
(27)冬季国民体育大会事後インタビュー 松原星
(この取材は1月31日に行われたものです)
松原星(商3=武蔵野学院)
――冬季国民体育大会(以下、国体)を振り返っていかがですか。
「国体はリンクが移って先生が代わって初めての試合だったので、技術的なものは構成を落としました。少し環境が変わって練習も変わって、足も少し痛くなってしまって。少し休んで、いろいろ重なったこともあって、構成を落として臨んだ大会でしたが、それでもまとめて東京都に貢献できて、3位に入れたのは良かったなと思います」
――練習場所を移動したのはどういった経緯でしょうか。
「移動したのは2月からです。東伏見の練習が少なすぎるのと、東大和もやっていなくて、シチズンも閉じてしまって、一気に練習環境が悪くなってしまったのが一番です。本当にそれが理由で移ったので、納得のいく練習ができるように新たな場所で頑張ろうと思いました」
――その中でも三井不動産アイスパーク船橋を選んだ理由はありますか。
「まだできて1年くらいだと思いますが、シーズンを通して所属している選手の映像を見て、大会のたびに進化している姿を見ていたので『どんな練習をしているのだろう』ととても興味を持っていたのが大きいですね」
――渡辺倫果選手(法大)などを見てそう感じられたのですか。
「倫果ちゃんもそうですし、ジュニアの小さい子たちも、ジャンプだけではない部分でとても成長していて。大会で毎回見るたびに『あれ、上手くなってる』というのが印象的だったので、どんな練習をしているのかは気になってはいました」
――実際に移動してみて、そういったことを感じることはありますか。
「今までの東伏見の練習は曲かけ練習ですし、体制が全然違っていて、そもそも船橋のリンクは先生が3、4人いて、全員が同じ生徒、同じ先生の中でやっている感じで。陸トレやバレエ、貸し切りの時間も全員でステップをやったりします。東伏見の練習は本当に曲かけ練習だけだったので、ジャンプ以外のところを強化せざるを得ない状況というか、したいと思ったら強化できる環境が整っているのはすごいと思っています」
――実際に演技の成長につながっているという実感はありますか。
「まだ1ヶ月も通っていないし、途中は休んだりもして、まだわかりませんが、今までは気にしたことがなかったテーピングの部分で『そんなところをそうやって気にするんだ』とか、今まで注意されたことがなかったところをとても注意されていて頭がパンクしそうです。中庭(健介)先生も忙しい方で、まだそこまで教わっていないのですが、環境的には今までと違う行動をしている感じです」
――国体の話に戻りまして、東京都の代表として団体3位になりました。その結果には率直にどう思っていらっしゃいますか。
「一昨年2位だったので、1位を狙えると思っていたのですが、メンバーを見たら『さすがにそれは難しいわ』と思って。その中でもしっかり表彰台に乗れたので、とてもうれしい結果です」
――佐藤伊吹選手(政経3=駒場学園)と出場したことについてはいかがですか。
「昔一緒に国体予選に出て、本戦に2人とも出場できなくて、とても悔しい思いをしました。それから6、7年経ってやっと一緒に国体に出られたのはとてもうれしかったです」
――雰囲気はいかがですか。
「都連(東京都スケート連盟)の合宿があったり、東京都代表のメンバーも同じリンクではありませんが、ずっと一緒に貸し切りなどで練習している仲です。みんな友達だし、仲良い人たちなので、雰囲気は硬くないです」
――SP(ショートプログラム)を振り返っていかがですか。
「ルッツが跳べていなくて、サルコウトーも99.9%くらいのレベルで失敗しないジャンプで、サルコウでかなり失敗していて。『少し前の練習から休んだりしたからかな』と原因をつかめずにそのまま出場しました。本番前の公式練習でもサルコウトーが戻らなくて、原因がわからなかったので、どうしようもないと思いました。それでもサルコウトーだけは跳ばないとSPを通過できないので、ルッツは決まったらラッキーくらいの気持ちで、中庭先生からも『1割か2割くらいの可能性を信じて頑張れ』と言われましたし、その中でサルコウトーをしっかり跳べたのは良かったかなと思います」
――一度スランプのようなものに陥ると、そこから抜け出すのは難しいものですか。
「あまりそういうことはありませんが、こんなに跳べなかったら自分のせいでしょと思っていました(笑)」
――FS(フリースケーティング)を振り返っていかがですか。
「FSは、ルッツとフリップが全く跳べていなかったので、カギとなるサルコウトーがこんな調子ではさすがに全部大変なことになってしまうと思いました。サルコウがかなりわからなくなっていたので『アクセルトーをつけよう』と先生と話して『つかなくてもついたらラッキーと思って跳びにいって』と言われたので、跳んでアクセルトーも決まって、ループも調整して何とか跳んで、サルコウトーは後半で決まって本当に良かったと思います。サルコウトーが私の得点源なので。まとめられてよかったなと。それまでの船橋の練習だと、ダブルアクセルも転んでいるような状態だったので、まとめられて良かったと思います」
――インカレが終わって、シーズン最後の大会でしたが、国体に臨むにあたってどのような心持ちで挑みましたか。
「最初はFSが2年目で『ノーミスするぞ』という勢いで2022年は始まりました。でもインカレから国体も本当に短かったです。シーズンが終わっても環境が変わっていろいろとやっていかないといけないですし、残り1年でどうにかしないとなと思っているので、ぼけっとしていられないというか、普段からシーズンが終わってもぼけっとはしていないので、あまりシーズンが終わってもいつも通り真面目にやっています」
――オンオフをはっきりさせずに練習しているのはどういった気持ちからでしょうか。
「課題だらけですし、残り1年で全部その課題をこなせるか、1年では足りないレベルです。実際に跳べていないわけですし、中庭先生にもやることいっぱいと言われています。『とりあえず〇〇から取り組まないとね』という〇〇がきっといっぱいあるだろうと思っています。今年はあと1年ですし、気を抜かず毎日真面目に頑張ろうかなという感じで、サボることはしないので、いつも通り頑張ろうという感じです」
――ありがとうございました。
[加川遥稀]
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