
(38)Roots〜〝今〟をつくる人、モノ〜大賀宗志編
主将、副将のルーツを探る本企画。普段はチームのことや試合のことなどについて伺う機会が多いが、一体彼らの〝今〟はどう形成されていったのか。それを探るべく、今まで影響を受けた人やモノについてお話を伺った。
第3回は大賀宗志(営4=報徳学園)のインタビューをお送りします。(この取材は8月16日に電話で行いました)
――大賀選手が今までで一番影響を受けた人、モノを教えてください。
「昨年度副将を務めていた、大石(康太・令4営卒・現富士フイルムビジネスイノベーショングリーンエルクス)さんです」
――大石さんと仲良くなったきっかけを教えてください。
「1年生の時から、どうしてかは分からないですがよく話しかけてくれていました。そして3年になって部屋が一緒になって、より仲良くなった感じですね」
――大石さんの第一印象を教えてください。
「久我山のキャプテンだったので超真面目なのかなと思っていました。久我山は真面目な人が多いというイメージがあるので。関西からしたら標準語のチームは真面目というイメージです(笑)」
――同部屋での思い出を教えてください。
「一緒の部屋の時もコロナがあったので、遊びに行ったりはなかなかできなかったんですけどその代わりに部屋でずっと一緒だったので、毎日ゲームをしたり韓ドラを見ていました。全ての瞬間が思い出ですね」
――大石さんの一番印象に残っている言動を教えてください。
「昨年度の全国大学選手権(以下、選手権)・準々決勝の早稲田戦の試合前のロッカールームです。大石さんは基本冷静なタイプで、気合いで行くぞというよりはしっかり分析する感じでした。でも早稲田戦の前だけは涙を流していて、それを見て自分も試合前に泣いてしまいました。いつもそんなことしない大石さんがとても泣いていて。それはグッと来ましたね」
――その時大石さんはどのような言葉を掛けていたのですか。
「大石さんっていつも試合前みんなを落ち着かせてくれるんです。『大きな試合だけど、みんなでやることをしっかりやろう』みたいな。でもその時は何を言ってるか分からないくらいに泣いていて。それを見て自分も泣いてしまっていたので何を言っていたか覚えていないんです(笑)」
――近くにいた後輩として、大石さんはどのように映っていましたか。
「ラグビーに対する姿勢がすごいなとずっと思っていました。本当に四六時中ラグビーのことを考えています。私生活の部分も、普通に生活しているのではなくてみんなから信頼されるような生活をしていました。あとは人をまとめるのが上手いなと思っていました。大石さんが言っていることはすっと入ってくるので、自然と周りの人がまとまっていました。BK含めても大石さんが全体で喋るということも多かったです」
――大賀選手が副将に決まった時連絡はありましたか。
「ありました。結構驚いていました。驚いていましたけど、『行けるっしょ。何かあれば聞いてね』みたいな感じで言ってくれました」
――大賀選手にとって大石さんはどのような存在ですか。
「目標にしている人物です。昨年はまさか自分が副将をやるとは思っていなかったですが、副将の仕事をする大石さんを目の前で見ていました。それでもそんなにしんどそうな感じは出していなかったので、本当にすごかったんだなと今改めて感じていて。自分ももっとチームを良くするために大石さんから学ぶことは多いなと思います」
――大石さんに今伝えたいことはありますか。
「今副将頑張っています。副将としてはまだまだですが、これからもっとチームに貢献して去年のチームを越えられるように頑張りますと伝えたいです。あと、コロナが落ち着いて行けるようになったら飲みに連れて行って欲しいですね(笑)」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆大賀 宗志(おおが・そうし)営4、報徳学園高、179センチ・106キロ
昨年度の選手権・早大戦後の部屋で、大石さんはとても喜んでいたそう。「『次の試合!』と言っている割にはずっと早稲田戦の動画を見ていました。そういう可愛いところがあるんです(笑)」
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