
(36)Roots〜〝今〟をつくる人、モノ〜 石田吉平主将編
主将、副将のルーツを探る本企画。普段はチームのことや試合のことなどについて伺う機会が多いが、一体彼らの〝今〟はどう形成されていったのか。それを探るべく、今まで影響を受けた人やモノについてお話を伺った。
第1回は石田吉平主将(文4=常翔学園)のインタビューをお送りします。(この取材は8月18日に電話で行いました)
――今まで特に影響を受けたと思う人、モノを三つ教えてください。
「僕は高校の監督の野上(友一・常翔学園)先生と本田圭佑選手と漫画ナルトのロックリーです」
――野上先生を選ばれた理由を教えてください。
「僕のラグビー選手としての幅を広げてくれた人だと思います。僕はずっとラグビーをやってきたのですが、ポジションもFWだけしかやってこなくて、高校で初めてBKをやらせてもらいました。あとは、ラグビーに対する考え方や、今は古いと言われていますが根性の部分を鍛えてもらったので、そういうところが今に生きているなと思っています」
――根性の部分というのは具体的にどういうことですか。
「相手にどれだけ勝つ気持ちでいけるか、きついときにどれだけ自分を奮い立たせられるのか、そういうラグビー以前の気持ちのところです。常翔はクリーンゲーム、ベストゲーム、協心というのが(スローガンとして)あるのですが、クリーンゲームというのはいかに毎試合クリーンに、反則しないでするのか、ベストゲームは常にベストを尽くすということ、協心というのは心を合わせて頑張る、そういうところを学ばしてもらった場所かなと感じています」
――出会った頃の第一印象はいかがでしたか。
「めちゃめちゃ怖かったですね(笑)。僕が高校に入る時、推薦とかではなくて自分で行きたいと思って入学したので、初めはいかにこの人に見てもらうかと思って頑張っていました。なので、この人に認めてもらえるように頑張ろうというのが一番始めに思ったことですかね」
――やはり野上先生と出会う前と後で変わったと感じますか。
「そうですね。僕自身(高校入学するまで)強いところでラグビーをやってきたわけではないので、そこで初めて全国区のチームでラグビーをやらせてもらうことになりました。ラグビー選手になろうと思うきっかけができた場所でもあるので、だいぶ会う前と後では変わったと思います」
――高校3年次には男子セブンズの日本代表に選ばれましたが、野上先生から何か声を掛けられましたか。
「そんな褒められることでもないので、頑張ってこいぐらいだったと思います。でも、褒められることがあまりなかったので、それだけでもすごくうれしかったです。卒業式に出られなかったことだけが少し心残りですかね。感謝している部分が多いです」
――本田圭佑選手を選ばれた理由を教えてください。
「僕はずっとラグビーをやっていたのですが、お父さんがサッカーをやっていたので、その影響でサッカーが好きでした。その中で僕らの小さい頃からのスーパースターで、あの性格に憧れてまねをしていました」
――具体的にどういう部分をまねしていたのですか。
「ビックマウスというか、有言実行、不言実行でやり続けるところですね。自分の目標に向かって頑張る姿とか、そういうところは自分がスポーツをやる上でとても参考にした部分かなと思います。サッカーノートとか、僕だったらラグビーノートというのがあるのですが、それを始めたきっかけというのも本田選手にあこがれて始めたりとか、そういうのが多いですね。なので、自分の基盤になった一つの理由の選手かなと思います」
――いつから本田選手に憧れを抱いたのですか。
「2010年ぐらいのワールドカップぐらいだったと思います。僕らが小学校の時のワールドカップで夜中まで見ることができて、その前ぐらいから好きだったのですが、そこで一気にめちゃくちゃファンになりましたね。あんなビックマウスにはなれないですけど、参考にしている部分はありますね」
――ロックリーを選ばれた理由を教えてください。
「真面目で頑張る姿ですね。ナルト自体、自分の幼少期の楽しみでずっと好きでした。ひたすらに頑張り続ける漫画が好きなので、自分も影響を受けやすくて、影響を受けた一つの漫画かなと思います。めちゃめちゃ真面目で頑張りやで、そういうところに影響を受けたかなと思います。」
――主人公のナルトではなく、ロックリーを選ばれたのはどうしてですか。
「ロックリーはチャクラがないんです。欠けている部分を言い訳にしないで、頑張って(ナルトたちと)同じぐらい強くなるところが感動しますよね(笑)。トレーニングをしていて一番きついときは正直、あと少しとしか考えてないのですが、もう少しで過去になるから頑張ろう、後で後悔しないように頑張ろうと思っています。でも、強がっていますね(笑)。でもそういうところも全部影響を受けているのかなと思います」
――ありがとうございました。
[安室帆海]
◆石田 吉平(いしだ・きっぺい)文4、常翔学園高、167センチ・75キロ
夏合宿では3年生チームと4年生チームでバスケをしたそう。「どっちも下手くそでしたが、4年生が下手すぎたので3年生に完敗しました(笑)」。ちなみに、4年生チームが決めた14得点中12点は吉沢拓海(政経4=熊谷工)が決めた。
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