
(15)シーズン直前インタビュー 樋口新葉
シーズン開幕目前。明大にはシニアデビューの選手がいるが、今季限りで引退という選手もいる。新たなシーズンの始まりを前に何を思うのか。一人一人の声をお届けする。
(このインタビューは9月23日に行われたものです)
第10回は樋口新葉(商4=開智日本橋学園)のインタビューです。
――最近の調子はいかがですか。
「メンタル面でもそうですし、技術的にもあまり戻ってきている感じがないなというのが正直な感想です。それでもできるところまでやりたいなという感じで頑張っています」
――ロンバルディア杯を振り返っていかがですか。
「復帰戦だったのでなかなかうまくはいかないだろうなというのを自分で理解しつつ、どこまで試合の感覚や気持ちを戻せているのかなというのを確認するための試合だったので、とりあえず出ることができてよかったなというのはあります」
――昨シーズンを振り返っていかがですか。
「最終戦の世界選手権は少しケガの影響もあって全然自分としては納得のいく結果ではなかったのですが、一番の目標だった五輪に出るという目標を達成することができました。グランプリシリーズでも表彰台に乗ることができましたし、シーズンベストも更新できましたし、全体的にすごくいいシーズンだったなと思います。たくさんの目標を達成することができたシーズンだったと思います」
――北京冬季五輪に出てよかったことはありますか。
「その時はすごく気持ちが高ぶっていましたし、また五輪に出たいなという気持ちになることができたり、3週間の中でこういう場所で自分がすごく成長できたりしたことがすごく大きいです。自分の今後の人生において、こういうことがあったからまた頑張ろうと思うきっかけになるのではないかなという風には思います」
――明大の合宿に参加していましたね。
「いつも自分の個人の合宿とかぶってしまっていたので、全然参加できていなくて今回が初めての合宿でした。最初で最後ということもあり、すごく楽しみにしていました。試合が近くて自分の練習をコーチと一緒にしなければいけなかったので途中までにはなってしまったのですが、今まで自分たちが4年間で築き上げてきたものだったり、これから後輩たちに受け継いでいかないといけないものだったりということを確認しました。これから部としてどういう風にしていきたいかということも考えるきっかけになったと思います」
――4年生の方とお話しできましたか。
「はい、かなり4年生と話しました」
――後輩とも話せましたか。
「特に堀見華那ちゃん(商2=愛知みずほ大瑞穂)とは学部も一緒ですし、たまに練習も一緒にするので、すごく仲良くしてもらっていて(笑)。友達のような感覚ですごく一緒に過ごす時間が増えました」
――あと半年で大学生活が終わりますが卒業するまでにやっておきたいことはありますか。
「もっと学校の子たちと触れ合ってどこかに行ったり、ご飯に行ったりなど友達と一緒に過ごす時間というのを大切にしたいなと思います。みんなそれぞれの道で違う場所に散らばっていくのでなかなか集まる機会も少なくなってしまうでしょうし、そういう部分というのは自分がすごく大事にしてきたところなので、自分が1年生の時に気付いた部分や仲間と言いますか、自分のことを理解してくれる友達のことを本当に大事にしていきたいなと思います」
――大学4年間で変わったことはありますか。
「高校までずっとスケートしかしてこなくて友達もスケートの子が多かったのですが、大学に入っていろいろな分野の人たちに出会って、いろいろな考え方の人たちに出会って本当にすごく自分の考え方や視野が広がりました。自分のスケートにそういったいろいろな考え方の違いや、こういう考え方があるんだなということをスケートに生かすことができました。そのおかげで自分の悩みなどもあまり考え過ぎずに解決していくことができたのかなと思っています」
――明大に入ってよかったと思うときはありますか。
「本当に友達に恵まれたなと感じています。先生方もそうですが、すごく一生懸命教えてくださる先生や自分にアドバイスをくださる方がたくさんいます。本当に皆さん親切で、友達もすごくみんな真っすぐな子たちばかりですごくたくさんいいところがある人たちに恵まれたなと思うので、そういう部分が本当に明治に入ってよかったなって思います。部活動のレベルの高さというのは本当に感じました」
――今シーズンのSP(ショートプログラム)『Never Tear Us Appart』について教えてください。
「前からずっとストックしていた曲で滑りたいなと思っていた曲でした。ですが、自分の気持ちだったり表現力だったりレベルが追い付いてない部分があったのでなかなか使えていなくて、ようやく今シーズン一区切りしてまた新しいシーズンとなった時にこれを使いたいなと思っていました。新しい自分の表現の部分を出せたらいいなと思っています。割と複雑な物語ではあるのですが、自分の複雑な部分だったり人生的にもそういったことを織り交ぜながら滑っていけたらいいのかなという風に感じています」
――衣装のこだわりはありますか。
「縛られる感じというか苦しい感じを表現するのに黒と金を使いました。強さを出したかったので黒を使ったり、ゴールドで縛られているのを表現したりだとか少しかっこいいイメージで衣装を作ってもらいました」
――今シーズンのFS(フリースケーティング)『トーク・トゥ・ハー』について教えてください。
「構成的にはまだトリプルアクセル入れることができるかどうかという感じなのですが、徐々に自分のレベルを上げていけたらいいなと思っています。FSの曲もすごく難しい物語の曲なので、自分の感情が解放されるというようなイメージの部分を最終的には表現できたらいいなと思っています。もがき苦しんだ中に最終的に解放されて自分がどういう風になっていくかみたいなのを表現したいなと思います」
――メイクのこだわりはありますか。
「強いだけでなくて少し柔らかい部分だったり、悲しさだったりという少しはかない部分を出していけたらいいなと思います」
――今シーズンの目標を教えてください。
「一番大きい目標としているのは全日本選手権で優勝することなのですが、まだまだその目標を達成するためにすごく小さなことから始めなければいけないなとは思っています。まず、ジャンプやメンタル面を戻していけたらいいなと思います」
――応援してくださっている方へのメッセージをお願いします。
「秋で大学でスケートをするのは最後になってしまいますが、大学で関係のある方でもない方でもたくさんの方に応援していただいてすごく充実した生活が送ることができてここまでくることができました。これからも頑張りたいなという気持ちはまだあるので、何とか自分と戦っていきたいなと思います。また応援よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[堀純菜]
(写真は本人提供)
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