(43)関東インカレ事後インタビュー②/園原健弘総合監督

2022.05.25

 3年ぶりに1部で迎えた関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)。短距離、長距離、競歩、全ての部門で強さを見せ、総合力の高さを示す結果となった。全9回にわたってレース後インタビューをお届けする。

 第2回は園原健弘総合監督のインタビューです。

 

――今大会の総括をお願いします。

 「1部残留が大きな目標だったのですが、総合11位でそれを果たすことができて、かつ49点という総合得点で、戦後最高の得点で来ているのではないかなと思っているので、本当に想定以上に頑張ってくれたなと思っていますね」

 

――競歩陣に関してはいかがですか。

 「私は1、2、3位をやってほしいくらいの希望は持っていたのですが、やはり現実的な想定の中で最高の結果を出してくれたので、非常に喜んでいます。ですが競歩特有の上位の選手が失格して棚ぼたのところはあるから、厳しめになってしまうのですが、そういうことがなくてもきっちり入賞できるように実力を付けてほしいなと思いますね」

 

――濱西選手(諒・文4=履正社)は優勝候補と言われる中でしっかり優勝しました。

 「濱西は実力からいっても優勝して当たり前の選手です。ただ優勝が期待されていてプレッシャーがかかる中で、きっちり優勝したというのは本当に力がある証拠です。精神的にも安定した状態で、4月5月を過ごしていたので、うまく調子を合わせてくれたと思いますね」

 

――表彰台では濱西選手へ監督ご自身から手渡されるシーンもありました。

 「明大の選手に渡せたというのは監督冥利(みょうり)に尽きますけど、やはり日本全体の競歩界の発展というのを明大が一翼として支えているという自負はありますから、明大が競歩界全体のけん引役となれるように今後も支えていきたいので、そういった意味では明大の選手にこだわっているわけではないけど、うれしいことはうれしいですね」

 

――この関東インカレの勢いも初日の1万メートルから始まったと思います。

 「長距離に関して山本佑樹駅伝監督の方針の中では、やはり箱根駅伝(以下、箱根)一本に絞って年間での強化を図っていきたいというのがある中で、関東インカレにきちんとピークを合わせてくれました。今回の49点の一番の要因は初日に9点を取ってくれたこと。それによって選手たちに自信が芽生えて『自分たちはできるんだ』『もう9点取ってくれてるんだから、余計なプレッシャーなくリラックスした状態で力を発揮すればいいんだ』という状況につながりましたから、非常にチームに勢いを与えてくれた9点だったと思いますね」

 

――短距離の活躍もさすがでした。特に4年生は3選手とも入賞されました。

 「短距離は鈴木憲伸(営4=明大中野八王子)がブロック長になって、ピークを関東インカレに合わせていたのですが、いろいろ道中で周りの皆さんから東京六大学対校大会で東大にも負けてこんな結果はふがいないという評価をいただいていました。現場はそういう周りからの声に折れないで、特に渡邉高博コーチが言っていたのは『関東インカレで結果を出すためにシーズンの初戦は抑えているので、関東インカレでは結果を出さないと今まで言ってきたことが全部言い訳になってしまうから、ここにピークを合わせることがとても大事』という話をしてきて、やはりきちんと狙った試合にピークを合わせられたというのはすごいと思います。その象徴が三段跳びの鈴木憲。東京選手権とか日本学生個人選手権とか見ても大丈夫かなという不安があった中で、きちんと自己ベストをここで出すというのは本当に立派な成績です」

 

――明大を日頃から応援してくださっている方にメッセージをお願いします。

 「スポーツってする人、見る人、それから支える人。この3つで成り立っているので、今回も有観客で現場まで応援に来ていただいて、多くの皆様に見ていただいて、それから声を掛けていただいて、叱咤(しった)激励をいただいて。今回ここまで来れたのは、箱根で皆さんの期待に応えるような成績を残すことができなくて、厳しいお言葉をいただいて、その批判をしっかり糧にした部分があるので。やはりそういうところのお声は貴重だし、ありがたいです。やはりこの後駅伝シーズンに向かっていくわけなので、そこでも皆さんの期待に応えられる結果を残したいと思っているので、引き続き、できれば温かいご声援をいただきたいと思いますね」

 

――ありがとうございました。

 

[大橋直輝]