学生記者である自分にしかできないこと
1月5日。新年早々に私は北海道・帯広にいた。新年1発目、そして実質最後の大会取材であるフィギュアのインカレ取材。この大会は連盟も学生中心に運営されており、取材も基本的に大学新聞のみ許される大会だ。フィギュア取材では珍しいことで、学生記者としては腕の見せ所。学生記者の自分にできること、ファンの求めるコンテンツなど、これまで3年間研究し尽くした全てを発揮しようと人一倍奮闘した。
思えばフィギュアは注目度が高くプロと同じ現場で取材をすることが多かった。貴重な経験にはなったと思うが、圧倒的に劣等感が勝る。常に学生の立場は弱く、カメラマン席に入れなかったり、取材申請が下りなかったこともあった。その悔しさから常に「学生記者の自分だからできること」を意識してきた。学生という立場を生かし、自分にしか提供できない価値を追求し続けた。
たどり着いた答えは「選手と仲良くなる」ということ。選手たちは輝かしい舞台で活躍するスターだが、あくまで学生。同じ学生という立場を生かして選手との距離を縮め、心を許してもらうことで少し踏み込んだ話を引き出す。簡単のように思えるが、私はそうは思わない。自分の強みであるコミュケーション能力があったからこそできたことだと自負している。実際に先日行われた全日本フィギュアでは、普段から親交の深い樋口新葉(商3=開智日本橋学園)からの独占コメントをもらい、多くの反響をいただいた。インカレでもさまざまな場面で生かされた。まさに自分が追い求めた価値を提供できた瞬間だった。
学生記者もこの1月で引退。かと言って落ち着く暇もなく就活が控える。就活ではまさに自分が提供できる価値が問われる。明スポでの経験を生かして納得できる結果を残し、残り1年となった大学生活が「最高だった」と言えるものにしたい。
[加川遥稀](執筆日:1月7日)
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