
(116)箱根駅伝予選会事前インタビュー⑮/山本佑樹駅伝監督
目前に迫った第99回箱根駅伝予選会(以下、予選会)。明大は5年連続、64回目の出場権獲得を狙う。昨年度の予選会で2位に大差をつけて首位通過を果たしたその実力を今年度も見せることができるかに注目だ。
第15回は山本佑樹駅伝監督のインタビューです。(この取材は10月10日に電話で行われたものです)
――出雲駅伝を見ていらっしゃったとのことですが、どのように感じましたか。
「やはり単純に出たいなと思いました。距離も順位変動も多いし、結構面白い駅伝なので、やはりここに出たいなということで、箱根駅伝(以下、箱根)でシードを取らなければ、という思いが強くなりました」
――予選会目前で今どのようなお気持ちですか。
「昨日最終的なヤマ場の調整練習をしたのですが、順調に来ています。本当にラスト1週間を切ったところの調整をしっかりすれば、予選通過は間違いなくできるかなと思います。手応え的にはいい感じでいます」
――チームコンディションはいいですか。
「(練習で)上位に来る選手がやはり上位に来ると思うので、そこは日本人トップを狙わせて走らせたいなと思っていますし、中間から10番目、12番目の選手については、ここでいい走りをすることが箱根本戦につながるので、競争意識を持ちながらやらせたいなと思います」
――日本人トップを狙える選手は誰を想定していますか。
「加藤(大誠・営4=鹿児島実)、富田(峻平・営4=八千代松陰)、児玉(真輝・文3=鎌倉学園)あたりはかなり仕上がってきているので、状態は良いと思います。それで、小澤(大輝主将・政経4=韮山)、漆畑(瑠人・文4=鹿児島城西)あたりも良いのですが、漆畑はどちらかというと日本人トップよりかは、まずはハーフマラソンの距離をきちんと走ることが彼の初の箱根出場につながると思います。そこをしっかり頑張ってほしいですね」
――加藤選手は昨年度の予選会で素晴らしい結果を残しました。期待はやはり大きいですか。
「もともとロードで力を発揮するタイプなので、昨年度と比べてはるかに夏をきちんとこなせたというのは、プラスの部分だと思います。彼のポテンシャルでいくと、日本人トップを取ってその後に勢いづけてほしいです」
――特に調子の良い選手はいますか。
「やはり富田は全て余裕を持ってこなしたというのはありますし、富田と加藤ですかね。そこは一つうちの中では力が抜けている感じがします。1年生ですけど、初めてハーフという距離に挑む中で、夏にしっかりやった森下(翔太・政経1=世羅)あたりは、かなりいい状態でやっているかなと思います」
――今回ですと下級生や3年生など初出走になる選手も多いと思いますが、どんな走りを期待していますか。
「1年生は本当にフレッシュな感じで、勢いでいくと思います。3年生や2年生で城戸(洸輝・情コミ3=宮崎日大)や、あと力を付けてきた2年生の鈴木(祐太・文2=鎌倉学園)は、周りの選手にいい影響を与えるというか、城戸あたりがしっかり頑張ってくれると今の1年生、2年生で故障に苦しんでいる選手も3年生になれば、体力もついて自分でもいけるんだという気持ちになってくれると思います。チーム全体で層の厚さでプラスになってくれるのではないかと思います」
――チーム全体に対して話していることはありますか。
「特別トップ通過をしようとか、そういったことは言ってないんですけども、やはり一人一人がどれだけ自分の目標を達成できるかだと思います。どちらかいうとチーム戦なのですが、個人のレースとしてハーフをどれだけやれるかという気持ちに選手はなっていて、いい意味で予選会を通過点というか、決しておごることなく、いい意味でそこを通過点として捉えられていると思います」
――昨年度は甲斐選手(涼介・情コミ2=宮崎日大)、新谷選手(絋ノ介・政経2=世羅)の2人は出走できず悔しい思いをしたと思いますが、その2人に対して期待することはありますか。
「そういう悔しい気持ちが1年間の原動力になっていたと思いますし、本当に新谷は高校時代優勝メンバーのキャプテンで、メンバーから外れる経験もしてこなかったので、それをいい方に、プラスに1年間頑張ってきたと思います。12人に入ることだけではなくて、きちんとチームの上位で来るような走りをしてくれることが、1年の努力が成果として表れるのかなと思いますね」
――ライバルになりそうなチームや要注意選手はいますか。
「箱根を経験しているチームは上位を狙ってくると思うので、やはり東海大、早大、日体大あたりは競る相手になるかなと考えています。それ以外でも予選会で力を発揮する中央学大や大東大も勢いが出てきているので、チームとしてはそのあたりがライバルになるかなと思います。なので通過も1位から6位くらいまでは割と接戦になるのではないかと思っています。個人としてはどの大学もエース格にいい選手がいるので、本当に誰というのはないのですが、日本人トップをうちが取るか取らないかというのは大きいと思うので、うちの上位の選手は日本人トップを目指してやってほしいと思います」
――改めて予選会の目標をお願いします。
「もうとにかくしっかり通過すること。全日本大学駅伝(以下、全日本)、箱根本戦につながるように、いい手応えを持った形の通過をしたいと思います。ただ通過するのではなくて、これだったらまた全日本、箱根本戦で戦えるという、いいきっかけをつくりたいなと思います」
――最後に、意気込みをお願いします。
「いよいよ大学の駅伝の開幕が、今日出雲駅伝があって、我々は予選会からになりますけど、いよいよ始まったので、また気持ちをさらに引き締めて頑張っていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[飯塚今日平]
予選会まで、あと1日。
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