
(79)日本インカレ事後インタビュー⑤/野口航平
9月9日から11日にわたって開催された日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)。大学最高峰の舞台に明大からは14人が出場し、4人が入賞を収めるなど活躍が光った。ここでは今大会を戦い抜いた選手たちのコメントをお届けする。
第5回は野口航平(商4=洛南)のインタビューです。(この取材は9月10日に行われたものです)
野口
男子400メートル予選3組 DQ
男子4×400メートルR予選6組2着 3分12秒93
――4×400メートルRの自分の走りを振り返ってみていかがですか。
「自分自身の走りとしては良かったのかなとは思います。うまいことバトンパスで前に出られて1着でバトンを渡して、真名世(小林・政経2=八王子)が走り出す時に『全国でもこうやって明治が組のトップで争うことができたな。改めて力がやっと付いてきたな』と実感しました。自分の走りはもうあれ以上のことはできないですし、出し切れたかなという気はします」
――自分のところで1着で渡そうというのはもともと考えていましたか。
「関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)の時は1位集団から離れたところで渡してしまって、真名世を1人で走らせてしまいました。今回は最低でも1位集団で渡そう、少し遅れてきたとしても集団の中でいられるようにと思いました。それでラスト100メートルの時に前を抜けるなと思って、速いに越したことはないので集団を考えずに頑張った形です」
――チームのタイムはいかがですか。
「3走の時点で3分10秒は切れる力はあるなと思っていて、今回は自分の中でも流れに乗ったら3分10秒台もあるなという計算がありました。そこができなかったのは僕の練習メニューの組み立て方が駄目だったのかなと思うので、そこは反省だなと思います。ただ来年度は(3分)9秒台ももう出せそうですし、その次から予選も通過して決勝もいけるチームになってくるのかなと思います。今回は今回、ではなくて今回の経験をしっかりと次につなげてほしいなと思います」
――後輩たちの走りを見てどう感じましたか。
「みんな頼もしくなったなと思います。関東インカレの時は僕のところでどうにかしないと駄目だなと思い、どうしてもリスクを負ったり、始めはキャパオーバーした飛ばし方をして最後は足が残らなかったりすることがありました。(今回は)安心して自分の走りに集中できたのは、みんなが関東インカレで悔しい思いをして頑張ってくれたおかげだなと思うので純粋に楽しかったです」
――400メートルは振り返っていかがですか。
「全然へこんでなく気を使わせているなと思いますが、自分としても同情してほしいなとかは思っていません。もう現状を受け止めるしかないなと思っていて、でも大会はまだ続くし、この状況でマイルにこの勢いを持ち込んでは駄目だと思って。落ち込むのも喜ぶのも一回終わってからにしようと思いました。悔しい思いをしているチームメートも絶対にいるだろうし、それは切り替えられたかなと思っています」
――4×400メートルRはこれで最後になりますか。
「4×400メートルRはこれで終わりです。本当は3分10秒フラットで走ると日本選手権リレーに参加することができて、それを自分なりに狙っていました。それがかなわなかったのは正直全部僕のせいだと思います。ずっと僕が引っ張ってきたので。そこは言われても仕方のないことだし、受け止めないとチームとしても前に進めないと思います。来年は来年、今年は今年で考えていたら駄目だと思います。今年の良かった点も悪かった点も来年につなげないと絶対に駄目だなと、そこはしっかりと後輩に伝えたいです」
――最後の日本インカレが終わってみて今の気持ちはいかがですか。
「僕は正直、昨年日本インカレが終わって気持ちがとても沈んでいて、自分は就職せずに陸上をもう少し続けようという気持ちになりました。大学院に行くというのもあったのですが、自分は明治大学に入って日の丸を背負いたいとずっと思っていました。それはかないませんでしたが、このままでは終われないと自分の中でずっと思っていて、今年度は振り切ってずっと臨んできました。だからこそ関東インカレで準備期間が少ない中でも自分なりに納得のいく結果を残せました。今回も結果を出そうと自分の中でプランを立てていましたが、こうなってしまったので仕方ないと思います。インカレには縁がなかったなと正直思いますが、後輩たちには、『たられば』やああすれば良かった、こうすれば良かったではなくて全部やってほしいなと思います。環境やいろいろなことに高校と違ってみんな苦労すると思います。でも僕はこの4年間で行動することによって自分の納得する形になったし、チームも一つの丸になることができました。それは自分の中で良かったと思うので、本当に後輩たちにはただただ頑張れと言いたいです。僕もこれからずっと明治を拠点に練習をしていくので、後輩たちには干渉はしないですが、引っ張っていけたら良いなと思っています」
――事前取材で明大に入って良かったと思える大会にしたいと話されていました。そう思えましたか。
「思いました。1、2年の頃はあそこの大学行ったらどうなっていたのだろうとかいろいろ考えたりしました。でもそのおかげでいろいろな高校とか行きましたし、それでいろいろ発見できたので良かったなと思います。フライングした前日に憲伸(鈴木・営4=明大中野八王子)と枚也(小林・法4=八王子)と僕の3人で1時間くらい話すことがありました。その時にずっとこの4年間を振り返って話して、このチームに本当に来て良かった、明治を選んで良かったなと思っています。新しい自分を見つけられたし、弱いところも知れたし、自分が動けば世界が変わるのだなというのも自分の中で分かったのでそれは良かったです。今後の人生に向けては良かったと思います」
――ありがとうございました。
[出口千乃]
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