(132)全日本大学駅伝事前インタビュー⑨/山本佑樹駅伝監督

2022.11.04

 「今年度のチームは違う」とチーム内外から声が上がる変化の1年となった2022年。10月に行われた箱根駅伝予選会(以下、予選会)では2位通過と悔しい結果になったが、その悔しさを伊勢路で爆発させることはできるのか。レースを直前に控えた選手たちの声をお届けする。

 

 第9回は山本佑樹駅伝監督のインタビューです。(この取材は10月29日に電話で行われたものです)

 

――現在のチームの状態はいかがですか。

 「予選会が終わって、特に疲労がある選手はいないです。唯一櫛田(佳希・政経4=学法石川)に転倒があったので、そのダメージがどの程度かなというところです。今日練習は一緒にやりましたが、少し休んだ分、動きが硬いというのはあります。それ以外はみんな順調にきています」

 

――チームの雰囲気はいかがですか。

 「予選会が少し不完全燃焼だったので、少しモチベーションが下がったところはありました。ただ、すぐ切り替えて全日本大学駅伝(以下、全日本)に(意識が)向いているので、雰囲気としては良いと思います」

 

――チームとしてどのような目標を掲げていますか。

 「シード権獲得のため、8番以内が目標になります。ただ、本当に『一つでも上』という意識で、5、6番にいければ良いなというのは全体の共通認識としてあると思います」

 

――序盤の区間は重要になると思いますが、どの選手に任せるのか決まっていますか。

 「前半の出だしは大きいと思うので、昨年度2区でいい走りをしたので児玉(真輝・文3=鎌倉学園)と、今一番安定して力がある富田(峻平・営4=八千代松陰)をどう使うか。前半で2人を使うのか、前半と後半でうまく分けていくのかがポイントになると思っています」

 

――予選会でいい結果を残した選手ですと、新谷(絋ノ介・政経2=世羅)選手がいましたが、全日本の期待も大きいですか。

 「そうですね。彼も予選会とセットで全日本も走りたいと目標設定でよく話をしていたので、予選会よりも全日本に向けてのモチベーションの方が彼の場合は高いと思います。また、高校時代に優勝チームでキャプテンをやっていたので、駅伝の面白さを一番よく知っている選手です。そのため、走りたい気持ちは一番強いと思いますし、こちらも少し使ってみたいという気持ちはあります」

 

――下條選手(乃將・情コミ4=東京実)も予選会で結果を出しましたが、全日本で期待することは何ですか。

 「下條の場合はどちらかいうとスピード系というよりは、じっくりと距離を走って後半の粘りというタイプですので、そういったものは全日本の10キロから12キロの距離でも十分必要な能力だと思います。後半の長い区間でも任せられると思うので、そういった意味では幅が広がるような、オールマイティな扱いをするような選手になるという気がしています」

 

――全日本は過去2年間、児玉選手がいい結果を残していますが、児玉選手の強さの秘訣(ひけつ)はどうお考えですか。

 「彼は本当に賢い走りをするので、どういう位置で来ても冷静に自分の走りができると思います。ただ、特に周りに人がいて競っていくことが得意な感じもするので、どちらかというと前半に置いた方が生きるのかなと感じています。そのため、前半に上位に付くという意味では彼の力は必要になると思います」

 

――明大として全日本で、ここ最近いい成績を残していますが、どのような点が要因になっていますか。

 「元々トラックが得意な選手が多いので、ちょうど5000、1万(メートル)の能力が発揮しやすい距離設定になっているというのは一つポイントだと思います。ただ、ここ2年は良かったですが、それ以前は15番になるなど不発な年もあります。やはり前半流れに乗った時にはきちんと結果を出せるので、より前半の走りが大事なんだなということを認識している大会です」

 

――今回は久しぶりの有観客の駅伝になりますが、観客がいることによって選手に違いは生まれますか。

 「多分親御さんであったり、関係者が沿道で応援に来てくれたりというのは耳にしていると思うので、より走りたい気持ちも強くなっていると思うし、頑張ろうという気持ちになっていると思います。そういった意味では非常にプラスになると思いますし、そこは各大学、各選手同じだと思うので、より面白い駅伝になるのではないかと期待しています」

 

――全日本に向けて意気込みをお願いします。

 「全日本自体もシードを取って、いい結果で終わるということが一つ目標になりますし、やはりここで勢いをつけて箱根に向かうという意味でも大事な駅伝になります。一つでも上の順位を目標にシード権獲得を目指して頑張りたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[飯塚今日平]