
(28)冬季国民体育大会事後インタビュー 大島光翔
(この取材は1月31日に行われたものです)
大島光翔(政経1=立教新座)
――冬季国民体育大会(以下、国体)を終えての率直な感想をお願いします。
「SP(ショートプログラム)をノーミスで終えて70点を超えられて、FS(フリースケーティング)はそこまでいい出来ではなかったですが、総合で200点を超えることができて、自信につながるいい試合だったなと思います。SPと総合で自己ベストを更新できて、今シーズンの目標がSP70点超えと総合200点超えだったので、それをクリアして今シーズンを締めくくれたのは本当に良かったなと思います」
――SPを振り返ってみていかがですか。
「ここ数年、3回転の連続ジャンプとトリプルアクセルを跳んでノーミスしたことがなかったので、今回初めてノーミスでできたのが自分の中でもとてもうれしくて、練習でノーミスできていることは多かったのでその部分では自分の実力が発揮できたのかなと思います。ノーミスでできたことはよかったですが、SPのジャッジスコアを見て、本来ならば3つ目のジャンプが後半で得点が1.1倍になるのですが、それが付いていなくて『なんで1.1倍になっていないのかな』と思いジャッジの方に聞いたら、プログラムの構成と時間的に3つ目のジャンプは後半ではないと言われてしまって。振り返ってみたら他の試合でも取れていないことが多かったので、シーズン最後にプログラムの欠陥に気付いてしまいました。3つ目のジャンプがもし後半だったら、あと何秒か遅く跳んでいれば点数が上がっていて、今回は順位が3位だったこともあるので、そういう部分では自分の認識不足というか、しっかりチェックしていかないといけないなと思いました」
――演技後からキスアンドクライまで、とても盛り上がっていました。
「今シーズンの初戦からずっとSPでノーミスしなければと思っていて、父にも70点を早く超えたいなと言っていて、父と掲げていた目標でもありました。ノーミスしたら70点超えを達成できるだろうと思っていたので、それを達成できたことの喜びを分かち合っていました。トリプルアクセルと3回転の連続ジャンプを跳べて70点を超えていなかった選手は他にはなかなかいないと思っていて、ジュニアのトップ6を見ても70点を超えていなかったのは自分だけだと思っていたので、自分がどれだけSPに弱いのかを試合ごとに思い知らされていたので、今回ようやく70点台を出せたことで、やっと次のステージに進めた気がしました」
――ミスなく滑り切れた要因はありますか。
「埼玉県代表として出場して、リンクサイドで埼玉県の監督や自分の仲間が応援してくれていたので、いつもの試合よりは気持ち的にも楽しく滑れたかなと思います。仲間の応援あってこその演技だったと思います」
――FSを振り返ってみていかがですか。
「普段はSPがそこまで良くなくてFSで追い上げていた形になっているのですが、SPで点数が高く出た分、FSはいつもよりは落ち着いて臨むことができたと思います。FSの演技は良くない出来ではありましたが、今シーズン、FSは良くも悪くも130点前後くらいの一定の点数でまとめることができていたので、自分の中でもこれ以上は下の点数が出ることはないだろうという、平均の点数を見ると昨年の自分よりも成長したなと実感しています。トリプルアクセルが決まらなくても3回転の連続ジャンプを決めたり他のジャンプでリカバリーしたりすることができたので、いい演技とは言えないですが最低ラインというか自分の中ではまとめた演技ができたのではないかなと思います。FSは最後までステップのレベルが4ではなくて3しか取れなかったのが悔しい点で、憧れの髙橋大輔選手のステップはとてもきれいなので、それと比べたらまだまだ自分は足元がおぼつかなかったりして、ステップを踏めていないのだなという風に反省しています」
――4本目のジャンプを跳んだ後の表情が気になりましたが、何かありましたか。
「2つ目のスピンがフライングキャメルスピンで、そのときにバランスを崩してしまって、とてつもなく悪いスピンをしてしまいました。普段のスピンと比べると一目瞭然で、最初から回る軸がぶれてしまって、もうこれは回れないみたいになってしまいました。スピンで失敗することはほとんどないので、あのスピンの後はやってしまったなという顔に急になっていると思います(笑)」
――演技をしているときの気持ちはいかがでしたか。
「今シーズン最後の試合でもあったので、SPもFSもこの試合で最後だという気持ちで滑りました。演技が良くても悪くても自分が楽しんで思い切り踊ってプログラムをいい形で締めくくりたいと思って試合に臨んでいました。来シーズン、SPもFSもこのプログラムを続けるかどうかはまだ決めてはいないですが、おそらく変えるのかなと思っています。まだ何も決めていない状態ですが、もし変えるなら、明るい曲、お客さんを楽しませるプログラムをやりたいのが一番なので、先生や親と相談しながら、自分なりにお客さんを楽しませられるプログラムができたらなと思います」
――個人4位でしたが、順位についてはどのように思いますか。
「200点台が5人くらいいた中で4位に入れたのは自分の中でとてもうれしいです。前の滑走者の太一朗くん(山隈太一朗・営3=芦屋国際)と光希くん(須本光希・関大)が200点台を出していて、得点のアナウンスが聞こえてきて、自分は200点台を出したことのない身だったので『すごいな』と思って、自分もそれに食らいついていけるか不安でしたが、終わってみれば総合4位だったので、200点台を出しての4位は自分の中ではとても自信につながったのかなと思います」
――これから休みに入ると思いますが、何をして過ごしますか。
「もうすぐアメリカに練習に行こうと思っていて、2月の中旬くらいから4月の初旬くらいまでロサンゼルスに行くつもりです。3年前にロサンゼルスに練習に行って、それがきっかけで、それまで停滞していた自分が成績を残せるようになって、ジュニアで上を目指せるようになりました。今回シニアに上がるにあたって、自分のモチベーションや技術面でレベルアップできるようなきっかけになればいいなと思って行こうと思っています」
――もし時間があったら始めたいことやしたいことはありますか。
「興味を持っているのはテントサウナです。組み立て式のサウナで自宅でもできるみたいなものがあって、それを今狙っているので、時間があったらですが買ってやってみたいです。(サウナ同好会が開かれるのを期待しています)一希くん(友野一希・セントラルスポーツ)に言ってはあります(笑)」
――ありがとうございました。
[守屋沙弥香]
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