(133)改革の年 3年連続シード権獲得へ/全日本大学駅伝展望

2022.11.05

 〝古豪〟と言われる時代はもう終わりだ。箱根駅伝予選会(以下、予選会)から約3週間。選手は悔しさの中にも今年度のチームは違うとかすかな手応えを感じていた。1~4年生まで幅広いオーダーの明大。さまざまな想いが込められた襷を肩に掛け、8区間106.8㎞の戦いに挑む。

 

 3年連続シード権獲得のカギを握る1区を任されたのは1年生の森下翔太(政経1=世羅)。森下は昨年度の全国高等学校駅伝競走大会で、エース区間である1区で区間賞を獲得するなど実績は十分だ。しかし先日行われた予選会では、腹痛のアクシデントによりまさかのチーム12番目でゴール。好走を期待されたが苦しい走りとなった。それでも「予選会であまり走れなかった分、疲労は溜まっていない。予選会前よりもいい感じに来ている」(森下)と初の三大駅伝に向け準備万端だ。

 

 前半の最終区間である4区には小澤大輝主将(政経4=韮山)が控える。今シーズンの明大を支えてきた主将にチームの雰囲気を尋ねると「シード権獲得という目標に対して昨年度にはなかった緊張感がある。チームの状態は上がってきている」。個人では昨年度も4区を走り区間3位。今年度は最終学年として、そして主将として区間賞争いに食い込む走りが求められる。その他にも6区には昨年度森下ともに高校日本一を成し遂げた吉川響(文1=世羅)がエントリー。予選会に出場できなかった悔しさを胸に長距離区間へ襷をつなげる。またアンカーの8区には尾﨑健斗(商2=浜松商)がメンバー登録された。先月行われた早大競技会では1万メートルを28分台で走っており、調子の良さをうかがわせている。

 

 また、今回の注目ポイントは当日変更選手だ。全日本大学駅伝では当日変更が最大3人まで可能となっており、各校駆け引きが展開されている。明大は予選会にて日本人3位、4位入賞の富田峻平(営4=八千代松陰)、児玉真輝(文3=鎌倉学園)が補欠登録となっている。他にも一昨年の全日本で4区6位と好走した櫛田佳希(政経4=学法石川)や、昨年度予選会で日本人2位の走りを見せた加藤大誠(営4=鹿児島実)など実力のある選手が控えに回っている。当日変更で誰がどの区間に入るかにも注目だ。

 

 チームとしてシード権獲得を目標とする明大。昨年度の箱根駅伝は総合14位とまさかの結果に終わった。あれから約10カ月。今年度は昨年度の反省を踏まえチーム改革に乗り出した。3年連続シード権を獲得し〝古豪〟脱却なるか。紫紺の襷が伊勢路を駆け抜ける。

 

[島田五貴]