(9)シーズン直前インタビュー 堀見華那

 シーズン開幕目前。明大にはシニアデビューの選手がいるが、今季限りで引退という選手もいる。新たなシーズンの始まりを前に何を思うのか。一人一人の声をお届けする。

(このインタビューは9月14日に行われたものです)

 

第4回は堀見華那(商2=愛知みずほ大瑞穂)のインタビューです。

 

――最近の調子はいかがですか。

 「どちらかと言うとあまり良くないです。足が痛いのもあり、あまりうまく練習ができていません」

 

――昨シーズンを振り返っていかがですか。

 「昨シーズンはシーズンを通して良くなっていくというわけではありませんでした。東日本選手権(以下、東日本)までしか出られなかったのですが、東日本でもあまりいい演技ができなかったです。その後に国民体育大会の予選もありましたが、その試合でもあまりいい演技ができませんでした。ずっとケガなどをしないでやっていかないといけないなということを思いました」

 

――昨シーズンの収穫はありますか。

 「自信を持って試合に挑めるように練習をするということを学びました。練習でできないことは試合でもできないので、毎回練習も試合のような気持ちでやるということを先生に言われました。その成果が出て試合で自信を持って演技することができて、全部とはいかなかったですが、(練習で)うまくいっているジャンプは上手にできたと思います」

 

――先生や環境の変化は大きいですか。

 「大きかったです。試合がすごいやりやすくなりました。これまでは失敗しては駄目だとか自分にかなりプレッシャーをかけることが多かったのですが、その感じがあまりなくなりました。とりあえず楽しんで演技することや、試合では考え過ぎないようにいつもやっていることをやればできるというふうに思うことが大事だよということを先生に言われました」

 

――夏休みはどのように過ごしましたか。

 「夏休みは、練習して合宿に行ったり試合したりもしたのですが、昨年度よりはたくさん遊びました。友達やスケートの子たちと遊びに行ったり実家に帰ったりもしてすごく充実し過ぎてあっという間に終わりました(笑)」

 

――明大の合宿はいかがでしたか。

 「とても楽しかったです。毎回明治のみんなと練習できるわけではないので。今年度から月に一回部練があるのですが、その部練も学校があって行けないこともあって全員が集まるわけではないです。今年の1年生はとてもすごい子が入ってきて、先輩もうまいですし、後輩の子もうまいから、たくさん学んで良いところを盗もうと思っていい刺激になりました。すごいみんなの中で練習をさせてもらえて、ありがたいなというのも思ったし負けてられないなとも思いました」

 

――今シーズンのSP(ショートプログラム)の曲名を教えてください。

 「『The Lady Is a Tramp』という曲です。昨シーズンのSPがゆっくりとは違いますがそういう感じの曲で、今シーズンは元気な曲がやりたいなと思っていました。車に乗っている時にBGMでこの曲が流れてていい曲だなと思って選びました」

 

――演技構成を教えてください。

 「跳ぶジャンプは昨年度と変わってないのですが、最後にいつもダブルアクセルを跳んでいたのを今年度はトリプルトーループにして、少し点数が上がるようにしました」

 

――スピンはいかがですか。

 「スピンは全部変わりました。今年度新しく右回りを始めました。(向きが違うと大変ですか)大変です。最初は右回りに慣れてないので目が回りました。いつも左回りばかりをやっているので左回りは慣れて目が回らないのですが、右回りは最初はすごく目が回りました。プログラムに入れた時に、右回りをやった後の振り付けが全然焦点が合わなくて転んだりそういうところは少し苦労しました」

 

――注目してほしいところはありますか。

 「最後のステップです。見ている方も楽しんで見てもらえるようなプログラムだと思うので、最後のステップで曲の合わせるところは合わせるというメリハリのようなものを見てほしいなと思います」

 

