(6)大会後インタビュー① 内藤紳之介/全日本学生選手権大学対抗戦

 全員で戦い、全員で優勝をつかみ取った。1年間の集大成である全日本学生選手権大学対抗戦(以下、団体戦)。3月12日〜13日に、和歌山セーリングセンターで開催された。日本一の大学を決める今大会で、明大は創部史上初の4連覇を達成。団体戦メンバーとしてレースに出場した5人の選手にインタビューを行った。

 

 第1回は内藤紳之介(法2=アサンプション国際)です。(この取材は3月15日に行われました)

 

――今年度、団体戦メンバーの5人全員が出場した理由とはどういったものが挙げられるのでしょうか。

 「昨年度も今年度もキャプテンが最終的にメンバーを決めるのですが、今年度に関しては、昨年度に比べてだいぶ余裕のない大会でした。もちろんライバルの関東学大とか、他にも勢いづいていた京大など関西も目が離せない状況でした。一レース一レースの疲労というのは、他のレースと比べて桁違いなところがあるので、3人を固めてしまうのは今年度、戦略上良くなかったというか、満遍なく使うことでレースの質が上がるという考えだったと思います」

 

――1日目のプレッシャーもあったと思います。2日目でどのように切り替えをされましたか。

 「(ボードセーリング部公式Instagramでの)モチベーション動画も8割くらいを占めているのですが、やはり追われる側よりかは追う側の方が圧倒的に楽というふうなことをOBの方に言ってもらって、本当にそうだなと思いました。これまでずっと追われる側だったのですが、明治大学は強いチームということで、1日目は6位で立場が逆転して、上位の大学には抑えられるようになったりとか、反対に僕たちは追う側になったりということで、闘志をむき出しにして頑張りました」

 

――風が1日目と比べて強かったと思いますが、どのように対応されましたか。

 「1日目はいわゆる微風という風域で、2日目は強風という風域なのですが、僕たちの中で微風というのは関西が速くて、強風というのは関東というのが速い、というのがあって、まさにそのようなレース展開でした。1日目は上位の大学はほぼ関西で、2日目になるとどんどん関東の大学が追い上げていくような感じでしたね」

 

――最後の5レース目、内藤選手と三浦圭主将(法4=星)はスタートがうまくいかなかったように見えたのですがいかがでしたか。

 「あれは、かなり焦りました。もう本当に『やっちゃった』という感じで、僕と圭さん(三浦)がスタートで失敗してしまいました。基本的にウインドサーフィンのレース中私語はないのですが、そのレースに関してはスタートに失敗した後『やってしまった。これからどうやって挽回していこうか』と全神経を集中させて考えていたら、前にいた圭さんが一瞬僕の方を振り返ってくれて『落ち着いて』ということを言ってくれました。その瞬間に焦らなくても大丈夫というか、三浦キャプテンを信頼して、自分が今までやってきたことを信頼すれば絶対に優勝できるというふうに考えて、あとは固く考えずに自由にレースすることができていました」

 

――その結果、三浦さんも、内藤さんも何人も追い越して上位に入っていました。

 「やはり、その時の圭さんの言葉がなかったら、恐らく考え過ぎて、たくさんタックという方向転換を焦ってしてしまったりとか、自分の走りができなかったりしたと思います。振り返ってみてキャプテンも、今の4年生も、僕たちが2年生のときの4年生で本当に良かったなと思いました」

 

――大会通して、4連覇のカギとなったのはどこだったと思われましたか。

 「正直に言うと、1レース目かもしれないです。良くなかったレースですね。あれのおかげで、応援メッセージだとか『僕たち5人で戦っているわけではなくて、チーム総力戦だ』ということを再認識できるきっかけにもなったので、やはり1レース目がカギとなったのではないかと思います」

 

――この1年間どのように成長されたなと思いますか。

 「後輩ができたというのがとても大きかったです。僕の人生で部に入ったのも初めてなのですが、人生で初めて後輩ができました。これまでずっと先輩の背中を追う側だったのですが、追われる側になって、ウインドサーフィンを教えるというのももちろんそうですし、教えるだけではなくて、後輩との関係性も本当に大切だなと思うことができました。ウインドサーフィンもそうなのですが、教えることで自分も人として成長することができて、この1年間本当に上にも下にも恵まれているなと思っています」

 

――内藤さんご自身の、来年度の目標を教えてください。

 「もちろん団体戦が終わって、1日は余韻に浸って浮かれていたのですが、今日からは5連覇に向けて進んでいきます」

 

――ありがとうございました。

 

[金井遥香]