
(30)シーズン後インタビュー 堀見華那
思いを込めた演技で氷上を彩り、見る者の心を躍らせてくれた選手たち。シーズンを通してそれぞれが味わった思いはさまざまである。新型コロナウイルスの影響にも負けず戦い抜いた今シーズン。その振り返りのインタビューをお届けする。
(この取材は1月29日に行われたものです)
第1回は堀見華那(商1=愛知みずほ大瑞穂)のインタビューです。
――今シーズンを振り返っていかがですか。
「今シーズンはいいところもありましたがたくさん課題が見つかったシーズンでした。環境が今までと全く違って1人で朝起きて練習行ってみたいな感じで夏ぐらいまではいいペースでいけていたのですが、シーズン入って試合がいっぱいあると疲れが出てきたり、自分の体のケアや練習方法でうまくいかなかったりして調子が落ちることがありました。全日本に出ている人たちはシーズン入って最初はあまりうまくいかなくても試合を重ねるごとにどんどん良くなっていると思います。私は逆で試合があるごとにここがダメだったから次はここを克服しようと練習していたのですが、どんどんできなかった部分が増えていってだんだん良くなるという感じではありませんでした。練習のモチベーションが下がったわけではないのですが、練習方法をもう一度見直した方がいいなというのを感じました」
――今シーズン成長したところやここは良かったというところはありますか。
「良かったのはスケーティングの面で、昨年度より点数が上がり自己ベストを更新できたことです。また、昨年度までと比べると調子が悪くても良くても自分に自信を持って試合に挑むことができました。不安要素もありましたが、試合に対するメンタルの持っていき方が今年は良かったと思います」
――メンタルは意識的に変えたのですか。
「わたしは試合前の先生の言葉掛けのようなものはあまり喋ってほしくないタイプです。ですが、自分が集中できるような言葉を掛けてくださって、試合する時の先生との相性がけっこう良かったと思います。練習でできないことは試合でもできないのですが、練習でたまにしかできないところが急に試合になったらできたということがあったので、試合の感じや気持ちの感じはうまくいったかなと思います。でもあまり良い試合はなかったです(笑)」
――悔しい部分の方が多いですか。
「いくらスケーティングが良くてもジャンプを跳ばないと点数がなくなってしまいます。スケーティングなど表現の面ではかなり良い評価はもらえていたので来シーズンはそこを伸ばしつつ、曲の中にジャンプが組み込めたらいいなと思います。私はたとえば全部ジャンプを跳ばなかった、跳べなかったというよりジャンプがないプログラムでもスケーティングで魅せたいなと思っていて、そういう演技を目指しているのですが、やはり試合はジャンプを跳ばないといけないので、自分のいいところを消さないように、でもジャンプを跳べるようにするというのが来シーズンの目標であり今シーズンの悔しかったところです」
――今シーズンリンクが変わりましたが周りの方から影響を受けましたか。
「同期の子で学校は違いますが同じ学年の子がいて、いつも一緒の大会に出ていつも話しながら頑張っています。その子と私で得意なものと苦手なものが違っていてけっこうその子から刺激をもらっています。私は今3回転3回転が跳べないのですが、その子は3回転3回転が跳べてそういうのを見て私も一緒に練習して学んでいます。私はスピンが得意でその子にスピンについて聞かれたり、一緒にやったりとかあるので名古屋の時と同じようにこっちに来てもそういう子がいるので刺激にはなっています」
――明大のフィギュアの雰囲気はいかがですか。
「楽しいしみんな話しやすいというか関わりやすい人ばかりで、喋りにくさがある人とかもいなくて、授業のことも気兼ねなく聞いていいよって言ってくれるし、すごくいいと思います」
――全日本選手権(以下、全日本)は見ましたか。
「みんな失敗しないし懸けている思いが強いのだなと思いました。母には『今度こそは出てね』と言われました。今までジュニアで全日本に出られるのは推薦の人で6位とかまでに入らないといけなかったので、そこは少し厳しいなと思って目指してなかったです。全日本に出たいから今シーズンシニアに上がったのですが、東の枠が少なかったです。私がSP(ショートプログラム)もFS(フリースケーティング)も両方ノーミスしてもいけないのではないかというぐらいでした。今年は昨年の全日本の結果から枠が増えるので今年よりは来年の方がいけるチャンスがあると思います。来年は全日本に出たいと思います」
――今はどんな練習をしていますか。
「試合がないので今までやってなかったジャンプ、たとえば3回転3回転を練習しています。試合の前になってくるとプログラムに入っているジャンプを中心にやるのですが、今は新しく跳べるジャンプを増やしたいので。ジャンプを集中的に練習したり、スピンを集中的に練習したり、曲をかけたりという感じです」
――入学してから1年経ちますが大学生活はいかがですか。
「大学は楽しいです。レポートなど大変なことも多いですが、友達もできて遊びにいったりすることができて思ったより学生生活は満喫しています」
――あと2か月で後輩が入ってきます。
「高校の時に一応後輩はいたのですが、小さい時からの知り合いの子ばかりで先輩というのを味わったことがないです。ですが、授業のこととかを私も今は3年生や2年生の先輩に聞いてかなり助けてもらっているので、先輩を見習って自分も同じ感じのことをしたいなという風には思っています」
――来シーズンの目標を教えてください。
「来シーズンの目標は全日本に出ることと、国体も出たいなと思います。全日本学生選手権(以下、インカレ)はすごい選手がたくさんいるので自分が出られるかは分からないですが、明治が良い順位を取れるように貢献したいなと思います。東日本学生選手権(東インカレ)やインカレに出られるようにもう少しうまくなって明治に貢献するというのが目標です」
――ありがとうございました。
[堀純菜]
関連記事
RELATED ENTRIES