
西脇颯 エースナンバーを背負う覚悟
1年生ながら明治のエースナンバー〝10〟を背負う西脇颯(文1=武修館)。高校時代は、インターハイ優勝、世界選手権出場など華々しい活躍をみせた期待のルーキーだ。大学でも、ひたむきな努力で常勝明治の復活に向け突き進む。
初めての苦悩
「試合に出るのは当たり前だった」。3歳でアイスホッケーを始めるとすぐに頭角を現す。小学生の時には世代別日本代表に呼ばれるように。順風満帆な競技人生を送ってきた。しかし、高校では厳しい上下関係の中で自分のプレーを見失い、初めてのベンチ外を経験。「天狗になっていた鼻を折られた」と苦悩する日々が続いた。
それでも腐らず、自分に足りないものを模索した。それまでのセンスに頼るプレーをやめ、練習では試合を意識。出来ないことに常に挑戦する姿勢を貫いた。そこには武修館の先輩、上野鉄平選手(Connecticut Jr. Rangers)の存在が大きい。「初めて一緒にやった時は試合かと思った」。練習から真剣に取り組む姿が、西脇の練習への意識を一新させるきっかけに。それだけではない。試合でもゴールを決めるだけでは満足しなくなる。より良い選択ができるよう、様々なビデオを見てプレーの質を上げるように心がけた。新たなスタートを切った西脇。高校2年次のインターハイでは、ほぼ全ての試合でゴール・アシストを記録。決勝でも流れをつかむ先制ゴールを決め、優勝に大きく貢献した。
常勝の復活へ
高校3年次にはU―20にも選出され、名実ともに日本を代表する選手へと成長した。大学は、主要3大会全てで最多優勝を誇る強豪・明大へ。西脇は1年生ながらエースナンバー〝10〟を背負う。「10番がいないのは明治じゃない」。そう言わしめるほど、この番号はこれまで名選手がつけてきた伝統あるもの。「自分への重圧を込めた」と自らあこがれの背番号に志願した。さらにはチームの看板・1セット目で春季大会に出場。4年ぶりの優勝を決めたものの、自身のプレーに満足はしていない。自らの持ち味であるスピードとポジショニング。加えて高校時代に培った貪欲さを武器にまい進し続ける。全ては、遠ざかりつつある三冠を達成し〝常勝明治〟を復活させるため。高い目標を見据える西脇の存在は、今後の明大に欠かせない。
[倉田泰]
◆西脇 颯(にしわき・はやて)文1、武修館高。自然や落ち着いた場所が好き。特にいとこが住んでいる足寄がお気に入り。176センチ・70キロ。
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