
針間大知 明大バスケを変える男
全国レベルの名門校から期待の新人針間大知(情コミ=福岡大大濠)がやってきた。中学時代の栄光とは裏腹に長く苦しんだ高校3年間があった。栄光と挫折を味わい手にした〝強さ〟を武器に明大の勝利に貢献する。
輝かしい成績と苦悩
姉の影響で小学2年生からバスケを始め、全国大会常連校・玉島北中に進学。「とても怖い監督だったのでとにかく怒られないように」。それでもエースとして、全国レベルでの活躍を見せる。その中でも特に輝いた試合は本人も人生のベストゲームと語る2年生次のJrオールスター決勝戦。この試合でチームを勝利に導く大活躍を見せ、全国からつわものが集まるこの大会で最優秀選手賞に選出される。「全国でも戦える自信になった」。貴重な経験と磨いた技術を引っ下げ福岡大大濠高に進学。全国屈指の強豪校だったが「プレー自体が通用しないとは感じなかった」と内なる可能性を感じていた。しかし、小さいケガの繰り返しで1、2年はほとんどプレーできない状態が続く。「怪我の辛さはプレーができないだけではなく練習を見ていることしかできない焦燥感」。焦りだけが募っていった。
競技人生最大の挫折
最高学年になり迎えたウィンターカップ県予選決勝。相手は3年間ライバルとして立ちはだかった福岡第一高。「絶対負けたくない」。この日のため毎朝4時半に起き、朝練を強行。すでに体は満身創痍。それでもただ〝勝ちたい〟思いを原動力にシュートを打ち続けた。迎えた試合当日。結果は60―69で惜敗、試合を終え絶望とケガだらけの身体だけが残った。その後の練習にも参加できず疎外感を感じ、「バスケをやめたいと思った」。人生最大の挫折だった。
チームはウィンターカップ悲願の優勝を果たすが「最後まで怪我があってチームに貢献できなかったので嬉しい思いもありつつ悔しい思いもあった」。ケガに苦しんだ3年間経て大学へ。
挫折を乗り越え先へ
座右の銘が初志貫徹。その初志とは「普通は競技を始めたときだと思うんですけど自分の場合は挫折したときや怪我をしたとき」。怪我に苦しんできたからこそ出てきた言葉だ。高校時代の悔しさを晴らすため明大の門をたたいた、大学での目標は「とりあえず勝ちたい」。勝ちへこだわる姿勢は人一倍強い。「1人でも積極的にプレーして周りを引っ張るような気持ちでやっている」。〝明治〟のバスケを変えるのはこの男だ。
[島田五貴]
◆針間大知(はりま・だいち)情コミ1、福岡大大濠高。趣味はユーチューブを見ること。185㌢・70㌔
※写真は本人提供
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