
(119)箱根駅伝予選会事後インタビュー③/新谷紘ノ介、室田安寿
10月15日に行われた第99回箱根駅伝予選会(以下、予選会)。明大は2位通過を果たし、箱根駅伝(以下、箱根)や来月の全日本大学駅伝(以下、全日本)に向けて収穫の多い大会となった。今回は予選会に出走した12人の選手と監督のコメントを全7回にわたってお届けする。
第3回は新谷紘ノ介(政経2=世羅)、室田安寿(情コミ1=宮崎日大)のインタビューです。(この取材は10月15、16日に電話で行われたものです)
新谷
66位 1時間4分15秒(自己ベスト)
――昨年度は立つことができなかったスタートラインに立ってみていかがでしたか。
「このような大きな大会に出走するのが久しぶりだったので、わくわくしつつ少し緊張もあってすごくいい精神状態でした」
――どのようなレース展開でしたか。
「最初が思った以上に動かなかったです。10キロ通過で全然自分の走りがはまらない状態でした。市街地に出てから良くなり、前から落ちてくる選手がいっぱいいたので、拾いながらペースアップをして、うまく走りをまとめられました。最初はペースが遅くてうまく走れなかったのですが、そこで気持ちを切らさずに前を追っていけたのは良かったと思います。最初自分の思っているペースで走れなかったことと、もう少し追い込めたのではないかというところが反省です。今回の走りは及第点かなと思います」
――個人結果に関してはいかがですか。
「大誠さん(加藤・営4=鹿児島実)や小澤さん(大輝・政経4=韮山)が失速してしまったというのもあるのですが、部内8番以内を狙っていたので部内4番を取れたのは良かったです。タイムは63分台を狙っていたので、そこはまだまだ自分の力が足りなかったです」
――大きな大会で紫紺のMを背負うのはほぼ初めてだったと思います。
「U20日本選手権でも紫紺を着て走ったのですが、その時とは全く違いました。チームで戦っているのだなとすごく感じましたし、今回走れなかった人の分まで自分が走らないといけないと使命感を覚えました」
――自分が走れないことを経験しているからこその思いですか。
「まさにその通りです。走れなかった人は悔しいなどいろいろな感情があると思います。昨年度僕は全部の主要大会にエントリーされても走ることができませんでした。なのでそういった人たちの気持ちを100パーセント分かるというわけではないのですが、ある程度は分かっているつもりです。走れなかった人にはこの経験からさらに奮起をしてもっと頑張ってほしいなと思いますし、そういう人たちに僕も負けないようにしないといけないと思いました。メンバー争いが熾烈(しれつ)なので、お互い切磋琢磨(せっさたくま)して頑張っていきたいです」
――今後の意気込みをお願いします。
「直近では全日本にまずは出走できるように練習を頑張っていきたいです。また、箱根で戦うにはまだまだだと感じたので、もっともっと自分が強くなって箱根本戦では多くの人に走りで感動を与えられるようにしたいです」
――ありがとうございました。
室田安寿(情コミ1=宮崎日大)
室田
82位 1時間4分29秒(初)
――当日のコンディションはいかかでしたか。
「自分はベストに近い状態で、これだったらタイムが出せるだろうという感覚がありました」
――どのようなレースプランを考えていましたか。
「プランとしては公園内に入るまでの前半の15キロを余裕持っていこうと思っていました。後半のラスト5~6キロは周りとの差が一番つきやすい部分だと思っていたので、そこからどれだけ粘れるかが勝負だと思って走りました」
――レースを振り返ってください。
「今回のレースは初のハーフマラソンということで山本佑樹駅伝監督からは特に大きな指示はありませんでした。ですが速い先輩たちがいるから自分は積極的に攻めてみようというチャレンジ精神でレースに臨みました」
――レース中はどのようなことを考えていましたか。
「レース中は明大の先輩方を見つけたらその人に付いていくという考えでした。スタート直後は少しごちゃごちゃになりましたが、すぐに下條さん(乃將・情コミ4=東京実)を見つけて10キロくらい並走できたおかげで、落ち着いて走ることができました」
――レース中のどの時点で今回は〝いける〟と感じましたか。
「後半5キロは少し失速してしまいましたが、中盤のきついところはしっかり踏ん張って持ち直す走りができました。なので、確信はありませんでしたがタイムは出るかなと思っていました」
――ゴール時のガッツポーズはどのような思いから出ましたか。
「公園内に入ってからのラスト5キロが本当に苦しくて大きく失速しそうになりましたが、何とか踏ん張って明大の先輩たち見つけて食らいついていった達成感です。本当はしてはいけないのですが(笑)。今振り返ると少し恥ずかしいです」
――レース直後の心境を教えてください。
「目標として1時間3分台で走るというのがあったので、それを達成することができなくて少し悔しかったです。しかし、レース後に知り合いの方だったり、駅伝ファンの方々から写真求められたりして、気分は良かったです(笑)」
――同期から何か言葉は掛けられましたか。
「堀(颯介・商1=仙台育英)に『俺が走ったらもっとタイム出るぞ』と茶化されました。あと『ガッツポーズをする暇があるならタイム削れ』と言われました(笑)」
――2位通過に対しての率直な気持ちを聞かせてください。
「チームとしての目標は予選会通過で特別1位通過にはこだわっていませんでした。なので個人的には、通過できたからいいのではないかと思っていましたが、先輩や山本駅伝監督は危機感を抱いていると感じました」
――今後に向けて意気込みをお願いします。
「全日本、箱根に向けてまずは出走できるように状態を上げてきたいです。全日本のシード権も大事ですが、チームでも個人でも箱根にこだわって練習してきているので、箱根に向けて着実に力を付けていきたいと思っています」
――ありがとうございました。
[大橋直輝、島田五貴]
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