(76)日本インカレ事後インタビュー②/鈴木憲伸

2022.09.13

 9月9日から11日にわたって開催された日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)。大学最高峰の舞台に明大からは14人が出場し、4人が入賞を収めるなど活躍が光った。ここでは今大会を戦い抜いた選手たちのコメントをお届けする。

 

 第2回は鈴木憲伸(営4=明大中野八王子)のインタビューです。

 

鈴木憲

男子三段跳び決勝4位 16メートル07

――6本の試技を終えて、今の気持ちをお聞かせください。

 「一言で表すならすごくいい試合だったなと思っています」

 

――事前取材の際、意気込みとして「全力」と書かれていました。

 「それは言葉通りに全力で跳躍できました。全力で試合に臨めて全力で楽しめて、本当に全国の試合で最高の試合になりました」

 

――目標としていた16メートルを超えたことに関してはいかがですか。

 「16メートルを超えたのは素直にうれしいです。今でも自分が16メートルを跳んだのかなという気持ちがあるのですが、確かに跳んだのでうれしい、その一言です」

 

――大学生のうちに16メートルを跳びたいと話していました。

 「言葉にこそしなかったものの16メートルというのはすごく高い記録で、自分なんかが目指せる記録なのか、なんて最初は思っていました。それでもこの4年間で着実に記録を積み重ねていく中で、狙える位置に来ました。日本インカレという舞台で狙いたいという気持ちが出た中で、ぴったり出たのでうれしいです」

 

――4位という順位についてはいかがですか。

 「4位は本当に悔しいです。めちゃくちゃ悔しいです。やはり事前取材でも話したように表彰台、3位以内を狙っていましたのでそれはもう悔しさが大きいです」

 

――1本目の試技についてお聞かせください。

 「今回も関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)と同じように、1本目でしっかり記録を残すことで精神的な余裕を生むというのが目的でした。1本目はしっかりと記録を残しにいって15メートル53を跳んだので、それは一つ今回16メートルを跳ぶきっかけになったと思います」

 

――2本目はファール、3本目を跳ぶ前は全体9位でした。

 「正直、3回目で自分が9位だと知らなくて今初めて知りました(笑)。でも何となく15メートル60くらいがボーダーだよとは聞いていました。ただどちらにせよ3本目で15メートル60、何としても8位以内に食い込む、そういうレベルで考えていると表彰台には上れないと考えていました。なのでここでしっかり16メートルを狙っていこうという気持ちで、手拍子を求めて15メートル93を跳べたという感じです。かなり集中はしていました」

 

――3本目で自己ベストと明大新記録を出しました。手応えはいかがでしたか。

 「跳んでみたときの手応えとしてはまだまだ絶対にいける、16メートルは今日なら絶対に跳べると思いました。ここから上げていくぞという気持ちでした」

 

――昨年度の日本インカレでは4本目以降に進めませんでした。そこからの成長は感じられますか。

 「昨年度も資格記録は15メートル80で臨んでいたので、上位8人に残れるだけの記録は持っていました。ですが勝負強さや自信が足りなかったので、そこで勝ち切る自信、そういった実力を身に付けるために1年間頑張ってきました。関東インカレ2位でしたけど、15メートル90を出せた、明大新を出せたということが自信になったので、今回は3本目でも全然物おじせずに跳べました」

 

――今年度は関東インカレ後、ケガで練習できない期間もありましたが、今回結果を残しました。

「ケガをしていて練習できない期間がすごく長かったです。その間にライバルたちがどんどんいい記録を出していて、このまま日本インカレ勝てるのかという気持ちや弱気なところが最初はありました。ですがそれは自分が跳ぶために不必要なもの、マイナスにしかならないので、しっかりとケガの状態を見て、勝つためにはどういった練習をしたらいいのか、それをしっかり考えて実践できました。調子こそ良くなかったものの、できる範囲で、できる限りのことをやってきたことが今回の記録につながったかなと思います」

 

――最後の日本インカレを終えていかがですか。

 「早いなと思います(笑)。去年、今年と2回しか出ていないのですが、もう最後の日本インカレが終わっちゃったのかという感じです。本当にあっという間で早いです。さっきは表彰台に乗れなくてすごく悔しいって言いましたけど、ここまでやれることを全部やってきて16メートルを跳べたので、日本インカレに未練はないです。ここでしっかりやり切れたので次に進めるかなと思います」

 

――卒業後も競技は続けられますか。

 「少し迷っています(笑)。来年も日本選手権に出られるのでそこまでは続けようと思っていました。また今回16メートル跳んだことによって、さらに競技を続けたい、まだまだ跳べるという気持ちがあります。それはもうやるしかないというかやりたいです、やります。実業団とかに入るとかそういうことではないのですが、できる範囲でやっていこうかなと思います」

 

――今回の大会を通して、次戦の国民体育大会やそれ以降の競技に生かしたい部分はありますか。

 「ここでやっと調子を取り戻したと思っています。今まではマイナスをいかにゼロにするかというところを焦点に取り組んでいました。次はさらに自分の伸ばしたいところを見つけていって、自分の良さを尖らせた跳躍がしたいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[出口千乃]