(13)シーズン直前インタビュー 松井努夢

 シーズン開幕目前。明大にはシニアデビューの選手がいるが、今季限りで引退という選手もいる。新たなシーズンの始まりを前に何を思うのか。一人一人の声をお届けする。

(このインタビューは9月21日に行われたものです)

 

第8回は松井努夢(政経3=関西)のインタビューです。

 

――最近の調子はいかがですか。

 「最近は、シングルでもアイスダンスでも割と調子が良いです。試合でどうかは分かりませんが、練習の調子は最近ずっと良いので、試合をするのが少し楽しみです」

 

――最近ハマっていることはありますか。

 「ミニオンが好きで、ミニオンのグッズを集めています。それと、少し前にディズニーランドで美女と野獣のアトラクションに乗ったら感動して号泣してしまいました。その日に美女と野獣のポップコーンのケースを買いました(笑)。帰ってすぐに映画を観て、家の一角に美女と野獣のコーナーを作りました。ミニオンのコーナーもぬいぐるみなどが一応ドーンとあります」

 

――夏は結構練習しましたか。

 「アイスダンスを今シーズンからやることになって、練習の量も倍近く増えて滑る時間が長くなったので、アイスダンスのおかげでシングルも調子が上がっているなと思います。スケーティングはアイスダンスでの滑り込みでシングルに生かされていると感じます」

 

――夏合宿はいかがでしたか。

 「明大の合宿の時は急に、なぜか調子が落ちてしまって。でも合宿中にトレーナーさんにはりを打ってもらったら調子が戻って、まずまずという感じでした。久しぶりに同じ大学の人と集まれてモチベーションが上がったし、明治男子と集まれたからいいモチベーションで練習できました」

 

――昨シーズンを振り返っていかがですか。

 「昨シーズンは、全く駄目だったと思います。今調子が上がっているからこそ思うのが、昨年度ももっと追い込んでいればもっと良い結果だっただろうなという後悔、もっと頑張れただろうなということです。今の調子を落とさず、昨年度とは違って、全試合で良い結果を残したいし、今年度の日本学生氷上選手権は東京選手権など全試合の順位でメンバーが決まります。だからどの試合も少しでも明治男子の中で上にいけるようにと思っています。一つ一つの試合が重要になってくるので、今年度こそは良い成績を残せるかなと思っています。アイスダンスのおかげでシングルでは絶対使わないような筋力も鍛えるので、滑りもさらに安定しているかなと思います。動画を撮って見てみても、前より安定しているなと。前は見ていてハラハラするような不安定な滑りだったなと思います」

 

――筋トレは特にどこを鍛えているのですか。

 「腕、体幹など全てです。全ての筋力を上げないとアイスダンスはしんどいので。筋力を上げて脂肪を落として、と体に気を遣わないと女の子をケガさせてしまうので、しっかり筋トレをして支えられるように練習しています。パートナーともコミュニケーションをうまく取りながら、アイスダンスを楽しみながら練習できているので、順調です」

 

――今シーズンのプログラムについて教えてください。

 「SP(ショートプログラム)は韓ドラの『Mine』の主題歌の『This is mine』という曲です。ボーカル入りなのですが、それは自分がドラマを見た時に良いなと思って使うことになりました。FS(フリースケーティング)は『ファンタスティック・ビースト2』の曲です。『ハリー・ポッター』がとても好きで、ジュニアの時も『ハリー・ポッター』の曲で踊ったことがあるくらいです。その時はなかった『ファンタスティック・ビースト』はもともとの『ハリー・ポッター』のメロディーが少し進化している感じの曲でかっこいいので久しぶりに使いたくなりました。それは振付の先生も気に入ってくれて、決まりました。アイスダンスはFD(フリーダンス)が『レミゼラブル』で、RD(リズムダンス)は、曲のことでもめてしまってまだ振り付けもできていない状態です。アイスダンスの予選会が1か月後にあるのですがまだ完成していないという緊急事態です。リズムダンスは特に最初から激しいテンポだと疲れてしまうので強弱を付けるように2曲組み合わせることは決まっています」

 

――どんな衣装ですか。

 「アイスダンスの方はまだできていなくて、シングルは一応作ってもらっています。つい昨日衣装合わせをしました。SPは、グレーの少し韓国っぽい衣装です。FSは黒の魔法使いという感じのものになっています(笑)」

 

――今シーズンのテーマはありますか。

 「強気で行くことです。やはりやった分しか結果は出ないと思うようになりました。今シーズンはそれなりにシングルもアイスダンスも集中して練習しているし、アイスダンスも楽しんでやっているので、試合で焦ったところでどうしようもない、『やったことはやったんだし』と強気で試合に臨もうかなと思っています。それで失敗してもそれはそれだし、受け身にならず挑みたいです。練習の調子と気分だけはうまくいく予感がするので、ポジティブにいきます」

 

――目標に向けて頑張っていることはありますか。

 「練習、練習、練習です。アイスダンスでも筋力がまだまだ足りないのでジムに通っています。またアイスダンスのRDがラテン系なので、ラテン風の動きができるように専門の先生にレッスンしてもらっています。明治神宮のリンクだけでは練習量が足りないので、野辺山や軽井沢、千葉などいろいろなところに空いた時間で練習しに行っています。アイスダンスの練習をする環境があまりないので大変です。遠いところに行かないと練習できるところが少ないので。そもそもアイスダンスを教える先生も少ないし、アイスダンスの人口も少ないので、仕方ないのかなと思います。自分もアイスダンスを始めるまでは関係ないことでしたが、やり始めてからはアイスダンスとシングルでこんなに扱いが違うのかと実感したので、アイスダンスがもっと普及してほしいなと思います」

 

――今年度は1年生も実力者がそろっていますが、今シーズンの目標を教えてください。

 「合宿の時も一緒に練習しましたが、もうすごいなという感じでした。駿(佐藤駿・政経1=埼玉栄)は4回転ルッツなども余裕で跳んでいるし、天と地の差だなと感じました。勝てないと分かっていますが、自分の中で今シーズンの目標は、昨シーズンの自分より良い演技ができたら良いなと思っています。昨シーズンの自分に勝ちたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[新村百華]