――プログラムを練習する中で苦労している部分はありますか。

 「曲が速いので速く動くことです。速くするところは速くして待つところは待つというような部分があるとすごくプログラムとして見応えがあるし、曲にも合うと思うのですが、それができてないよといつも言われます。自分ではとても速く動いているつもりでも、ビデオを見ると全然曲に合ってないなというところも多いので、たくさん曲をかけて、ステップなどの部分で曲に合わせて体が動いてくれるように今練習しています」

 

――SPの衣装について教えてください。

 「黒を初めて着るんです。黒に少しキラキラした感じで上半身のところにフリンジがついているのですが、大人っぽい感じで今年はやりたいなと思って黒にしました。(自分で決めましたか}そうですね、いろいろ探して参考にしながらこういう形がいいとか、長袖じゃなくてノースリーブがいいとか少し考えました。フリンジもどうかなと思って衣装の人に話しました。デザインとかはセンスがあまりないのでイメージの写真などを送ってデザインを決めてもらいました」

 

――FS(フリースケーティング)は昨シーズンからの継続ですね。

 「あまりノーミスの演技ができてないし、まだ変えるには自分の満足いく演技までできていなかったので(継続です)。あと昨シーズンはSPを継続で2年使っていて、FSは1年目だったので変えるならSPかなと思い、FSはそのままにしました。(演技構成もそのままですか}基本そのままですが、スピンだけ変えました。スピンは昨シーズンのままだとレベルが取れないので、今シーズンのルールでレベルが取れるように右回りを入れました」

 

――SPの仕上がり具合はいかがですか。

 「SPはこの間の夏の試合よりはよくなっています。ステップもそうですし、ジャンプは夏の時は最後がループだったのですが、最後にループを跳ぶのはかなりリスクがあるので昨シーズンと同じように最初にループを跳ぼうとなりました。最初に跳んだ方が疲れていないし、跳びやすいということでそこに変えたら良くなりました。あと右回りの成功する確率も高くなってきて、仕上がりで言うと70パーセントぐらいです」

 

――FSはいかがですか。

 「夏までの間に少し体力が落ちていたのですが、夏の試合が終わってからこれはやばいなと思ってしっかりと本腰を入れてそこから練習しているので、体力面は少し持つようになっています。FSの(完成度)は60パーセントぐらいです。ジャンプも足が痛いというのが一番の難点で、練習したいのに足が痛いというのがとてももどかしいです。できるジャンプを入れて、できるだけ途中で止めないで全部全力で最後まで通すというのが一番体力が付くので、難しいジャンプを入れなくても、他の振りのところは全部全力で踊るというのを意識しています。その時にやれることを一生懸命やるという練習をしています」

 

――シーズン開幕を前にした気持ちはいかがですか。

 「少し焦りが多いです。やはり足が痛いというのもあるし、ジャンプが跳べるときは跳べるのですが、全然跳べなくなってしまうなど波がすごく激しくなっているので、うまく試合の時にいい状態に持っていけるようにあと2週間でなんとかしようという感じです。もうこれ以上足が痛くならないように気を付けながら調子も上げていかないといけないので焦っている部分があります。東京選手権ではすごく難しいジャンプを跳ぶというより確実に跳べるジャンプでミスを極限まで減らせば点数が出るというか、東日本には行けるかなと思うので、今自分ができることを100パーセントやれるようにするという感じです」

 

――今シーズンの目標を教えてください。

 「とにかく試合でノーミスを常に目指すことが目標です。全日本選手権にいく人はいつも試合でミスがないイメージがあります。私はすごく難しいジャンプを入れているわけではないのでそれでミスをしてしまうと点数が低くなってしまうので、きれいに滑ってこなす、ノーミスの演技を毎試合するということが目標です」

 

――応援してくださっている方へのメッセージをお願いします。

 「いつも応援していただきありがとうございます。今シーズンは昨シーズンの反省点を生かして昨年度よりも成長した姿をお見せしたいです。スケーティングの面は特に先生にたくさん教えてもらって、たくさん練習しているのでそういう表現の部分で成長した姿を見せられるように頑張るので今シーズンも応援よろしくお願いします」

 

――ありがとうございました。

 

[堀純菜]