組んでいます。なので、後輩たちにも悔いがない大学生活を送ってほしいということを伝えたいです」

 

――4年間のターニングポイントはありますか。

 「明確な時期はないのですが、一回一回のミーティングは自分を変えてくれたターニングポイントであると思います。ミーティングを4年間続けてきてすごく言われるのが、体が痛かったり調子が出なかったりと、練習や試合において色々なマイナス要因があると思うのですが、そのようなマイナス要因があったとしても明大の選手としてグラウンドに立ったからには、一流のプレーをする姿勢を見せるというように教えていただきました。その意識が自分の中にすごく残っています」

 

――4年間を通して成長したことはありますか。

 「1番成長したと思うのは人間性などの精神面です。日頃から監督がおっしゃられている『凡事徹底』という言葉があり、誰でもできるようなことを誰もできないくらいに徹底するという意味合いで自分たちは使っています。あいさつやゴミ拾いなど人として当たり前にできることを徹底するという意識が、この4年間ですごく上がったと思います」

 

――厳しい環境の中でも頑張ることができた原動力はありますか。

 「チームメートです。どんなにつらくても横を見れば同じように頑張っている仲間たちがいたので、それを見て自分も頑張らなければならないと、良い刺激をもらい続けていました」

 

――鈴木選手にとってラグビーとは何ですか。

 「一言で表すなら『つながり』です。ラグビーを中学から始めて、人のつながりがあったからこそ高校も推薦で行かせていただいて、大学も監督やコーチからの紹介で行かせていただくことができました。そのような人とのつながりがあったからこそ今自分はここに立つことができていて、そのつながりを生んでくれたのはラグビーだと思います。この4年間を共に過ごした仲間とは、今後の人生においても何かしらの形でつながり続けていくと思うので、色々なつながりをつくってくれたものがラグビーです」

 

――明大ラグビー部を選んでよかったと思うことはありますか。

 「全部です。ラグビー面はもちろん勉学の方もしっかりと取り組める環境で、将来的にも選択の幅が明大に来て広がったと思っています。今ある自分を作ってくれたのが明大ラグビー部なので、どの点においても明大ラグビー部を選んで良かったと思っています」

 

――改めて鈴木選手にとって『AHead』にはどのような意味が込められていますか。

 「チームの解釈とほとんど同じになってしまうのですが、昨年度は何かが足りなかったため大学選手権準優勝という形で終わってしまったので、その何かあと1つをこだわるという意味を自分自身も感じています。そのため、普段の練習からあと1つの精度やこだわりを大切にしていくというイメージが、自分の中では強いです」

 

――今後の意気込みをお願いします。

 「まだこの先も試合は続いていくため、自分自身が出場するチャンスもあると思います。そのチャンスで3年生の時のようにケガでつかみ損ねることがないよう、日々のケアであったり体調を整えたりの細かいところに気を配りながら、チャンスが来たら必ずつかみ優勝に貢献したいと考えています」

 

――ありがとうございました。

 

[久保田諒]

 

◆鈴木 玲央(すずき・れお)政経4、黒沢尻北高、185センチ・110キロ

地元の岩手にいた頃からのサウナ好きである鈴木選手のおすすめはテントサウナ。「水風呂の代わりに川などに入るのですが、それが最高に気持ち良いです」。