(58)〜road of 〝AHead〟〜 倉田真「日本一のチームの一員になるために」

2022.11.07

 「しっかり頂点だけを見つめる」。石田吉平主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『AHead』に込めた思いだ。4年ぶりの大学選手権(以下、選手権)優勝という頂点の地へ。闘球に魂を込め、たくさんの汗を流した日々。4年生にこの4年間とラストシーズンに懸ける思いを語っていただいた。11月1日より連載していく。

 

 第5回目は倉田真(政経4=京都成章)のインタビューをお送りします。(この取材は10月18日に行われたものです)

 

――4年間を振り返っていかがですか。

 「いろいろなことがありました。1年生の頃はレベルが高すぎてついていくのに必死でしたし、2、3年生はなかなかうまいこといかずに落ち込んでしまう時期も多くありました。でも、その中でめげずに頑張ったら4年生でやっと紫紺を着られるチャンスが回ってきました。4年間振り返って、落ち込んだ時期とうまくいっていた時期との振り幅が大きかったですね」

 

――落ち込んでも頑張ろうと思えたのはどうしてですか。

 「鼓舞できた一番のきっかけは同期、先輩の支えがあります。1個上の竹ノ内駿太さん(令4政経卒=現九州電力キューデンヴォルテクス)と一番仲良くさせてもらっていたのですが、しんどかった時期に駿太さんが一番に気にかけてくれました。駿太さんの言葉に助けられてラグビーを頑張ろうと思えたのが、僕の4年間の中で一番印象に残っていますね」

 

――4年間で一番印象に残った試合を教えてください。

 「この前の対抗戦の日体大戦のスタートで紫紺を着られた試合ですね。1年生からの目標でやっと4年生で紫紺を着られました。最初は実感が湧かなかったのですが、メンバーに入ったと気付いた時には震え上がっていたというか、高ぶっていたというか、自分の気持ちをコントロールできない状態でした。試合の内容のだけでいうと納得のいった試合ではなったのですが、紫紺を着られたという経験が一番印象に残っています」

 

――チーム内での自分の役割を教えてください。

 「リーダー職には一つも所属していないのですが、タイプ的におちゃらけキャラなので場を盛り上げる役割ですかね。例えば試合だったら、僕は特別すごい選手でもないのでプレーに対してこうしろとは言えないのですが、こういうキャラであるからこそみんなと仲がいいので、試合でミスした選手がいたら声を掛けたりして次のプレーにつなげていく役割を自分の中で考えて動いていますね」

 

――後輩に残していきたいことはありますか。

 「僕が竹ノ内駿太さんみたいな人になりたいと思ったように、僕も後輩に僕みたいになりたいと思ってくれたら、形に残らずとも後輩に残せたかなと思います。これも駿太さんの言葉で『どの立場であれ、自分ができることを全力でしろ』という言葉があります。最後までチームのために全力でサポートして、後輩に(その姿を)見せて『やっぱりあのひとは最後までやり切ったな』という印象を残していきたいですね」

 

――一番印象に残っている部屋メンバーはどなたですか。

 「本当に一年生から(部屋メンバーに)恵まれてきました。難しいですが、やはり今ですかね。4年生になったら自分で後輩を決めて部屋を作るので、後輩3人は学年から一人ずつ一番おもろい選手を引っ張ってきました。3年生は床田淳貴(情コミ3=桐蔭学園)、2年生は田島貫太郎(政経2=東福岡)、1年生は富田陸(政経1=大阪桐蔭)なのですが、とてもキャラが強烈ですごく楽しいですね。毎日洗濯物を誰がするかというゲームを4人でしたりだとか、映画を見たりとか、今で言ったら、silentというドラマを見て泣こうとしたりとか、毎日にぎやかで一番うるさいと言ってもいい部屋です(笑)」

 

――改めて倉田選手にとって『AHead』にはどういった意味がありますか。

 「僕の中の『AHead』はもちろん前進するという意味もありますし、自分自身が成長するための一つの言葉でもあります。もう一つ先の景色を見るためという意味もあって、そのために自分自身も成長しなければならない、周りも成長させなければならないという気持ちもあるので、僕の中では成長という意味が大きいですね」

 

――今後の意気込みをお願いします。

 「明治大学が日本一になるために、日本一のチームの一員になるためにサポートしていきたいです。チームの士気を上げられるように、後輩を誘って筋トレしたり、自分ができることを探して遂行していきたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[安室帆海]

 

◆倉田 真(くらた・まこと)政経4、京都成章高、178センチ・101キロ

関西出身で「食べることが大好き」という倉田選手。好きなスイーツを聞くと「ラーメン」と回答が。ボケの精神を忘れない倉田選手に拍手です。