(120)全日本競歩能美大会事後インタビュー②/園原健弘総合監督

2022.03.22

 3月20日に行われた全日本競歩能美大会(以下、全日本競歩)。明大のエースとしてここまで競歩部門を引っ張り続けた古賀友太(商4=大牟田)が学生最後のレースを終えた。今回はレース後の園原健弘総合監督のインタビューをお届けする。

 

――今回のレースの総評をお願いします。

 「世界選手権の代表を狙ってのレースでしたが、結果として世界選手権の代表まで届かなくてチームとしても本人としても残念な気持ちの方が大きいです。ですが、フォームの問題がずっと課題として残った中でのレースで、今回はユニバーシティゲームズやアジア大会などのいろいろな選考が懸かったレースだったので、失格にならないようにゴールしようというのが最低レベルの目標でした。その最低レベルの目標を最高の結果ではなかったですが、最低のレベルを高いレベルで残してくれたというのは本人の努力のたまものだと思います。ただやはりフォームがここまで改善できなかったというのは、私たちスタッフ陣含めてコーチのところにも問題があったので、そこは本人にも申し訳ない気持ちがあります。チームとしては課題が残るレースであったという感じです。チーム全体としては競歩部門にとって神戸(日本選手権)とこの全日本競歩が個人としては一番大きな大会だから、濱西(諒・文3=履正社)がケガで途中棄権、清水(海地・理工2=長野日大)とか他のメンバーも体調が整わず出られず、ピークを持ってこれなかったというのはチームとして課題が残ったレースだったかなと思っています」

 

――古賀選手のフォームに関しては長期的な課題ですか。

 「私たちもどちらかと言うと、楽観的に、できるだけ良いところを見て評価して強くしようというふうにやってきました。しかし競歩に関してはフォームのチェックが入ってしまうので、それはもう少し早い段階からマイナス面をしっかり見てアドバイスしてあげるべきだったのかなと思います。ただ、神戸が終わってからのこの1カ月の間で三浦康二コーチをはじめしっかりアドバイスをして取り組んでいたので、結果が出せたかなと思います」

 

――『競歩は世界に出てからが勝負』とおっしゃっていましたが、その点に関してはいかがですか。

 「今日のレースでユニバーシティゲームズには代表に選ばれると思うので、オレゴンの世界選手権は残念ながら選ばれないですが、ユニバーシティゲームズで日本代表として、過去もチームの団体優勝もしているし、個人レベルでもメダルを取っているので、そこはしっかり確保してほしいなと思います。それに対してフォームの課題も残ると思うので改善しながら、古賀に関しては大塚製薬が新しく所属先になりますが練習の拠点は東京で三浦コーチも引き続きサポートします。彼の頑張りが明大競走部にいい影響を与えてくれると思うので、非常に期待はしつつ私たちも責任を感じてサポートしつつ、引き続きできることはしていきたいと思います」

 

――古賀選手の4年間はいかがでしたか。

 「彼は理想的でした。競技者である前に学生としても人間としてもそれなりに範を示すような、人格的な部分も本当に落ち着いているし、理想的な選手でした」

 

――古賀選手にこれから期待することはありますか。

 「競歩の場合はこれから五輪でメダルを取るレベルの選手がいっぱいいます。ただ一つ残されているのは五輪で金メダリストがまだ出ていないので、やはりパリ五輪でそこのところをなんとか、本当に簡単な道のりではないし国内での競争が厳しいので、国内での厚い壁を一つずつ突き破ってぜひそこに五輪の金メダルという目標まで届いてほしいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[大橋直輝]