井坂佳亮 ストイックな走りで目指す箱根路

2022.10.08

 憧れの先輩の背中を追い、明大競走部の一員になった井坂佳亮(商1=水城)。長距離歴10年以上の安定感のある走りで、箱根駅伝出走を目標に掲げる。努力家な長距離ランナーは新天地でも高みを目指す。

 

陸上選手を志す

 親子マラソン優勝。井坂の選手人生は、そうした目覚ましい記録から始まった。中学校では陸上競技の傍ら、バスケ部に所属。多彩に活躍していたが、3年生の春、貧血により思うように走れなくなる。選手生命の危機を迎えるも「いい走りができたときの達成感やうれしさが忘れられず、やめようと思ったことはない」。家族やコーチの支えのかいもあり、その後の大会では自己ベストを更新。コーチの「思いは力」という言葉を体現したかのように、前向きな気持ちが回復をもたらした。それ以降「もっと陸上を頑張ろう」と力を入れて取り組むように。

 

立ちはだかる壁

 「茨城県で一番強い高校に行って、陸上をやりたい」。熱い思いを胸に、水城高校に入学。部の中核として活動するはずだった高校2年次、その矢先のことだった。新型コロナウイルスによる活動制限、インターハイや高校新人駅伝が相次いで中止に。「自分が敗因ではないのに走れないというのは、悔しかった」。しかし練習は怠らない。先の見えない状況でも「いつか大会があるから、今は頑張ろう」と走り続けた。その努力は実を結び、高校3年生で出場した記録会で5000メートルの自己ベストを15秒以上更新。コロナをものともせず、自分を磨き続けた故の記録だ。

 

憧れの箱根路へ

 中学生の時から慕う鈴木聖人(令4政経卒・現旭化成)を追い、明治大学に進学。高校生の頃からアドバイスをもらったり、大学の話を聞いたりと親交があった。「自分はレースで後半タイムが落ちてしまうことがあるが、鈴木さんは後半あまりタイムを落とさずに粘るので、そういうところを見習っていきたい」。

 大学4年間の目標は、箱根駅伝出走。上半期は昨年12月に中足骨を負傷した影響が残り、満足のいく走りが出来なかった。それでも残りシーズンは「走力をつけていって、自己ベストを更新していきたい」と、復帰に期待がかかる。「日によって何が起こるか分からない中で、精一杯自分が理想とする走りをするところが面白い」と長距離に魅せられた井坂。ストイックに挑戦を続け、チームへの貢献を誓う。

 

[石井遥]

 

◆井坂 佳亮(いさか・けいすけ)商1、水城高。小さい頃は自然の中で遊ぶような活発な子だった。176センチ・60キロ