
(23)北京パラ直前企画 競技ガイド/車いすカーリング
普段は体育会を取材する明スポが3月4日から開幕する北京パラリンピックに注目! 大会開幕に合わせて、全6競技の説明やみどころを紹介する。こちらのガイドをお供にぜひパラリンピック観戦を!
〝氷上のチェス〟とも呼ばれるカーリング。2018年の平昌オリンピックでは日本代表女子が銅メダルを獲得し、一躍その名をとどろかせた。カーリングは、車いすカーリングという形でパラスポーツにもなっている。パラリンピックでは2006年のトリノ大会から正式競技となった。
車いすカーリングは、足に障害がある選手が車いすに乗って競技をし、1ゲーム8エンドで行われる。各エンドで8球ずつストーンを投げ、ハウスと呼ばれる氷上の円の中心であるティーに一番近いストーンを投げたチームが勝者となる。敗者のチームのストーンの中で、一番中心に近いものよりも内側にあるストーンの数が得点になる。得点の方法はカーリングと同じだが、カーリングとの大きな違いはスウィーピングが禁止されていることだ。スウィーピングとは、ブラシで氷上を掃きストーンの動きを調節すること。車いすカーリングにはスウィーピングがない分、投球する選手のコントロールが重要視される。また、投球する選手はデリバリースティックと呼ばれる棒状の補助具を使って投げることが多いというのもカーリングとの違いの一つだ。男女混合で競技が行われ、健常者とも一緒にプレーすることができるユニバーサルなスポーツである。
一見単純に見える競技だが、ハウスの中にストーンをとどめるドロー、相手のストーンを弾き出すテイクアウト、テイクアウトした後にその場に自分のストーンを残すヒットアンドステイなどのテクニックを臨機応変に使い分ける、高度な頭脳戦が求められる。
(平昌パラリンピックで金メダルを獲得した中国代表)
残念ながら北京パラリンピックには車いすカーリング日本代表は出場することができないが、12カ国の代表が出場する。前回大会で金メダルを獲得し昨年の世界選手権でも優勝した強豪であり、今大会の開催国でもある中国代表や、世界選手権で最多の金メダル数を誇るRPCなど強豪が名を連ねている。車いすカーリングの初戦は3月5日。氷上で繰り広げられる熱い頭脳戦に目が離せない。
[豊澤風香]
※写真/PARAPHOTO/山下元気
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